ラリー・C・ジョンソン:大統領が平和を語りCIAが戦争を遂行する
https://sonar21.com/trump-talks-peace-while-the-cia-is-fueling-the-war-in-ukraine/
27 October 2026 by Larry C. Johnson
CIAにおった年数が長いから、CIAのお友達(息のかかったジャーナリスト)が書かせた報道記事の「読み方」っちゅうもんを身につけてもうたわ。『ジ・アトランティック』誌にシェーン・ハリスが書いたCIA長官ジョン・ラトクリフの最新プロファイル記事(10月23日公開)も、まさにその手の記事の一つやな。カオスな政権の中で、ラトクリフがいかにも冷静でプロフェッショナルな人物に見えるように書かれとる。せやけど注意深く読んでみ。ワシントンがこの4年間否定し続けてきた「ある事実」を見事に裏付けとるんや。つまり、アメリカは単にウクライナを支援しとるだけやなくて、CIAを通じてロシアと直接戦っとるっちゅうことや。
「CIAが主導権を握っとる」
ハリスは一番大事な核心を隠そうともせえへん。CIAが提供する情報で武装したウクライナ軍は、ロシアの深部へ攻撃を仕掛けとる。アメリカの偵察衛星は飛んでくるロシアのミサイルやドローンの早期警戒情報をウクライナに与えとる。現地を頻繁に訪れる退役高官の話として、ウクライナの現場におるアメリカ人要員の中でも「CIAが主導権を握っとる(in the lead)」とハリスに語っとるわけや。
さらに凄い話があるで。アメリカ側と密接に連携しとるバルト三国の情報将校がハリスに語ったところによると、ドナルド・トランプが公の場で何を言おうが、ロシアに対するCIAの作戦は今やジョー・バイデン時代よりも「はるかに攻撃的」になっとるらしい。秘密作戦や準軍事作戦を取り仕切るCIAアクティビティ・センターの幹部たちは、多忙を極めておるおかげでラングレー(CIA本部)の中でも一番上機嫌な部類に入るらしいわ。しかもこれは今に始まった話ちゃう。ハリスが指摘するように、2014年にロシアがクリミアを併合した後、ウクライナの現代的な情報機関を構築するのを手助けしたのもCIAや。これは10年以上に及ぶCIAの「自分たちの戦争」なんやな。
雑誌の丁寧な記事の言葉から、わかりやすく翻訳させてもらうで。アメリカの情報機関がロシア国内の標的を特定し、アメリカの衛星がウクライナの防空警戒ネットワークを動かし、現場ではアメリカの将校が「主導権」を握っとる。もしロシアがメキシコに対してテキサス狙いで同じことをやってみ?ワシントンは即座に「開戦事由(戦争行為)だ!」って大騒ぎするで。モスクワは数年前から「自分たちはウクライナだけやなく、NATOと戦っとるんや」と言い続けてきた。ほら見ろ、『ジ・アトランティック』誌とその匿名情報源のおかげで、その見事な証拠が手に入ったわけや。
自分の燃料タンクを撃ち抜く愚行
ここからが荒唐無稽(滅茶苦茶)な話や。ハリスによると、CIAの成功が大統領にとって問題になり始めておる。CIAが後押しする製油所への攻撃によって、ロシアの経済は足もとをすくわれた。国際エネルギー機関(IEA)の推計では、今年最初の8ヶ月間でウクライナは平均3日に1回のペースでロシアの製油所を叩いとる。
それらの製油所は軽油(ディーゼル)を作っとる。世界中がいまディーゼル不足なんや。IEAによると、この不足は2027年までズルズル続く見通しや。そしてハリスによれば、トランプはロシア製油所への攻撃が価格高騰の原因やと非難し、攻撃をやめさせたがっておる。キエフ(キーウ)が製油所への攻撃をやめへん限り、ウクライナへの情報支援を打ち切ると脅しとるんや。
よく考えてみ。CIAがウクライナを助けてロシアの製油能力を叩き潰す。ディーゼル価格が跳ね上がる。すると10月9日、マイアミでの和平交渉の真っ只中に、大統領はロシアが世界市場でディーゼルを販売するための合意を発表し、Truth Socialで「価格は下がる…それも急速にな!」と自慢げに投稿した。ハリスの報道では、この発表は交渉官たちにとってもサプライズで、プーチン側は何の返礼約束も示してへん。つまりアメリカは、ロシアのディーゼル生産を破壊するために金を払いながら、同時に「もっとディーゼルを売ってくれ」とロシアにお願いしとるわけや。狙ってやろうとしても、これ以上支離滅裂な政策は作れへんで。
スパイ・チャンネル
この記事の中で最も多くを物語っとるのは、8月のラトクリフのモスクワ訪問に関する記述や。トランプは、非公式に「スパイ・チャンネル」と呼ばれるルートを通じて、ロシアの治安機関のトップと会うために彼を派遣した。ハリスが書くには、彼のメッセージは「誰も勝っていない」というものやった。ロシアは意味のある前進に失敗しており、ウクライナもロシア軍を追い出すことはできない。ラトクリフがプーチンに対し「勝ち目のない不毛な戦いをしとる」と説得できる期待があったんや。
これには2つの問題があるわ。1つ目は主張そのものや。ロシア参謀本部は10月16日にプーチンに対し、1月以降で約6,500平方キロメートルと310の集落を奪取したと報告した。ロシアの数字は誇張されておると主張することもできるし、自分もそう言ってきた。せやけどウクライナ側のマップ作成プロジェクトである「DeepState」でさえ、約1,300平方キロメートルの前進をカウントしとる。ロシアは前進しとるんや。モスクワが主張するほどのスピードではないにせよ、「意味のある前進に失敗した」っちゅうのは、情報を装った単なる願望的観測(甘い見通し)や。
2つ目の問題はメッセージを運ぶ使者(伝書鳩)や。自分がSVR(ロシア対外情報庁)やFSB(連邦保安庁)のトップやと想像してみ。CIA長官がモスクワに飛んできて、スパイ同士の話し合いとして「お前らの戦争は膠着状態やから諦めろ」と言ってくる。自分の製油所に襲いかかるドローンに標的データを提供しとるのが、まさに目の前の彼の機関であることを自分は百も承知なんや。そんなもん「和平の提案」ちゃうわ。「外交パスポートを持った脅迫」そのものや。もしラトクリフが自分の評価を中立的な助言としてロシア人が受け取ると期待していたのなら、彼は自分が話している相手を根本的に理解してへんことになる。
トルーマンが作った姿ではない
ラトクリフはCIAを「原点」に戻すと好んで口にする。せやけど彼は原点を勘違いしておる。ハリー・トルーマンは1947年、準軍事作戦を展開するために中央情報局(CIA)を作ったんとちゃう。海外の情報源から情報を収集・分析し、大統領に真実を伝えることで、フランクリン・ルーズベルトが真珠湾攻撃で喰らったような不意打ちを二度と受けないようにするために作ったんや。秘密作戦は裏口からこっそり入ってきた。設立から1年もしないうちに、国家安全保障会議(NSC)の指令NSC 10/2が秘密作戦を許可し、それ以来、秘密工作という「尻尾」が情報分析という「本体(犬)」を振り回し続けておるんや。
トルーマンはその事態を予見し、公の場でも発言していた。ジョン・F・ケネディ暗殺の1ヶ月後、1963年12月22日付のワシントン・ポスト紙に掲載されたオピエード(寄稿文)で、彼はCIAが「意図された役割」からどれほど逸脱してしまったかに懸念を表明した。彼の言葉は引用する価値がある。「私がCIAを設立した際、平時の裏工作や暗殺作戦(cloak and dagger operations)に注入されるなどとは夢にも思っていなかった」。彼は「(CIAは)政府の運用部門となり、時には政策決定部門にさえなってしまっている」と警告した。彼はCIA設立において「最も重要だったのは、情報が大統領を不賢明な決定に誘導したり導いたりするために使われる危険を防ぐことだった」と述べ、CIAを「大統領の情報機関という本来の任務に戻すこと」を求めたんや。
63年後、ラトクリフはトルーマンの警告をそのまま自分の任務声明(ミッションステートメント)にひっくり返してもうた。
秘密作戦がいかに真実を腐敗させるか
なぜこれが重要なのかを説明したい。組織図の上の抽象的な議論ではないからや。自分はそれを内部から見てきたんや。
情報機関が情報の収集と分析だけを行っている時、成果に対する唯一の利害関心は「正解を出すこと」や。せやけど同じ機関が秘密作戦を実行し始めた瞬間、そのレースに自前の馬を出走させることになる。作戦には予算がつき、7階(幹部フロア)にスポンサーがつき、出世がかかり、そして何より「これはうまくいきます」とすでに聞かされている大統領が存在する。今度は廊下の先にいるアナリストたちが、自分たちの同僚の作戦が成功しているかどうかを評価するよう求められるんや。悪い知らせは単なる悪い知らせではなくなる。長官のプロジェクトへの攻撃であり、執務室におる大統領に対する恥の上塗りになるんや。
結論を変えろという直接的な命じられ方はめったにない。もっと陰湿で侵食的なやり方や。悲観的な評価は「裏付け情報が足りん」と突き返される。作戦が失敗していると書き続けるアナリストは「チームプレーができない奴」とレッテルを貼られ、次の昇進を見送られる。大統領へのブリーフィングは成功体験が前面に押し出され、余計なコストは別紙の奥底に埋め込まれる。そんなことを数ラウンド繰り返した結果、ジュリア・カーリーがハリスに語ったように、幹部たちは酷な真実を語るのをやめ、ホワイトハウスが聞きたくない言葉を「避けることを学んだ」わけや。
これがどこに行き着くか、我々は過去に見てきた。ピッグス湾事件は秘密工作部門によって計画され、機関自体の内部アナリストからは完全に隔離された。アナリストならキューバ民衆がカストロに対して立ち上がる兆候などないことを指摘できたはずや。工作員たちは自分たちがやりたい作戦を大統領に売り込み、それを止めたはずの分析は大統領のデスクに届くことはなかった。このパターンは、機関が「プレイヤー」と「審判」の両方を兼ねるたびに繰り返される。
いまウクライナを見てみ。『ジ・アトランティック』誌の記述によれば、CIAは現場で「主導権を握り」、ロシア深部への深刻な打撃作戦の実行を助けておる。その同じCIAが、その作戦が機能しているか、ウクライナが勝てるかを大統領に報告する責任を負っとる。ラトクリフがモスクワに持ち込んだ「ロシアは意味のある前進に失敗した」というメッセージが、その機関から出てくることに何の不思議があるやろうか?12年間かけてウクライナの情報機関を作り上げ、今やその標的選定を指図している機関には、自分たちの戦争がうまくいっている、あるいは少なくとも悪くはないと報告する組織的インセンティブが完璧に揃っとる。ロシアの前進、ウクライナ側の損害、ヨーロッパとアメリカの消費者をおそっとるディーゼル不足といった負の結末こそ、そういう立場にある機関が一番表に出したくないものなんや。
これこそが、トルーマンが恐れた腐敗や。CIAが露骨な嘘をつくということではなく、ゆっくりと大統領ではなく「作戦」に仕え始め、大統領は「作戦を続けさせたがっている連中」によって歪められた情報に基づいて意思決定を下すようになるっちゅうことや。
ボスの欲しい言葉を与える機関
ハリスはCIA自体の現状についても報道しておるが、まあ酷いもんや。ラトクリフは就任公聴会で「大統領の指示のもとで秘密工作を遂行し、誰も行けない場所へ行き、誰もできないことをやる」と誓った。ウクライナからベネズエラ、そして法的専門家が武装闘争法に違反する可能性があると指摘する「麻薬密輸疑惑船へのCIAの空爆」に至るまで、秘密工作部門は大盛況や。ある元幹部はハリスに「今の機関は完全に背伸びしすぎて転びそう(over its skis)だ」と語った。
一方でアナリストたちは惨めな状況や。自分の仕事の客観性が損なわれていると報告する者が増えておる。5月に辞任した上級アナリストのジュリア・カーリーはズバリこう言った。「ラトクリフは政治化からCIAを守っているのではない。自らそれを先導しているのだ」。現役・OBの幹部たちは、これほど退職者や辞任者が相次ぐのを見たことがないと言っとる。準軍事要員たちが歓喜し、アナリストが酷な真実を口にするのを恐れるような機関は、戦争を理解するためではなく「戦争をするため」に作られた機関や。そしてハリス自身も、アメリカの攻撃に対してイランがどう反応するかについての情報機関の警告をトランプが無視したと指摘しておる。そのツケを今、我々全員が払わされておるわけや。
方針をどっちか選べ
というわけで、アメリカが今どこに立っているのかを示そう。大統領はゼレンスキーをプーチンよりも「扱いづらい」と呼び、ウクライナ人に対し別の人を選ぶよう促しておる。彼が任命したCIA長官は、バイデン時代よりも攻撃的な対ロシア作戦を実行しておる。彼のCIAがウクライナによるロシア製油所の破壊を手助けする一方で、彼はロシアのディーゼルを売るためのディールを結んどる。彼のスパイ長官はモスクワに飛んでロシア人に「お前らは勝てない」と言い放つ一方で、彼自身の機関のアナリストたちは自分がどう思っているかを大統領に伝えるのを恐れておる。
こんなもん「戦略」ちゃうわ。アメリカ国民がガソリンスタンドのポンプで代金を払い、ウクライナ人が命で代金を払わされている「矛盾」そのものや。もしワシントンが和平を望むなら、当事者(戦闘員)として関与するのをやめるべきや。もしロシアと戦いたいのであれば、中間選挙の後ではなく前に、議会と有権者に対して正々堂々とそう言うべきや。絶対に続けられないのは、その両方をやりながら「どちらもやっていない」フリをすることやで。


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