2017年3月8日水曜日

カイザーリポート 第1040回 アメリカ株式市場の認知不協和

Keiser Report: Cognitive Dissonance in US Stock Markets (E1040)
https://www.youtube.com/watch?v=Y0NlD1iBrkU
二人が農場の傍を歩きながら話しています。
ステイシー「あなたがイギリスに行くたびに農園に行ったかどうか尋ねるのは手足口病があるからよ。」
マックス「狂牛病?」
ステイシー「手足口病だって。ウォールストリートも銀行はあちこちに手も口も突っ込むから手足口病になるのよ。ゴールド萬作いわく、チャートによると認知的不協和が現れている。」
チャートと記事
ゴールド萬作:アメリカ株式市場に認知的不協和が存在する。

ステイシー「市場には認知的不協和がつきものだよね。自分が買った株に関する悪いニュースなんて誰も信じない。」

マックス「認知的不協和を説明すると、市場にはリスクがつきもの。30年くらい前まではリスクが褒賞がモダンオプションボラティリティー数式と利得ということでたて分けられていた。だからみなリスクなしで借りた金を投資して利得を上げることができた。そこにゼロ金利とゴールド萬作みたいな高頻度取引トレーダーが登場。何ヶ月も何ヶ月も毎日毎日ぜったい損をしない取引をする。これが認知的不協和であり、破壊された市場っていうんだ。ゴールド萬作がこれを30年も続けられたのは資源と金融工学のおかげ。これがウォール街を舞台にした認知的不協和だ。これが俺の第1のポイント。」

ステイシー「あはは。ふつうは続けて第2のポイントっていうもんだけど(ぜんぶ言っちゃったんだ)。チャートに戻ると、薄い青線がS&P500インデックス。これはトランプ当選以来右肩上がり。いっぽうで収益は下がって崖から転落。収益が下がっているのに株価は上がる。」

マックス「目の前にあるものを見ないっていうのが認知的不協和なんだ。ホログラムとか影とか繰り人形を見ている状態。収益が下がっている。収益は最後の岩盤なんだ。市場価値は収益で決まる。それが崩壊しているのに株価があがる。なぜか?ゴールド萬作が金融工学を使うから。ギリシャは帳簿上ではユーロ圏に加入できそうだったのに崩壊。ゴールド萬作はギリシャ崩壊で儲けた。ジョン・ポールソン他人の資産を崩壊に向かうとき買ったんだ。当然ながら崩壊。」

ステイシー「ところでいきなりゴールド萬作の連帯保証臭くなってきたじゃない?」
マックス「ゴールド萬作は牛糞を買い付けて、牛糞連帯保証付き金融商品をネブラスカかアイオワかどっかの農家年金基金に売った。けれどそんなの崩壊するわいな。そんなこと、みんな初めから判っていたんだけど、業績が上がる、株価も上がる、ウォーレン・バフェットが動く、こりゃ大正解ってみんな騒ぐ・・・我こそは神、市場は神の手・・・わけがわからなくなってきたぞ。」

ステイシー「ところで私のシャツには蛇がいるの。」
マックス「ちょっと見せてみな。」
ステイシー「やめてよ。ゴールド萬作は」
マックス「俺たち結婚してたよな?」
ステイシー「ゴールド萬作が収益をあげたのは顧客の反対に張っていたから。つまり・・・」
記事
ゴールド萬作のデイビッド・コスティンいわく「アメリカ株式市場には認知的不協和がある。アナリストは(収益が佐賀がっているから)売り時、と言っているのにS&P500は大統領選以来10%あがっている。」

ステイシー「ゼロヘッジはずっと追っかけているけれど、ゴールド萬作は『ゴールド買い時!』『原油買い時!』と言いつつ萬作自身は逆張りをしている。」

マックス「ウォール街はいつでもそうなんだ。逆を言う。」
ステイシー「だから言ったじゃないか!収益が低下したときは売れ!って・・て思わない?」

マックス「萬作たちは自己防衛したいだけなんだ。詐欺が横行しているからな。萬作が演出した詐欺なんだけど。ところでトランプは電気椅子を買うかと思ったらそうじゃなくて武器を大量に買ったよな。ウォール街を飛び交うCEOたちは(トランプの政策についていちいち)あれはいい、これはダメ、ロイ・ブラウンスタインなんかもこれはいい、これはダメなんて言っているけれど、ダメだしした瞬間に電気椅子で蒸発させたらいいんじゃないか。プラスマイナス的にこいつら悪魔どもを処刑したらいいんだ。」

ステイシー「トランプは国防予算を540億ドル増額したよね。外交政策園ではオバマ・クリントン時代よりタカ派色が薄れているのに。憶えてる?国防省の金槌が数千ドルするっていう件について語ったよね?今こそハンマー産業に投資して売り逃げたら数千株で10億ドル即儲けじゃない。」

マックス「国防省が金を使うのは国を守るため。環境庁が牛糞を片付けなかったら環境的ホロコーストになってしまうように。ロイ・ブラウンスタインは環境ホロコーストをどうするんだろう?そうか、ロイは環境制約条件付きホロコースト社債商品を開発してるに違いない。ありがとう、ロイ!ごくろうさま、ゴールド萬作!」

ステイシー「誰かのツイートによるといまや中国のふつうの労働者はブラジルとかメキシコ並みの収入。同時に中国は破壊された環境をなんとかしようと金をつかっている。ま、そこまで上がってこれたのも環境を破壊するくらい働いたから。水も地下水もどうしようもなく汚染されてる。共産党幹部たちの豪邸にはプールがあるみたいだけど。」



マックス「中国どころかイギリスは産業革命時代に50年も100年も環境汚染を続けて世界経済の牽引力になり、世界帝国をつくりあげたんだ。だから世代がくだって鉛中毒、有害物質中毒が蔓延している。議会を見たらわかるじゃないか?デイビッド・キャメロンなんて何を言ってるかさっぱりわからない。テリサ・メイは経済なんて無視してブレキジットを主張する。これが鉛中毒のなれの果て、環境汚染なんだ。中国に言いたい。将来中国版テリサ・メイを生み出したくないんだならいますぐ環境破壊をやめなさい!」

ステイシー「中国もキャッシュで汚染されているよね。昨年が4.5兆ドル、今年が3.3兆ドルだっけ?市場介入して資本逃避を抑えようとしてきた。ニューヨーク、トロント、バンクーバーの不動産投資に逃げてしまった。トロントなんて28%の高騰。ファイナンスも経済も汚染された姿だよね。」
記事
いったいどれくらいの金が不動産市場でローンダリングされたのだろう?大量だ。
記事
アメリカ財務省の金融犯罪特捜チームによると同チームは任期を180日延長することとした。2016年1月に発足した同チームはペーパーカンパニー名義で不動産を購入したり「その他不透明なやりかた」でのマネーロンダリング摘発を使命とする。

ステイシー「その結果、ニューヨークでの200万ドル以上、マイアミなら100万ドル以上の物件取引の30%がマネーロンダリングだった。」

マックス「腐敗し汚れたマネーマシーンの排気ガスだな。排気ガスがキャッシュなんだ。それが経済を有害汚染して市場機能不全を引き起こす。ウォーレン・バフェットが数十億ドル投資するっていうのは、独居老婆が猫とゴミ屋敷に住んでるようなもんだ。老婆は雑誌を捨てることができない。廃棄物:ゴミなのに。キャッシュはゴールド萬作が製造したマシーンの廃棄物で、それがほんの数人のところに蓄積される。それが環境を汚染する。まるでスクルージ・マクダックの世界だ・・・えっとなんでいまスクルージ・マクダックが出てきたんだろう。フランス語でしか出てこないぞ。なんかパリの思い出がフラッシュバックしたんだ。」

ステイシー「それは臭いのせいよ。あなたのうしろに牛糞の山があるから。」
マックス「それだ。フランス人はうんこの匂いをプロヴァンスの香りっていうんだ。これは純度が高いぞ。」
ステイシー「お昼時の視聴者に悪いからその話はやめましょ。」
マックス「イギリスのスラリー(糞尿混合物)ってあったよな。」

ステイシー「時間がないのでまとめると、不動産市場も株式と同じく高値更新。ブラックストーンみたいな機関投資家は家主っていうわけじゃないから買い量を10%カットした。それで市場シェアはたったの10%。じゃあ高止まり市場価格で買っているのは誰なのか?じつはふつうの人々。マネーロンダリングで検挙されるぞ、暴落するぞ、っていうときにふつうの人たちが買いに入ってる。農場を買って自己防衛するときよね。」

マックス「そう!5時に起きてステイシーは乳搾りに出かけるんだ。そしてチックタック。」
ステイシー「歯にフロスをかけてるの?」

前半のおしまい。
+++++

後半は前回にひきつづきクリス・マーテンセン。

マックス「さて前回からのつづき。繁栄ピークについて君が書いた。エネルギーもピークだ。これで思い出すのはハワード・コンストローなんだけど、読んだことある?長すぎる緊急事態とか環境問題とか、つまり経済活動は環境資源のうえで成り立つんだけど、資源がなくなるとエコロジーも成立しない。同時に登場したのがバーチャル・リアリティー・人々の無意識層をデータマイニングしている、と。前回、(証券)トレードのほとんどはコンピューターがやっているって言ってたよね。ロボットっていうかアルゴリズムっていうか。で我々が突然死んだ後もロボットトレードを続けるだろう、って。ソーラーパネルがあるからなあ。バーチャル・エコノミーに人間は必要ないっていうことだよね。」

クリス「不幸なことにそのとおりなんだ。繁栄という点でこれからの20年はいままでの20年と正反対になる。テクノロジーにはいい面も悪い面もあって、今まではいい面が強調されていたんだけど、同時に今までの繁栄は幾何級数的に増加するエネルギー消費、銅・石炭、ボーキサイトなどの資源が(消費されて)枯渇寸前なんだ。カナダのサンドオイルを絞り出すころには石油資源が枯渇しきっているだろう。でも誰もがみなパーティーはこれまでどおり続けられるふりをしている。いっぽうで技術には可能性もある。NASAが百周年を迎える。1917年に創立されたんだ。そのとき百年後どうなるかって考えていた人がいたんだ。いまでこそロボットが走って滑るとかドアを開けるのに苦労するとか動画をみて笑っていられるけど、将来われわれ人間がやっている作業はロボットのほうが上手にできるようになる。ほとんどの作業がそうなる。法律相談も医療相談も。マッサージくらいかな、人間に残されるのは。でもそこまで行くには莫大な高カロリー化石燃料が必要なんだ。これがプランAとしたら、じつは我々はプランBをもっていない。ということはプランAも基本的にだめなんだ。

マックス「マッサージは人間でしかできないっていうけど日本のセックスロボットはバカ売れ。今後のバーチャルリアリティー世界でセックスは大きな要素になるだろうね。さて低金利のことについて話したいんだけど、低金利は環境に悪い。なぜかというと環境はリニアだけどファイナンスは幾何級数的に増加する。両者は必ずどこかで衝突する。原油先物は将来の6万バレル対いまの1バレルくらいのレートで取引されている。これもどこかで衝突する。さらに格差も持続不能だ。ローコスト資金にアクセスできるやつらは、たとえ失敗しても政府救済される。ジャネット・イエレンと連銀がやってる犯罪行為は環境破壊であり格差の拡大である、っていう話を前回した。残された道はだたひとつ、金利を上げること。金利をあげないならイエレンはハーグ人権裁判所で裁かれるべきだ。人権侵害犯罪者なんだから。俺は言い過ぎかな、クリス?」

クリス「まさに連銀っていう顔のない組織の責任を問わないといけない。グリーンスパン、バーナンキ、イエレンがやってきた壮大な社会的実験の責任のことだ。紙幣っていうのは教科書上の存在じゃなくてリアルの存在なんだけど、これは基本的に人々の間の合意の産物なんだ。連銀はその合意を根底レベルで裏切った。イエレンもそのことを知っている。数年前に格差のことを問うた時、イエレンは犠牲者を責めたんだ。いわく、『リッチな親のもとに生まれなかったのが悪い。』『起業家精神がないのが悪い。』『貯金がないのが悪い。』それが格差のいいわけかい?ジャネット、恥を知れ!2008年の本:クラッシュコースにも書いたけれど、プルタルコスの時代に共和制で貧富の格差が最大にひろがった。なぜか?紙幣を印刷したからだ。部屋に座ってるだけの僕だって知っている。ジャネット・イエレンはじめ連銀幹部は全員それを知っている。イエレンは(紙幣増刷が格差拡大を生むことを)よーく知っていながら、みんなの金をブラックストーン、ゴールド萬作、JPモルガンに流したんだ。なぜか?そいつらに大金を流すだけの価値があると考えたからだ。」

マックス「人は成功ではなく失敗で判断されるべきだ、っていうよね。でもこの大失敗はどの世代も経験したことがない。長く続いた国債市場の活況も、社会構成員ひとりひとりの、それぞれがトイレも教育も必要なのに、(そういう人々が置き去りにされ)特性も摩擦もない社会になり果て、モラルも語られなくなった。これは事実として指摘しておかなえければならない。ウォール街はファイナンシャル・テロリズムを実行し、環境的ホロコーストを生み出した。俺自身は自己防衛するしかない。いっぽう、この退廃的な恥知らずのベクトルの流れのなかでファイナンスの巨人たちはこれからどう動くんだろう?」

クリス「僕はミツバチの例えを出すんだ。NASAでもどこでも、まずミツバチの話からはじめて貨幣政策とかそういう話に移って、それからまたミツバチに戻る。なぜかっていうと、アメリカミツバチは絶滅危惧種だからだ。87%がすでに絶滅して13%が危機に瀕している。ミツバチの味方のロビイストはアメリカ農業局しかない。殺虫剤は農業を助けるけれどミツバチを殺す。ミツバチは農業にとっていいことをする。この話は心ある人にとってとても痛ましい話なんだけど、ミツバチを絶滅させてはいけない。ミツバチなくしてレモンもトマトもないんだ。農業局が訴えるポイントは何ドルかの出費で絶滅を防ぐことができるという点。マネー壺のような世間でウォール街の巨人たちが金を儲ける?いいじゃないか(って我々は思ってきた。)でもそう考えてきた我々団塊の世代は、ミツバチの話のなかでは悪者なんだ。自殺に向かって突っ走る悪者だ。我々はマネーデスカルトの構成員で、イエレンは教祖様だ。誰が悪いのでもない、我々ひとりひとりが過去と決別しなければならない。それが僕の著作のすべてだ。それを語るためにどこでも出て行く。」

マックス「ミツバチが死ねば人類が死ぬ。あと数年しかない。絶滅経済といえば日本ではマグロ漁業で行われていて、クロマグロは1匹数千ドルで取引されている。これは絶滅経済の一例だ。さてもう時間がない。君のウェブ peakprosperity.com にはすべての階級が解放されなければならないとあるね?」

クリス「天候とかコントロール不可避の不公平要素があるなかで、これから誰も予想していないような不公平:格差の拡大があるだろう。僕の予言はシンプルだ:階級間闘争が拡大する。たとえば警官がデモ隊を殺す。殺し合いがはじまる。」

おしまい。

ご参考までに:
認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。
有名な例として、イソップ物語のキツネとすっぱい葡萄の逸話が知られる。





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