椅子取りゲームか、ババ抜きか?【考察】
トルコには鉄鉱石もないし、エネルギーはクソみたいな泥炭しかない。あれだけでっかい国なのに、意外でしょう?石油鉱脈がありそうだと最近報道されたが、採掘はいつになるこっちゃら。そんなトルコがシリアを欲しがるのは当然。しかしシリアのエネルギー地帯は、トルコの大嫌いなクルードの武装勢力と、アメリカ軍が占領している。
と思ったら、アメリカのスポンサーであり、アメリカの出先機関でもあるイスラエルがシリアを攻撃しはじめた。
シリアは、地裁学的にややこしいところです。過去にややこしかったし、今もややこしく、これからもややこしい。末長く。
1983年のバグダッドで、シーアのアラブ人であるラティーフはシリアのことを「北の方の人たちは、違うんだ」と表現しました。畏怖をこめて、距離を置いて。アサド一家のようにキリスト教徒もいれば、ニューヨークのユダヤ人の祖先で、シリアのダマスカスで何百年も商売をしてきた人たちもいる。そんなところをスンニのオスマントルコが支配し、そのあとイギリスがやってきた。
シーア派が多い地域にスンニ派の支配者がやってきたと、イラクもおんなじような歴史的条件だけれど、そのイラク人が距離を置きたがるほど面倒臭いところです。
失念しているかもしれませんが、イギリスも、アメリカも日本と同じ島国。島国根性。
例えば、日本とコリアは言語的にも文化的にも兄弟姉妹です。もちろん儒教的従列で言えば、コリアが兄姉で日本は弟妹。しかし弟妹たる日本は兄姉であるコリアを「二枚舌・三枚舌」と非難します。北方の熊、西方の虎と折り合いをつけなければならないコリアの生きざまを、日本人は永遠に理解できません。
島国根性のイギリスは、西アジアを引っ掻き回すことはできても安定させることはできません。イギリスは欧州の(背後から)刺しつ刺されつを観察して、どうすればややこしくできるかは学びましたが、安定させる方法は学ばなかった。安定工作なんて不要だし、そもそも安定させる処方なんてありはしない。アメリカも大きいけれど、しょせん島国。政府要人でもウクライナがどこにあるか知らない人がいる。
イスラエルのユダヤ人も、お金と情報は持っているけれど、何千年も土地を持たなかった人たちです。その土地で長く暮らしていかなければならない人たちの気持ちは、全然わからない。嫌な隣人、わけのわからん隣人とも、水を巡って折り合いをつけなければならない農民の心情など、都市住民は理解できません。ボコられた恨みを決して忘れないことも。
今回、エメルギー欲しさに火中の栗を拾ったのが、事情を知りぬいているはずのトルコ。ぶっちゃけ、シリアを取って喜んでいる国の気持ちがわからない。
ロシアは領土的統一性が脅かされなければ、Who gives a damn shit? 我々のビジネスじゃないというスタンスのようです。解決すべき国内問題も多いし。ウクライナと和平交渉の場に、トランプに引っ張り出されそうになったら、その前日にヘーゼルナッツをポーランドのNATO基地に打ち込めばいいさ、くらいに考えているのかもしない。いやいやその前に、任期切れのゼレンスキーの後任を、西欧の大好きな「民主」的に選べよ、ということもできる。百万言よりもロシアは、イスラエルのみならず、中東のあらゆるアメリカ基地を、(日本のアメリカ軍基地も当然ながら)数分で殲滅できるオレシュニク(ヘーゼル)を持っています。
ロシア人の発火点の高さは、日本人などとても想像が及びません。チェスの名人でもあり。
トルコに2つめの貸しができたロシアにとって、トルコのNATO基地にヘーゼルナッツを名刺つきで届ける絶好の言い訳ができたし。ひとつめは10年ほど前、トルコがうっかりロシアの戦闘機を撃墜したのを、トルコも憶えているはずだよね。
中国は、商売にならないことは干渉しない。解決すべき国内問題も多いし。でも一路一帯を邪魔するなら、台湾でもなんでも統一しますよ。いつでも。アメリカさん、兵力分散させてええんかな?そんな談合は、プーチンさんととっくの昔に済んでいるはず。
中国ったら、レアメタルの対米禁輸を発表しました。ロシアはウランの対米輸出制限を発表しているし。
プーチンさんたら、当面はにやにやしながらチェス盤を眺めていそうです。
【追記】
ほぼ戦争犯罪者のリンゼイ・グラハム上院議員が、トルコに激怒して経済制裁しろと息巻いているそうです。面白いね。トルコはNATOの最大軍隊なのに。
https://www.rt.com/news/609106-trump-ally-calls-sanctions-nato/
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