IEA：欧州はロシアの完全なガス遮断に備えるべき

https://oilprice.com/Energy/Natural-Gas/IEA-Europe-Should-Prepare-For-Complete-Russian-Gas-Shutdown.html

By Irina Slav - 2022年6月22日午前11時00分CDT

IEAのビロル主任は、欧州はロシアのガス供給が完全に停止した場合に備えるべきと述べた。ビロル氏は欧州各国政府に対し、原子力発電所を稼働させ、その他の不測の事態に対応するよう助言した。ドイツ、オーストリア、オランダは石炭火力発電所を再稼働させている。

国際エネルギー機関（IEA）のビロル会長は、フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに応じ、ロシアの天然ガス供給が完全に停止した場合に備え、ヨーロッパは準備を整えておくべきだと語った。

ファティン・ビロル氏はFT紙に対し、「欧州はロシアのガスが完全に遮断された場合に備えるべきだ」と語った。「冬が近づくにつれ、ロシアの意図がより理解できるようになる。今回の削減は、ヨーロッパが貯蔵所を満杯にするのを避け、冬の間にロシアの影響力を高めるためのものだと思います。」

このような最悪のシナリオに対抗する手段として、ビロル氏は欧州各国政府に原子力発電所を稼働させ、他の不測の事態への対策も講じるよう助言した。この他の不測の事態への対策は、需要に重点を置いているようだ。

「冬が近づくにつれ、欧州の政府による需要対策はますます深まるだろう」とビロル氏はFTに語り、ロシアのガス供給がさらに削減された場合、ガスが配給制になる可能性があると付け加えた。

過去3ヶ月の間に、ロシアはルーブルでのガス代支払いを拒否したヨーロッパの国々への供給を停止している。また、ノルドストリーム沿いの流量を大幅に減らし、フランスへの供給を事実上停止し、ドイツへの流量も約60％減少させた。

ガスプロムとその機器メンテナンスサービス会社であるシーメンス・エナジーは、この削減を、カナダの新たな対モスクワ制裁によるタービン納入の遅れのせいだとしている。ドイツはガスプロムを非難している。

EU最大の経済大国であるドイツは、ロシアのガス供給が完全に停止した場合、確実に景気後退に直面すると、今週、業界団体が警告した。BDIは、今年のドイツの成長率予測を3.5％から1.5％に引き下げ、ロシアがガスを断てば、景気後退は必至だと述べた。

一方、失われたガス供給を補うために、ドイツ、オーストリア、オランダは石炭発電所を再稼働させている。IEAのビロル氏はFTのインタビューで、再稼働は一時的なもので、排出量の増加がどうであれ、将来の再生可能エネルギー設備で相殺されると弁明している。

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