カイザーリポート 第1043回 後半 wolfstreet.com
https://www.youtube.com/watch?v=PaPaCJ2RH_8
後半はカイザーリポートでしばしば引用されるウォルフ・ストリート.com のウォルフ・リヒターの登場です。
マックス「株価は高値更新、連銀は当面のところ金利を上げない、つまり我々は新しい高みに達した。しかし君はつぎの経済危機は前3回、つまり1987年、2008年、そのつぎはいつなのか知らないけれど、それよりもひどいと予言する。いったい君は何者なんだ?異教徒か?」
ウォルフ「あはは、異教徒かもね。ダウジョーンズ30社の2016年収入合計が2.7兆円、これは2011年とおなじ金額だ、ということはダウ30社の収入は増えていない。S&Pの過去6四半期を見ても結果は似たようなものだが、こちらでは収入が低下している。ただし2016年に入って直近の2四半期だけは多少好転しているけれど、結局2011年の水準に戻したかたちだ。でも同じ時期にS&P500社の株価は86%上昇した。つまり収益と株価のPEレシオ(株価収益率)が2012年の14.9から今の20.7までほぼ倍増した。PEレシオは循環するので倍々レンジの拡張器のあと圧縮期にはいり、つぎにクラッシュがそのうちやってくるということなんだ。さっきもいったように過去3回、こんな拡張期があった。とくに2000年のクラッシュ前は40ヶ月のあいだ拡張期がつづいた。さて今、拡張期は58ヶ月めにはいった。データをみると市場が調整期にとっくにはいっていいはずなんだが、そうなっていない。なぜだろう?世界的な異常な通貨政策、ゼロ金利、QE、トランプ株価などいままでと全く違う世界に突入したんだ。でも言えることは、倍々拡張期のあとにはクラッシュがやってくる。サイクルだからね。」
マックス「ウーバーみたいに上場していないけれど巨額の金を集めた企業がたくさんある。そういう企業を含めたら2001年頃のドットコムブームに似てるんだろうか?あるいはハイテク株があつまるNASDAQのPEは40倍とか45倍っていうのもある。こういうのも要素にはいるんだろうか?」
ウォルフ「(そういうハイテク企業のなかには)起業上場して300億ドル集め、赤字を出したけれど4億ドルの広告収入で助けられ、金は残っていないけれど評価額は300億ドル・・っていうのもあった。こういう場合PEは無限倍になる。だからこういのがはいってるかどうかはわからないけれど。」
マックス「アマゾンなんて4000億ドル企業だけれどつい最近まで利益をだしていなかったよな。ジェフ・ベゾスは税金を払うことに比べたらウォール街の評判なんてどうでもいい、って再投資にぜんぶ回して、とにかくシェア取りと参入障壁を高くすることに邁進する。独占企業になってはじめて収入を上げる。これがひとつのビジネスモデルとして成立した、っていうことなんだろうか?」
ウォルフ「フェースブックとか急成長した企業はいろいろあるけれど、アマゾンがビジネスモデルを革新したのは確かだね。株価が上がり続けているから利益を出さないでも誰にも文句をいわせず、価格も上げず配送料無料でシェア追求ができた。」
マックス「マクロに目を転じると、さっき君がいったような循環があって、倍々で拡張したら収縮期がやってくる。いま金利がそのうち上がるといわれているけれど、いっぽうで市場では金利上昇に対する大きな圧力が存在する。第1にベネズエラのように国家経済が崩壊するという要因がある。第2にロボットの導入。弁護士、運転手などが失業したら莫大なデフレ圧力がかかる。だから金利はゼロにしなきゃいかん、と。でも金利がゼロで金が借りれるからいいじゃないか?どうして倍々拡張が不吉の前兆なんだろう?」
ウォルフ「不景気が何年か続いているブラジルでは2ケタレベルのインフレが亢進したから中銀が昨年金利を14%まで上げ、今年になって13%に下げた。需要がないからデフレになるわけじゃないし、それが消費者資産インデックスに反映されるわけでもない。ブラジルの場合はいろんな要素が絡み合っているけれど、不景気でインフレになった。いまアメリカでは需要がないけれどインフレが進んでいる。貨幣が(増刷されすぎて)インフレが進んでいる。同時に消費者はモノを買う金がない。アメリカ連銀はインフレに気づいている。欧州でも日本でもインフレが進んでいるけれど中銀は何もしていない。」
マックス「ブラジルの場合、資本逃避があったよね。それがアメリカ国債に流入して金利下げ圧力になった。あと30秒しかないんだけど、これからどこに注視すべきなんだろう?どこがきな臭いんだろう?』
ウォルフ「株式市場、そして住宅市場だろう。金利が1ポイントあがるだけで住宅市場は崩壊するだろうからね。いまや投機市場だから。そして自動車ローン。」
後半のおしまい。
後半はカイザーリポートでしばしば引用されるウォルフ・ストリート.com のウォルフ・リヒターの登場です。
マックス「株価は高値更新、連銀は当面のところ金利を上げない、つまり我々は新しい高みに達した。しかし君はつぎの経済危機は前3回、つまり1987年、2008年、そのつぎはいつなのか知らないけれど、それよりもひどいと予言する。いったい君は何者なんだ?異教徒か?」
ウォルフ「あはは、異教徒かもね。ダウジョーンズ30社の2016年収入合計が2.7兆円、これは2011年とおなじ金額だ、ということはダウ30社の収入は増えていない。S&Pの過去6四半期を見ても結果は似たようなものだが、こちらでは収入が低下している。ただし2016年に入って直近の2四半期だけは多少好転しているけれど、結局2011年の水準に戻したかたちだ。でも同じ時期にS&P500社の株価は86%上昇した。つまり収益と株価のPEレシオ(株価収益率)が2012年の14.9から今の20.7までほぼ倍増した。PEレシオは循環するので倍々レンジの拡張器のあと圧縮期にはいり、つぎにクラッシュがそのうちやってくるということなんだ。さっきもいったように過去3回、こんな拡張期があった。とくに2000年のクラッシュ前は40ヶ月のあいだ拡張期がつづいた。さて今、拡張期は58ヶ月めにはいった。データをみると市場が調整期にとっくにはいっていいはずなんだが、そうなっていない。なぜだろう?世界的な異常な通貨政策、ゼロ金利、QE、トランプ株価などいままでと全く違う世界に突入したんだ。でも言えることは、倍々拡張期のあとにはクラッシュがやってくる。サイクルだからね。」
マックス「ウーバーみたいに上場していないけれど巨額の金を集めた企業がたくさんある。そういう企業を含めたら2001年頃のドットコムブームに似てるんだろうか?あるいはハイテク株があつまるNASDAQのPEは40倍とか45倍っていうのもある。こういうのも要素にはいるんだろうか?」
ウォルフ「(そういうハイテク企業のなかには)起業上場して300億ドル集め、赤字を出したけれど4億ドルの広告収入で助けられ、金は残っていないけれど評価額は300億ドル・・っていうのもあった。こういう場合PEは無限倍になる。だからこういのがはいってるかどうかはわからないけれど。」
マックス「アマゾンなんて4000億ドル企業だけれどつい最近まで利益をだしていなかったよな。ジェフ・ベゾスは税金を払うことに比べたらウォール街の評判なんてどうでもいい、って再投資にぜんぶ回して、とにかくシェア取りと参入障壁を高くすることに邁進する。独占企業になってはじめて収入を上げる。これがひとつのビジネスモデルとして成立した、っていうことなんだろうか?」
ウォルフ「フェースブックとか急成長した企業はいろいろあるけれど、アマゾンがビジネスモデルを革新したのは確かだね。株価が上がり続けているから利益を出さないでも誰にも文句をいわせず、価格も上げず配送料無料でシェア追求ができた。」
マックス「マクロに目を転じると、さっき君がいったような循環があって、倍々で拡張したら収縮期がやってくる。いま金利がそのうち上がるといわれているけれど、いっぽうで市場では金利上昇に対する大きな圧力が存在する。第1にベネズエラのように国家経済が崩壊するという要因がある。第2にロボットの導入。弁護士、運転手などが失業したら莫大なデフレ圧力がかかる。だから金利はゼロにしなきゃいかん、と。でも金利がゼロで金が借りれるからいいじゃないか?どうして倍々拡張が不吉の前兆なんだろう?」
ウォルフ「不景気が何年か続いているブラジルでは2ケタレベルのインフレが亢進したから中銀が昨年金利を14%まで上げ、今年になって13%に下げた。需要がないからデフレになるわけじゃないし、それが消費者資産インデックスに反映されるわけでもない。ブラジルの場合はいろんな要素が絡み合っているけれど、不景気でインフレになった。いまアメリカでは需要がないけれどインフレが進んでいる。貨幣が(増刷されすぎて)インフレが進んでいる。同時に消費者はモノを買う金がない。アメリカ連銀はインフレに気づいている。欧州でも日本でもインフレが進んでいるけれど中銀は何もしていない。」
マックス「ブラジルの場合、資本逃避があったよね。それがアメリカ国債に流入して金利下げ圧力になった。あと30秒しかないんだけど、これからどこに注視すべきなんだろう?どこがきな臭いんだろう?』
ウォルフ「株式市場、そして住宅市場だろう。金利が1ポイントあがるだけで住宅市場は崩壊するだろうからね。いまや投機市場だから。そして自動車ローン。」
後半のおしまい。
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