NATOはウクライナ勝利の夢を捨てた
https://sputniknews.jp/20230821/nato-16857487.html
2023年8月21日, 07:45
NATO事務局のスチアン・ヨンセン首席補佐官は8月15日、ウクライナがNATOに加盟する見返りに一部の領土をロシアに譲渡するという形での紛争の和平合意は提案可能とする声明を出した。英軍退役大佐でテレグラフ紙解説委員のリチャード・ケンプ氏はヨンセン氏の発言には実際の西側のウクライナ紛争の解決のビジョンが現れているとの見解を表している。
ケンプ氏は、ヨンセンNATO首席補佐官の発言はウクライナの大きな怒りを買い、これに対して首席補佐官自身は謝罪したものの、自分の発言は否定していないと強調した。ストルテンベルグ事務総長は首席補佐官の声明後には発表した声明で、和平交渉はキエフの提案する条件で行われると言ったものの、これでもNATOはもうウクライナの勝利を信じていないのではないかという疑問を払拭することはなかった。
先日、米国情報機関の評価では、キエフの反攻はクリミアまでのロシアの陸上の回廊を寸断するという目的を達しないことが示されたため、ケンプ氏は、西側はこの「膠着状態」から脱出する方策を模索していると指摘している。
ケンプ氏はまた、アフガニスタンからの米軍の「恥ずべき」撤退から2年後、西側諸国は再び「敗退を認め」ざるを得ない瀬戸際に立たされているとの見解を表した。ケンプ氏は、ウクライナに対し、期間を熟考した上で十分な支援ができなかったとして、西側自身を非難し、一例としてF16の供与の遅れとMGM-140 ATACMS供与に対する疑問を挙げている。
西側のドクトリンは機能していない
軍事専門家らからは今までに何度も、NATOの特訓ではウクライナ兵士に必要とされるレベルは保障できないという見解は何度も表されてきた。それは全てNATOが自分の「西側流」の状況判断で行動しており、中東での作戦の経験から、自分よりも弱い敵を相手に都市部で戦うという小規模の紛争を想定していることが理由。
しかも軍事ドクトリンは制空権の掌握を土台にしているのに対して、ウクライナ軍は航空隊の不足に喘いでいる。
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2023年8月20日 11:10
ウクライナには3つの選択肢がある
ビルト誌のパウル・ロンツハイマー副編集長は、最悪のシナリオではロシアが独自の攻勢を仕掛ける可能性があると主張している。
ドイツのビルト紙は、ウクライナの反攻が頓挫する中、ウクライナは3つの可能なシナリオに直面しており、それぞれが様々なリスクを抱えていると主張している。パウル・ロンツハイマー副編集長は土曜日の分析で、キエフの現在の取り組みが失敗した場合、ロシア軍が独自の攻勢に転じ、さらなる領土を奪取する可能性があると警告した。
記事によれば、ウクライナはこれまで大きな突破口を見いだせなかったにもかかわらず、ロシアの防衛網を突破しようとし続ける可能性がある。ロンズハイマーは、ゼレ政府は今のところ楽観的で、作戦を続ける決意を固めているという。しかし、年内に大きな成果を上げられなかった場合、キエフは2024年春に再反攻を計画している。
ロンズハイマーは、キエフの高官たちは西側諸国からの反攻戦術への批判に不満を募らせているという。ビルト紙は、ある名もないウクライナ高官の言葉を引用し、「すべてはキエフの後ろ盾とともに計画された」という。
新たな攻勢は、西側の武器や弾薬をより多く受け取ることが条件だとビルト紙は指摘する。その上、ロシアは冬の休息を利用して防衛を強化する。
記事によれば、キエフに開かれたもうひとつの道は、反攻を続けながら同時にロシアとの和平交渉に参加することだ。しかし、このようなゼレ側のUターンは、国民に売り込むのは難しいとロンズハイマーは予測している。
ビルト紙の副編集長は、昨年10月にウクライナの国家元首がロシアのプーチン大統領との交渉を否定する法令に署名したこと、最近の世論調査ではウクライナ国民の72%がロシアとの交渉に反対していることを強調した。
ロンズハイマーが想定したウクライナにとっての最悪のシナリオでは、反攻が行き詰まり、ロシアが独自に反攻を開始し、ハリコフ州の一部を占領する。ビルト紙の分析によれば、モスクワは自軍の損失補填に苦慮していると思われるため、その可能性は低い。
6月初旬、ウクライナ軍は東部と南東部の領土を取り戻すため、待望の反攻作戦を開始した。しかし、キエフ軍は成果を上げていない。ロシア国防省によると、この作戦でウクライナはすでに4万3000人の兵士と5000個近くの軍用機器を失った。キエフと西側諸国の政府高官は、この作戦が当初の大きな期待に応えるものではなく、予想以上にゆっくりと進んでいることを認めている。
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