2017年4月22日土曜日

カイザーリポート 第1058回 ゼロ金利時代の若い世代へのアドバイス

Keiser Report_ Horrible Advice for Generation X (E1058)
https://www.youtube.com/watch?v=b9gH5tB1ip0

マックス「ちょっと前のニュースだけど、天から降ってきたのが LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を他ならぬイングランド銀行が操作していましたとさ。」
ステイシー「じつは今回は別の話題を準備していたんだけど、そのときにこの事件が起きて、考えていた話題とぴったりだから取り上げることにしたの。」

記事
LIBOR:イングランド銀行の関与が隠し録音で明らかに。

ステイシー「バークリーの誰かがピーター・ジョンソンと彼のボス、マーク・デュロフの会話を録音していたということ。ピーター・ジョンソンはバークリーのLIBOR金利を決める担当で、LIBOR金利操作の罪で収監中。録音によると、マーク・デュロフがピーター・ジョンソンに『金利を下げろ』って命令している。ピーター・ジョンソンが『そんなことできません。違法ですから。』デュロフいわく『政府もイングランド銀行もそれを望んでいるんだ。』ピーター・ジョンソンが指示通りにしたら有罪・収監。」

マックス「市場はあきらかに操作されている。そもそも市場っていうのは需要と供給があって、多様なプレイヤーが参加して価格がなりたっている。この事件の場合は市場がまったく動いていなかったから誰かが操作したのは明らか。我々はそれを取り上げたんだけど、BBCはじめマスコミはいっさい書かない。『市場は複雑すぎて理解不能!専門家はいないのか?』ってね。ここにきて操作されていたこと、意図的に金利を低く抑えることでポンジ詐欺同様のことが行われていることが明らかになった。それでいて金融機関救済がふつうに行われ、資産バブルが演出され、さてつぎはどうなるんだろうね?」

ステイシー「イングランド銀行のポール・タッカーとバークリーCEO(当時)のボブ・ダイアモンドが議会で証言。アメリカ議会みたいに宣誓するかどうかは知らないけれど、『LIBOR金利操作なんて聞いたことがありませぬ』と供述。LIBORっていうのは世界中の何兆ドルもの取引がそれにもとづいて行われていて、どこの地方自治体も資金運用をしているデリバティブもこの影響を受ける。ということは世界中の地方自治体の財政がこれにより破産・・みたいな影響をまぬがれない。」

マックス「スコットランド銀行の子会社のグローバル・リストラグループのスキャンダルを思い出したぞ。ある中小企のための銀行が破綻しそうだっていうときにそこの別部門が入ってきて資産を売り飛ばしたもんだから、取引のあった中小企業が軒並み倒産した。今回は環球規模になって、いわゆる『スワップのための担保』が金利に連動していて、金利が一定の動きをしたときにそれがトリガーになって、今回の場合はLIBORが操作されて金利が下がり、予定されていたシナリオが発動。世界中の地方自治体財政が影響を受けたり破産する人がでた。破産専門の弁護士や銀行は大儲け、っていうまったくの詐欺なんだ。道路ぎわに置かれていた地雷が爆発してアメリカやイギリスの兵隊を殺傷するみたいに、銀行がファイナンス・ハイウェイに設置した爆弾が炸裂した。これは侵略行為だから銀行は罰せられなければならない。イギリスはテロリストを逮捕するくせに・・」

ステイシー「金利が操作されていることもそうだし、中央銀行が特定の階層のために有意に介入して資産バブルを演出しているのも同じ。ここセントラルパークを取り巻く高層ビル群のなかにもそういう物件があって、多くは中国人の所有。このうしろの双子のビルの最上階の半分はボノのもちもの。あと半分はデミー・ム・・・」

マックス「ありゃゴールド萬作の本社だな。」

ステイシー「ここで問いたいのは、一般の人たちにどう説明するのかっていうこと。イングランド銀行や連銀やアメリカ政府やイギリス政府みたいな権力をもたないふつうの人たちに対して、この金利操作をどう説明するんだろう?たとえば私もそうだけど、ジェネレーションXの人たちはどう考えるんだろう。すずめの涙みたいな金をコツコツと積み立てた退職年金が6万9000ドル・・なんて言われて。」

記事
ジェネレーションX:退職に備えろ

ステイシー「なぜこうなるかっていうと、いわく月額550ドル積み立てて金利7%だとしたら退職時に6万9000ドルになる、と(政府は)いう。でもイングランド銀行がLIBORを操作して金利を低くしているこの時代に、どうしたら7%なんて言えるのか?ってことだよ。」

マックス「だから年金が破綻する。預かった金を返さなきゃいけないのにこの低金利なんだから。銀行がLIBOR操作と同じ金利操作をした結果、年金破綻だ。そこそこの金利を前提にかき集めた大量のマネーがぜんぜん利得を生まない。そのうえ金利操作が白日のもとに晒されてしまった。そのマネーは銀行の救済に使われ、その銀行の金が回りまわってセントラルパーク周辺の高層ビルに行き、でもビルは空き家状態なので死に金っていうやつだ。」

ステイシー「それでジェネレーションXはこう言われる。『キミたち仕事を変えなよ』って。ジェネレーションXは今のことしか考えないっていわれてるから。」

記事
時と場所を選ばないと言われるギグ・エコノミー(ネット経由の単発仕事)はジェネレーションXのあいだで人気があるが、退職を想定したキャリア形成には不利かもしれない。

ステイシー「ギグ・エコノミーだからウーバーで働くんだっ!っていう若者に『公務員とか学校の仕事についたら?』ってアドバイスしてるわけよ。」

マックス「公務員もドローンを使うんだぞ。多重債務に陥るのがオチだな。学資ローンを抱えて大学を出ても仕事がないから返済できない。公務員になってドローンを操縦してアフガンの子供を爆撃するんだ。」

ステイシー「それだけじゃなくて連邦でも地方自治体とかで税務署の仕事もあるでしょうよ。ちょっと前のカイザーリポートでも語ったけれど、民間企業が厚生年金を削っている。厚生年金にはそれなりのルールがあるからそれを満たさなきゃならない。でも公務員年金制度は『8%の金利を前提にしておりまして』なんていいつつ退職者には金を払う。それで法規の定めるところにより税率をあげる。例えば不動産所有者に『1%だった固定資産税が今年から上がって15%になりました』って。」

マックス「政府の仕事なんていわゆる死手譲渡ってやつだ。ソビエト経済みたいなもんだ。役所の半端仕事なんて死んだ人間の手で経済成長をつかむようなもんだ。立派な仕事じゃないか?」

ステイシー「ジェネレーションXのもうひとつの特徴は借金を背負っていること。例えば学資ローン。ひどい話があるのよ。」

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ローン制度はそもそも設計ミス:ナヴィエントは学生を食い物にしている、と政府は言う。

ステイシー「ナヴィエントっていうのはサリー・メイの子会社。サリー・メイっていうのはファニー・メイとかフレディー・マックと同じく準国営企業だけど今は民営化されて株式公開されている。」

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30年前に国営企業として発足したサリー・メイは政府保証つき債権を回収する会社。ところが2005年ごろ営利企業となり株式公開されたにもかかわらず、主要業務としてあいかわらず政府保証つき債権回収を行なっている。

ステイシー「いまやナヴィエントそのものが不良債権。ところで学資ローンっていうのは政府保証つき。大学は民間学資ローンを利用する学生の割合を1割と決められている。この学生の50%から92%が返済不能で破産している。たとえばオレゴン在住の33歳の女性。写真の学位をとるために15万ドルを借り入れたんだけど、その学校がそもそもフェイク。彼女は毎月1300ドルを返済に充てている。9年間も払い続けて原資は1000ドルしか減っていないんだって。」

マックス「この20年間で悪質な銀行の存在があきらかになって、そのたびにCEOが減給になって株価が下がる。そういう銀行も含めて連銀のバランスシートにのっていて、連銀としては債務者がどうなろうと金を回し続けるために金利をLIBORみたいに低く抑えてる。」

ステイシー「と、ここまで言ったところでジェネレーションXへのアドバイス。公務員になって税率を上げて貯金しないあなた自身を救いましょう。サリー・メイについては・・」

記事
この(学資ローン)のようなサブプライム・ローンはサリー・メイにとって大学との関係を続け、学生がもっと金を借りるようにするための必要経費みたいなもの。目的は連邦政府の保証つきローン。不良債権は政府が補填することになっている。

ステイシー「私の記憶では学資ローンは破産すらできない。この女性の写真学位とかトランプ大学の場合、あらかじめ訴訟除外規定があって、教育内容は訴訟の対象にならない。でもいまは検事総長がそういういい加減な大学を訴えているんだけど。」

マックス「それでも政府は金利操作で低金利をやめないだろうな。」

前半のおしまい。

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