2022年6月28日火曜日

G7サミット:自らを苦しめずにロシアを罰する方法とは?

https://jp.sputniknews.com/20220628/g7-11736396.html

ドイツ南部エルマウ城で26日、先進工業国7か国の首脳会議が開幕した。会議に集まった首脳らは当初、気候変動、飢餓、貧困の問題について話し合う計画だったが、ウクライナでの紛争により、G7の計画は変更された。現在の主要な議題は、力を結集し、あらゆる点でロシアをできる限り弱体化させること。

G7サミット初日の26日、各国はウクライナへの無期限の支援について合意し、ロシア産の金の輸入禁止やロシア産石油の価格上限設定について話し合い、対ロシア追加制裁の承認における自分たちの意見の一致を全世界に示そうと努めた。

我われは結束を維持することができた=ショルツ首相

米国のバイデン大統領とドイツのショルツ首相はG7に合わせて行われた米独首脳会談で、現在「G7」がロシアに対してかつてないほど結束したことを特に強調した。両首脳は、G7加盟国の前例のない結束は、西側でG7のみならずNATOの分裂も起こることを予想していたロシア大統領府の期待を打ち砕くとの見方を示した。ショルツ氏は「我われは結束を維持し、ともにあり続ける。これはプーチン大統領への我われの明確なシグナルだ」と述べた。

G7加盟国、新しい枠組み「グロー・インフラ投資パートナーシップ」発足へ

バイデン大統領は、G7の結束に関する発言を強調するために、米国はG7加盟国とともに新しい枠組み「グロー・インフラ投資パートナーシップ」を発足させる用意があると発表した。ホワイトハウスによると、このパートナーシップは発展途上国のインフラを整備し、世界経済とサプライチェーンを強化し、米国の国家安全保障上の利益を促進するための画期的なプロジェクトを実施する。

G7の全首脳が、バイデン大統領を支持した。ショルツ首相は、G7のこの新たな投資プログラムを、中国の「新シルクロード」に代わるものだと指摘した。

「グローバル・インフラ投資パートナーシップ」では全世界のインフラプロジェクトに6億ドル(約81兆円)を投入する計画。ショルツ首相によると、気候変動対策、エネルギー部門、健康・医療などが重点分野となる。

日本の岸田首相は、G7諸国は中国がその「一帯一路」構想に基づいて提供している不公正で不透明な融資に対応するための方法を練る必要があると強調した。また岸田氏は、今後5年間にわたって650億ドル(約8兆8000億円)以上を低・中所得国のインフラ投融資にあてると表明した。

ロシア産の金の輸入禁止

G7サミット初日、各国の首脳は、ロシアへの経済的圧力を強化するための追加制裁を議論した。ロシア産の金の輸入禁止について話し合い、バイデン大統領は、金はロシアにとって年間数百億ドルの収入をもたらす主要な輸出品だと述べた。

英首相官邸によると、英国、米国、日本、カナダの各首脳は、ロシア産の金の輸入禁止に関する決定を発表する意向。

ロシア産石油の価格上限設定

サミット初日に議論された対ロシア制裁の中には、ロシア産石油の価格上限設定も含まれていた。これについて最も大きな声を上げているのは、すでにロシア産石油の輸入を禁止している米国、カナダ、英国の各首脳。一方、EUではロシア産石油の禁輸をめぐり、そのような一致はみられない。G7の首脳らはロシアを罰すると同時に、どまるところを知らないインフレを抑制するために安価なロシア産石油を手に入れることを可能にする文言をまだ見つけていない。

日本による追加制裁と地域の安全保障問題

日本の首相はG7サミット初日、驚くべき積極性を発揮した。岸田首相は、ロシア産の金の輸入禁止を支持しただけでなく、ロシア向けの会計や信託などの一部サービスの提供禁止など、ロシアへの圧力を高めるための追加制裁を提案した。岸田首相はまた、資産凍結の対象となるロシアの個人・団体およそ70を追加し、ロシアの90の軍事関連団体への輸出禁止の拡大も表明した。

岸田首相によると、国連は世界の現状に対応する能力を失ったため、日本は米国が提案する法の支配に基づく国際秩序の強化に引き続きコミットする。岸田首相は、ロシアがウクライナに対して行ったような新たな行動を日本は容認しないと強調した。岸田首相は特に、北朝鮮を懸念している。

「ロシアのウクライナ侵略への対応に国際社会が注力している中、核・ミサイル開発をさらに進める機会の窓が開いたと北朝鮮に誤信させてはならない」

岸田首相は、G7に合わせてドイツのショルツ首相とフランスのマクロン大統領とそれぞれ会談し、ウクライナでの武力危機の状況下において、欧州とインド太平洋地域の安全保障は不可分だという確認を両氏から得たほか、ロシアを公然と非難することを拒否した中国に関する両氏による批判についても成果をあげた。

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