フィンランド供与のレオパルト2Rの半数を失ったウクライナ軍
https://sputniknews.jp/20230613/2r-16261827.html
2023年6月13日, 16:43 (更新: 2023年6月13日, 20:02)
フィンランドがこれまでにウクライナに供与した重地雷除去車両レオパルト2Rのうち、半数が撃破された。フィンランド紙Helsingin Sanomatが伝えている。
レオパルト2Rは独製主力戦車レオパルト2A4を土台に、砲台を取り除き対地雷防御に特化した車両。地雷原などで障害物を除去するために設計されており、車体前方には地雷除去用の器具が装備されている。
Helsingin Sanomatなどによると、これまでにフィンランドは6両のレオパルト2Rを供与。ウクライナ軍はそのうち3両を失った。
同紙は専門家の分析をもとに、ザポロジエ州の前線で破壊されたとみられるレオパルト2Rを収めた写真の信憑性を確かめたとしている。
一方、これまでにフィンランド国防省は国営放送YLEに対し、レオパルト2Rの損失について、コメントを拒否している。
フィンランドは2022年2月以降、これまでに16回にわたりウクライナに軍事支援を行っている。その額は累計約11億ユーロ(1650億円)に上る。フィンランドの軍事予算は約50億ユーロ(2022年)。自国の軍事費の5分の1以上の規模の支援をウクライナに行った計算になる。
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破壊されたレオパルト2 ドイツは代車を用意できない
2023年6月13日, 20:20
ウクライナの前線に投入された独製主力戦車レオパルト2が破壊されたという報を受け、ドイツのボリス・ピストリウス国防相がコメントした。欧州メディアRTLが伝えている。
RTLのインタビューでピストリウス国防相は、ウクライナへの軍事支援を継続するとした一方で、ドイツが破壊されたすべての戦車の代わりを用意することはできないと表明。「戦争の本質は人々が殺され、武器が破壊されることだ」と指摘し、次のように述べた。
「修理を終えた戦車レオパルト1A5の供与を7月から増大させる。年末までにその数は100両を超す」
ドイツ国防省はこれまでにLeopard 2を18両供与した。2月には退役した旧型のLeopard 1A5を178両追加で供与することを決定した。
ウクライナ側の損失を考慮し、レオパルト2の供与を3倍に増やすなど、軍事支援を強めるようドイツに対して求める圧力が高まっている。元駐独ウクライナ大使のアンドリー・メリニク外務次官は、独紙TAGESSPIEGELのインタビューで、ドイツはレオパルト300両以上を備蓄として持っており、「ドイツの自衛能力を損じない形で」もっと供与できると主張している。
露国防省は10日、ウクライナ軍が南ドネツク、ザポロジエ方面でレオパルトを含む戦車9両と、米製歩兵戦闘車ブラッドレーなど11台の戦闘車を失ったと明らかにした。
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キンジャールに勝てないだけじゃない パトリオットはウクライナ人に脅威
2023年6月7日, 00:20
備の米国の地対空ミサイルシステム「パトリオット」は、米国の誇る最新の対空防衛。ウクライナに供与されたパトリオットPAC-3は高速の標的を探知するレーダー能力が大幅に向上しており、そのことからMIM-104Fもアップグレードされているはずだった。ところが、米ミリタリーウォッチ誌は、ロシアの極超音速ミサイル「キンジャール」は米国の超兵器の無敵神話を打ち砕いたと報じている。
ミリタリーウォッチ誌によると、2023年5月16日だけでパトリオットはロシアの「キンジャール」に向けて一気に32発のミサイルを発射。ところがミサイルは1発もキンジャールに命中しなかった。今まで、パトリオットが命中しなかった兵器は世界には存在しない。パトリオットのミサイルは標的を外した場合は空中で自動的に自爆する設定になっているはずだが、それも起きなかった。ウクライナのSNSで拡散された動画を見ると、パトリオットのミサイルは爆発後、道路、車、家屋に落下した。つまり、文字通りウクライナの住民の頭上に落下したのだ。今やウクライナ人はロシアのミサイルや神風無人機の飛来よりも自国の言動をより危険視している。ウクライナ人は、ロシア人が民間人の住む住宅を標的にすることはないことはずいぶん前から理解していたからだ。
ウクライナの元防空将校が匿名を条件にロシアのメディアに語ったところによると、いかなる対ミサイル防衛も空飛ぶコンピュータであるため、到達できず、設定された標的を破壊できない場合は自爆するというアルゴリズムを持っている。この場合、ミサイルは空中で爆発し、地上に落下するのはその破片だけであるため大きな被害は出ない。ところがこの消息筋の説明によれば、欧米のミサイルは射程距離を伸ばし、標的への命中率を上げるために自爆モードを解除している。つまり、本来であればウクライナ人を守るべきミサイルが本物の脅威に様変わりする危険性を考えてはいない。
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ウクライナ軍はロシアのこの武器を危険視せよ NATO元将校が警告
2023年6月13日, 08:30
NATO元将校のスタヴロス・アトラマゾグル氏は19FortyFive向けの寄稿の中で、ウクライナ軍は大きなダメージを与えることのできるロシアの燃料気化爆弾に注意すべきだと警告を発した。
「たった1基のサーモバリック爆弾投射システムTOS-1A(「ソンツェペク」)があれば、機械化パラシュート部隊は止められる」アトラマゾグル氏はこう力説している。
アトラマゾグル氏は、ウクライナはロシアの致死的な兵器システムを積極的に探しており、軍はそれを優先目標とみなしていると指摘した。
アトラマゾグル氏は、「ソンツェペク」火炎放射器システムは進む道の上にあるものを、短時間ですべて破壊することができると指摘している。
TOS-1A重火器システムは、最大射程距離6キロで軽装甲車両、車両、建物、要塞およびその中の敵兵力を倒すために設計された近接武器。レーザーレンジファインダーによって標的までの距離を4〜5メートルの精度で決定することができる。
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炎上するレオパルト
2023年6月14日, 09:00
ウクライナ軍の反転攻勢に向けた戦車レオパルト2のウクライナへの供与については2023年初頭から活発に議論されていた。ウクライナ軍司令部はこの欧米の戦車でロシア軍を粉砕することができると考えていたのである。この「レオパルト2」は、2023年6月初旬に戦闘に投入されたが、最初の戦いにおいて、この戦車は簡単に炎上することが判明した。ロシア国防省の公式発表によれば、ロシアはレオパルト2を8両、非公式データでは11?12両、撃破した。戦闘は今も続いており、より正確な情報はのちに明らかになるだろう。
プロホロフカ近郊の戦いにおける鋼鉄のカオス
そもそも、ドイツ製の戦車でロシアを威嚇するというのはまったく解せない考えである。どうやらウクライナは、戦車や戦車戦というものがロシアの国の誇りであり、国の歴史の一部であることを忘れてしまったようだ。というのも、我々はすでに戦場でドイツの戦車と対峙するという経験を過去に有している。
1943年7月12日、クールスクの戦いの中、ベルゴロド近くのプロホロフカ近郊で戦車戦が起きた。参加したのは、ソ連第5親衛戦車軍とドイツの第2SS装甲軍団で、戦場ではソ連の戦車760両とドイツの戦車413両が激突した。ドイツ軍の最高の戦車隊であるSS軍団は、猛攻撃をしかけ、クールスクの防衛線を突破する計画であった。これに対し、ソ連の戦車隊は反撃し、ドイツ軍の攻撃を阻止しようとした。そして大戦車戦が起こった。
その朝、埃と煙の中、太陽が昇った。双方が激しい砲撃を行い、ソ連の多くの戦車が一気に前進した。ドイツ軍が有していたのは強力な大砲と厚い装甲を備えた重戦車「ティーガー」である。この戦車を撃破するには短距離から攻撃しなければならなかった。モーター音が響き、キャタピラが軋み、爆発音が轟き、金属の擦れる音が鳴り渡った。その爆音は凄まじいもので、戦車隊員の耳から血が出てくるほどであった。戦車につけられたトランシーバーからは数えきれないほどの叫び声が飛び交った。薄闇の中、砲撃の光と爆発の火が上がり、戦車は炎上した。「ティーガー」はソ連の戦車を次々と砲撃した。ドイツの装甲車からは、火花を散らした徹甲弾が撃ち放たれた。しかし、まもなくT34が「ティーガー」に接近し、砲撃を開始した。損傷を受け、炎を上げる戦車から、ソ連とドイツの戦車隊員が降りてくる。鉄鋼のカオスの中、彼らは互いに銃撃し、剣や素手で揉み合った。
この戦闘はきわめて多くの損害を出した。ソ連の戦車194両が炎上、146両が大破した。ドイツ軍は108両の戦車を失い、そのうち14両が炎上、残りは深刻な傷を負った。しかし、ドイツ軍は攻撃を諦めざるを得なかった。1943年7月末、第2SS装甲軍団は前線から退き、イタリアへと移動した。クールスクの戦いはソ連が勝利し、その後、ドイツ軍は戦争そのものに敗北した。
これはこの戦争で唯一の大戦車戦ではないが、もっとも重要で、もっとも有名なものである。我々はあらゆる戦いで、ドイツの最高レベルの戦車隊員と戦車に大勝した。我々はこの戦いを誇りとしており、「レオパルト2」を恐れたりしない。
古い戦車vs最新ミサイル
「レオパルト2」はかなり古い戦車である。「レオパルト2」は1982年3月に初めて製造され、1992年3月まで作られたものである。その後、改良がなされ、砲塔、砲身が交換され、動的防御、新たな照準器、設備が設置された。ウクライナに供与されたこの改良型2A6は、より古い型式のものを改良したものだ。
当初ドイツとその他のNATO加盟国はウクライナに112両の戦車を供与する計画であったが、2023年3月の時点では14両しか送られていない。ウクライナが伝えているところによれば、欧米諸国はこれらの戦車から最新の電子機器、照準器、動的防御、新型砲身などすべてを除外した。また戦場からの非公式の情報によれば、損害を受けた「レオパルト」を分析した結果、照準器は冷戦時代の古いものであったという。言い換えれば、欧米の戦車はロシアの改良型戦車Т-72В3よりも劣っていることになる。
一方、ロシア軍には、装甲車に対抗する対戦車ミサイルという新型兵器が現れている。その中には、汎用装軌装甲車両MT?LBに搭載されたミサイル「シュトゥルムS」も含まれる。このミサイルは6?8キロの距離の目標物を撃破する。これは「レオパルト」の戦車砲の射程を超えている。このミサイルは950ミリの装甲を動的防御、つまり砲弾やミサイルを発射する装甲上の爆薬を超えて、撃破することができる。さらに2022年の末にはレーザー誘導システムを備えた対戦車ミサイルシステム「コルネットD1」の試験射撃が行われた。これらのミサイルシステムは装甲車または四輪車両に搭載される。このミサイルは3.5?5.5キロの距離の目標物を、戦車砲の射程を超えて、撃破できる。ミサイルは動的防御のある1200ミリの装甲を打破し、また戦車が飛翔するミサイルを特殊砲弾で砲撃する能動的防御をも克服することができる。ミサイルシステム「コルネットD1」は2023年春に軍に配備された。つまり、ロシアは改良された防御を備えた欧米の最新型戦車との戦闘に備えてきた。
しかし、今、戦場で使われている敵の戦車には、最新の装甲も防御システムも備わっていないことが判明した。そこで、前評判の高かった「レオパルト2」は標的と化したのである。熱線暗視装置を使えば、緑の背景に黄色の輪郭がはっきりと浮かび上がる。一発命中すれば、「レオパルト2」は炎上する。こうしたすべてから、大きな疑問が湧き起こる。欧米が約束した最新の兵器は一体どこにあるのか。
伝えられているところによれば、ウクライナ軍は、供与された「レオパルト2」の半数ほどをすでに失ったという。もしかするとこの数は半分以上かもしれないが、現在これを確認するのは困難である。しかしもしこれが真実であるとすれば、ウクライナ軍は攻撃を行うための主力兵器を失いつつある。
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