2026年10月15日木曜日

ラリー・C・ジョンソン:サウジアラビア、崖っぷちや

https://sonar21.com/saudi-arabia-at-the-breaking-point/

2026年10月12日 

この戦争の間ずっと、サウジアラビアは世界の石油市場の衝撃吸収役やったんや。ホルムズが閉まったとき、リヤドは原油を東西パイプラインで西の紅海側のヤンブーまで押し流して、輸出の少なくとも一部は動かし続けとった。その迂回路がいま攻撃されとんねん。アンサール・アッラーは紅海の入口の島々を押さえて、サウジの船舶に対する「海上禁止令」を宣言して、サウジの空港への攻撃もやったと主張しとる。しかも9月にはドローンが東西パイプラインをほとんど使えん状態にまで叩きよった。リヤドはこの攻撃をイラクにおるイラン系民兵のせいやと言うとる。10月4日にはリヤドの東にあるフライス(Khurais)のポンプ場が初めてやられて、パイプラインはまた止まってしもた。

カール・ミラーは、世界の燃料危機について前に出した分析をわしも何べんか使わしてもろてきた人やけど、今回、これがサウジアラビアと世界にとってどういう意味か、新しい分析を仕上げたんや。結論はきっついで。湾岸のエネルギー体系を建て直すのは、ワシントンが認めとるよりずっと時間もカネもかかる。そんでサウジアラビアには、もうその穴埋めを当てにでけへん、ちゅうことや。ほな、主な発見を見ていこか。

1. 迂回路が弱点やねん

ミラーの出発点は、パイプラインちゅうのはただの管とちゃうで、ということや。ポンプ場、電源、制御装置、貯蔵タンク、積み込みバースがつながった一つの system で、いちばん弱いとこ以上には強うならへん。9月の東西ポンプ場の被害、10月のフライスでの停止、リヤドのエネルギー施設での火災、サウジの航空の混乱、これが全部、別々の場所でその system を突いとるわけや。パイプラインは一部復旧したけど、設備の恒久的な損失はまだ片付いてへんとミラーは警告しとる。ヤンブーかて、港に爆弾が一発も落ちんでも止まってまうんや。原油が届かんなったら、タンカーは積み込みでけへんからな。

それに、壊れたポンプ場を一個ずつ、決まった割合の能力が失われたもんとして数えたらあかんとも釘を刺しとる。大事なんは通せる量(スループット)や。ミラーはそれを、この回廊の1日580万バレルちゅう基準と比べて測っとる。7日間完全に止まったら4,060万バレル分の動きが危うなって、30日やったら1億7,400万バレルや。ただし、これはあくまでストレス計算であって、パイプラインが完全に閉まっとると言うとるわけやない、と彼は強調しとる。

2. 再建は2033?2036年までかかるで

前の論文でミラーは、damaged した湾岸エネルギー複合体の再建に5年っちゅう見通しを置いとった。それを今回、特にひどくやられて互いにつながっとる system については7年から10年に延ばしたんや。つまり回復は、だいたい2033年10月から2036年10月の間っちゅうことや。部分的な生産はもっと早う戻るけど、フルで信頼できる稼働は戻らへん。

理由は設備や。大型コンプレッサー、タービン、高圧変圧器、特殊な圧力容器、統合制御システム、こういうんは全部特注品やから、倉庫から引っ張り出してくるわけにいかんねん。そういう設備一式を入れ替える最短ルートは84か月やと彼は見とる。内訳は、被害を確定して設計に資金をつけるのに1年、調達と製造に3年、納入と据え付けに2年、試運転して安定させるのに1年や。安全が確保できん現場、資金のすき間、工場の順番待ち、繰り返される攻撃、こういうんで最大さらに3年伸びるかもしれん。彼の言い方を借りたら、カネがあったら製造枠は押さえられるけど、設計と製作の全工程を縮められるわけやないんや。

3. 請求書は5,500億ドルから2.28兆ドルやで

ミラーは、サウジを含む湾岸全体のエネルギー system の再建を3つのシナリオでモデル化しとる。これはあくまで前提を置いて組んだ資金の枠(funding envelope)であって、監査済みの被害額でもないし、サウジだけの請求書でもない、と彼ははっきり言うとる。

抑制ケース 中心ケース 深刻ケース

基礎再建資本 4,000億ドル 8,000億ドル 1兆4,000億ドル

実行上の上乗せ(安全対策、遅れ、エスカレーション) 1,000億ドル 2,800億ドル 6,300億ドル

資金調達と立ち上げ時の流動性 500億ドル 1,200億ドル 2,500億ドル

資金枠の合計 5,500億ドル 1.20兆ドル 2.28兆ドル

出典:Karl W. Miller, Saudi Arabia: The Breaking Point(2026年10月12日)。湾岸再建ポートフォリオ全体が対象や。

中心ケースやと、最初の2年だけで1,800億ドルを約束せなあかんで、3年目から5年目にはそれが5,400億ドルに膨らむんや。7年で均したら年間1,700億ドル超になる。しかも湾岸の国はどこも、おんなじメーカー、エンジニアリング会社、製作ヤード、専門の職人集団を取り合うことになるんや。クウェートやカタールが取った変圧器の枠は、サウジアラビアには回ってこんちゅうこっちゃ。

4. 待つだけでも高うつくで

ミラーは、待つことのコストにも数字をつけとる。中心ケースの計画が3年遅れたら、コストのエスカレーションで760億ドルから1,250億ドル上乗せになって、さらに金融費用で420億ドルから900億ドル増えるかもしれん。その間も、燃料はどっかで買わなあかんねん。日量100万バレルの燃料供給が止まっとる年は、3億6,500万バレルを埋め合わせなあかん。彼の例示価格の1バレル150ドルで、約550億ドルや。彼の言う日量300万バレルの穴を、さらに3年ほったらかしにしたら、置き換えの購入だけでほぼ5,000億ドルになる計算やで。

5. ディーゼルの穴はもっと広がるで

ミラーの基準線は、ディーゼルとジェット燃料で世界全体の不足が最低でも日量300万バレルちゅうとこから変わっとらん。サウジへの攻撃で、これがもっと上がるおそれがあるんや。もし混乱のせいで日量100万バレルの原油が稼働中の製油所に届かんようになったら、ディーゼルとジェット燃料の損失はだいたい日量30万から45万バレルや。さらに日量50万バレルの純損失が出たら、基準線は350万バレルに上がる。6分の1の増加で、毎月1,500万バレルの不足が上乗せされるっちゅうことや。

ダブルカウントせんように、彼はちゃんと気ぃつけとる。失われた原油、それで作れたはずの製油所の産出、積み損ねた輸出貨物は、全部おんなじバレルかもしれんからな。けど、向かっとる方向ははっきりしとる。サウジアラビアは湾岸の主な救いの綱やった。その迂回路が当てにならんなったら、世界の不足は広がるんや。

6. アメリカでも穴は埋められへんで

アメリカの能力についてのミラーの検証は、聞いてて身が引き締まるで。10月2日までの4週間で、アメリカの製油所は留出油を日量およそ517万バレル作って、156万バレルを輸出して、377万バレルを国内で使うた。日量300万バレルの穴をアメリカだけで埋めようとしたら、いまのアメリカの製油所の生産より58%も多う作らなあかん。アメリカの生産は1年前より日量15万バレルほど増えただけで、世界の不足はそれのほぼ20倍もあるんや。輸出を増やすと約束しても、燃料が増えるわけやない。不足が買い手の間でたらい回しになるだけで、アメリカの在庫が減るだけや。

7. 食べ物、物流、飛行機

燃料危機は、もう実体経済にまで届いとるんや。穀物の価格は1年前より17.2%高い。農家は収穫でカネが入る前にディーゼルが要るし、トラック運転手は請求書が払われる前に要るし、食べ物が店の棚に届くまでには冷蔵が要る。航空会社は、就航しとる空港で認証されたジェット燃料が要って、ディーゼルでは代わりにならへん。ミラーの警告はこうや。為替の外貨や信用が足りん国みたいな弱い買い手は、ただ高い値段を払わされるだけやない。市場から完全に締め出されてまうんや。

わしの見立て

ミラーの評価は、わしが何か月も言うてきたことをそのまま裏づけとるわ。この戦争のエネルギー被害は、停戦が結ばれたら終わる一時的な値上がりとちゃうねん。海上の航路を再開したところで、製油所が建て直されるわけやない。ついこの間まで世界の保険みたいな存在やったサウジアラビアが、いまやそれ自身がリスクの元になっとるし、経済にもそれが出とる。サウジの石油活動は第2四半期に4分の1落ち込んで、GDPは4.8%縮んだんや。湾岸の再建は、年単位で、兆ドル単位で測るもんになる。その間ずっと、世界はディーゼルが足りん状態が続くやろな。

それが、ワシントンから出てくる約束のぜんぶを見るときの枠組みになるべきやで。ロシアのディーゼルやろうが、輸出禁止やろうが、「もうすぐ価格が下がる」ちゅう話やろうがな。ミラーが結論で言うとる通り、回復っちゅうのは、修理しましたと発表されたことや、見出しの値段が下がったことで証明されるもんやない。実際に燃料が届いたことで証明されるんや。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム