2023年1月27日金曜日

日本政府 ロシアに追加制裁

https://sputniknews.jp/20230127/14730780.html

2023年1月27日, 13:49 (更新: 2023年1月27日, 14:50)

日本政府は27日、ロシアに対する追加制裁を閣議了解した。資産凍結の対象として、新たにロシア政府関係者らと、ウクライナの「東部・南部地域」の関係者と判断される者が加わる他、催涙ガスやロボットなどロシアの軍事力強化につながる可能性のある物品の輸出を禁止する。財務省と経済産業省がウェブサイトで発表した。

外務省の発表によると、新たな資産凍結の対象となる個人・団体は、ロシア政府関係者の22個人と3団体。さらに、クリミアとセヴァストーポリのロシアへの「併合」、またはウクライナ東部の不安定化に関与していると判断される者、ロシアによる編入に直接関与していると判断されるウクライナの「東部・南部地域」の関係者ら14個人も対象者となっている。

経済産業省は、放水銃システムや警棒、催涙ガス、ワクチンや医療製品、爆発物・起爆剤の探知装置などの対ロ輸出を禁止すると発表した。これらの措置は2月3日から実施される。

また、日本政府は、ロシアの航空機修理工場や無線工場など計49団体を新たに輸出規制の対象と定めた。この措置も2月3日から実施される。

日本は以前から、2023年の先進7カ国(G7)議長国として、ロシアに対する制裁措置とウクライナへの支援を進めていくとの方針を繰り返し示している。日本の対ロ制裁はウクライナ情勢を背景にこれまでに何度も実施されており、すでに900人を超える個人、300以上の団体・組織に対して資産凍結などの措置が行われている。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は先日、日本は非友好国リストに入った国々の陣営に積極的に加わり、ロシアとの関係を建設的に進めていく姿勢を示していないとの考えを示した。

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クリル諸島周辺海域での日本漁船の操業条件に関する協議をロシアが拒否 日本の水産物市場に打撃

2023年1月27日, 21:11

1月19日、ロシアは、クリル諸島周辺海域での操業条件を決めるために毎年行われている政府間交渉の日程について、情報提供できないと日本側に通知した。2023年の漁獲枠は昨年末の両国のオンライン交渉で妥結していたにもかかわらず、である。ロシアは今回の交渉停止を日本の対ロシア制裁と直接関連付けてはいないものの、これが交渉拒否の本当の理由だと考えられる。今回の決定が直近の日本漁船の操業に悪影響をもたらすと考える日本側は、ロシア側の決定に激しく反応した。

松野博一官房長官はロシア側の対応は受け入れられないと発言。松野氏は、1998年に結ばれた両国政府間の「海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」は20年以上の長きにわたり日本漁船の安全な操業を確保してきたことを指摘し、「このような状況を踏まえると、ロシアがこうした対応をとったことは受け入れられない。日本政府は、早期に操業を開始できるよう、早期に協議に応じるようロシア側に粘り強く求めていく」と強調した。

1998年以降、ロシア政府と日本政府は毎年始めに、両国の領海周辺海域での操業条件を互恵的な形で決定するための協議を行ってきた。この協議は1998年2月に締結された「海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」に基づいて行われてきた。この協定は、両国の立場を害さないという原則のもと、クリル諸島の四島周辺海域での日本漁船の安全操業を保障すること、および生物資源の保護、合理的利用、再生における日露協力を目的としている。

今回と同様のことは2022年6月にも起きている。当時は、日本政府が上記協定に基づく協力金を支払うまでロシアは安全操業に関する政府間協定の履行を停止すると、ロシア外務省が発表した。係争が解決し、ロシア側に1億5000万円が送金された後の9月末、日本漁船は操業を再開した。昨年12月末には、日ロ漁業委員会第39回会議が行われた。この会議の決定により、日本漁船は2023年にロシア水域でサンマ31,824トン(2022年は56,424トン)、スルメイカ5,619トン(2022年と同じ)、マダラ3,000トン強を漁獲でき、ロシア漁船は日本の排他的経済水域でサバ38,000トン、マイワシ8,000トン、イトヒキダラ2,000トンを採取できることになった。ポータルサイトSeafood Sourceの試算によると、全体の漁獲割当量は2022年から30%減少した。

投資会社「IVA Partners」の専門家アルチョム・クリュキン氏によると、現状に関しては、ロシア側が明らかに優位な立場にあるという。

「第一に、日本の水産物市場は、ロシア水域から供給される水産物にかなり依存しています。ですから、日本側は西側の制裁政策にコミットメントを示すのか、自国の市場と漁業会社の利益を取るのか、選択を迫られています。第二に、ロシア産の水産物は韓国やアメリカなどの国々でも大きな需要があります。さらに、欧州との貿易が縮小する中、国内需要も増えています。第三に、外交の面から言って、最初に非友好的政策を始めたのは日本側であり、ロシア側は道徳的優位にあるのです・・・」

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日本の新たな対ロ制裁による両国関係への影響は不可避 ロシアは対応策を検討=露大統領府報道官

2023年1月27日, 19:44

対ロ制裁の発動に伴う露日関係への影響は避け難く、ロシアは国益に基づいて対応策を検討する。ロシア大統領府のペスコフ報道官が、27日の記者会見でこのような考えを示した。

日本政府は同日、ウクライナ情勢を背景に対ロ制裁を拡大した。新たな措置には、ロシアの軍事力強化につながる可能性のある物品の輸出禁止や、ロシア政府関係者や、ウクライナの「東部・南部地域」の関係者と判断される者への資金凍結などが含まれている。

ペスコフ報道官は、日本は特別軍事作戦の当初からロシアに対して非友好的な立場を取っていると述べた。

「非常に好ましくない状態にある二国間関係への影響は、残念ながら、避けがたいということだ。もちろん、我々は自分たちの利益を第一とし、対応策を考えていくつもりだ」

この追加制裁への対応を記者団から問われたペスコフ氏は、外交と経済の両面で行うつもりであると答えた。

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ロシアが日本との漁業協議を拒否したのは理にかなっている 日本は非友好的政策をとっている=ロシア議員

2023年1月27日, 07:00

ロシア連邦サハリン州議会のアレクサンドル・ボロトニコフ議員は、スプートニク通信に対し、クリル諸島周辺海域での日本漁船の操業に関する露日間の漁業協定を巡ってロシア側がこの件に関する協議に応じない方針を日本側に伝えたことについて、これは理にかなっており、ロシア側の方針は日本当局のロシアに対する非友好的な政策と関連しているとの考えを示した。

在ロシア日本大使館は21日、クリル諸島周辺海域での日本漁船の操業に関する協議の実施時期について合意できないとの通告をロシア政府から受けたと発表した。

ボロトニコフ氏はこの件について次のようにコメントした。

「1998年にロシア連邦と日本が調印したこの協定は、私にとってよくわからないものだ。この協定によると、日本の漁師は、クリル諸島周辺の我われの排他的経済水域で海洋生物資源を捕獲することが許された。おそらく当時、これはクリル諸島がわが国の管轄下にあり続けることを条件に平和条約を締結するための我われの南の隣国に対するいわゆる善意の行為として認識されていたのだろう」

ボロトニコフ氏は、サハリンの漁師たちはこの協定に不満を示し、協定の見直しを求めたが、ロシア政府は受け入れなかったと強調した。

ボロトニコフ氏は、この協定によって日本側が得た利益は膨大だったとの見方を示し、クリル諸島の南の島々の周辺で漁業を行い、日本は小樽や稚内などの北海道の小都市の経済を著しく盛り上げることができたと指摘した。

「そして日本は協定において認められた特恵を20年以上も利用した。当然ながら、その延長に高い関心を持っていた。しかし、隣国が自分たちのパートナーに気に入ってもらうためにロシアに対して非友好的な政策をとり、政治的関係を断ち切っているならば、経済的関係が維持されると考えるのは幼稚だ。ロシア当局がクリル諸島周辺の我われの海域での日本漁船の操業に関する日本政府との今年の協議を拒否したことは、まったくもって理にかなっていると考えている」

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露日平和条約の見通し崩れる 日本の非友好的な政策とクリル諸島をめぐる長期にわたる領土紛争

2023年1月26日, 06:30

ロシアのぺスコフ大統領報道官は23日、ロシアと日本の平和条約締結交渉について、現時点ではおそらく不可能との見方を示した。日本の岸田首相は同日の施政方針演説で、日本は引き続き平和条約を締結する方針を堅持すると述べていた。ロシア側がおそらく不可能とする主な理由は、日本の対ロシア制裁だ。露日関係の問題に関する詳細や、領土問題を巡る日本の立場をロシアが歴史的現実と合致していないと考える理由について、スプートニク通信がお伝えする。

ぺスコフ氏は、平和条約締結交渉についてロシアは日本と作業する用意があるかと記者団から問われ「日本は、非友好国になった国々の陣営に、非常に積極的な態度で加わった。日本は自らの行動においても、二国間関係においても、構成主義を示していない。実際のところ、現時点では意味のある対話は行われていない。もちろん、このような状況では、事実上、そのような可能性について語る必要性はほとんどない」と述べた。

岸田首相は23日の施政方針演説で、露日関係はウクライナ情勢によって厳しい状況にあるが、日本は引き続き領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持すると表明した。

露日関係における新たな困難

ロシアがウクライナで特殊軍事作戦を開始した後、日本政府は西側の対ロシア制裁に加わった。岸田首相は2022年3月のインド・カンボジア訪問でもロシアを封じ込めるために結束する必要があると政治パートナーを説得しようとし、「国際秩序の根幹を揺るがしている」としてロシアを非難した。

ロシアは同年3月21日、日本の非友好的政策への対抗措置として、日本との平和条約交渉を打ち切ると発表。南クリル諸島(日本名:北方四島)への「ビザなし交流」も停止し、南クリル諸島での共同経済活動に関する日本との協議からの離脱も発表した。これは、日本の領土主張によって未だ平和条約が締結されておらず、それでなくても緊迫する露日関係をさらに悪化させた。

クリル諸島を巡る領土紛争

1951年、サンフランシスコで講和会議が開かれ、日本と連合国各国の間で平和条約が結ばれた。日本は、1904年から1905年の露日戦争の結果として日本が得た南クリル諸島に対する権利を放棄した。ソ連側は、同諸島に対するソ連の主権に関する修正を平和条約案に加えることを提案した。しかし提案は受け入れられず、ソ連は条約に署名しなかった。日本は現在、1855年の露日和親条約に基づき、クナシル島(国後島)、シコタン島(色丹島)、イトゥルプ島(択捉島)、ハボマイ群島(歯舞群島)を要求しているほか、これらの島はクリル諸島(日本名:千島列島)の中に含まれないと主張している。

1956年、ソ連と日本は共同宣言に署名した。これにより戦争状態が終了、外交関係が回復した。またソ連は、平和条約締結後にハボマイ群島とシコタン島の2島を日本に引き渡す可能性を検討することにも同意した。

ソ日共同宣言(1956年)第9項では、「ソビエト社会主義共和国連邦と日本国は、ソビエト社会主義共和国連邦と日本国の間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。ソビエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望に応えかつ日本国の利益を考慮して、ハボマイ群島およびシコタン島を日本国へ引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、ソビエト社会主義共和国連邦と日本国の間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」と述べられている。

2島は平和条約締結後に日本に引き渡されるはずだった。そして、ロシアはこれに終止符を打つ考えだった。しかし、日本は4島すべてに対する領有権の主張を取り下げなかった。

米国の脅し

ロシアと日本の領土紛争には、もう1つの国が関与した。東京は、ワシントンの圧力を受けてモスクワとの平和条約への署名を拒否した。

1956年にソ連と日本が共同宣言に調印した後、米国は、日本がクナシル島とイトゥルプ島に対する主張を撤回した場合には、沖縄を含む琉球諸島は日本に返還されないと脅した。琉球諸島は当時、サンフランシスコ平和条約第3条に基づき、米国の施政下に置かれていた。

それ以来、ロシアと日本は領土問題を解決するために、事実上、無駄な努力を続けている。日本は所謂「北方領土」に対する主権を表明しており、1855年にロシア帝国と締結した、露日間の最初の外交条約である露日和親条約に基づいてこの問題を解決しようとしている。

現代日本の政府は、4島の返還を第二次世界大戦終結の際にも調印されなかったロシアとの平和条約を締結する主な条件とした。一方、ロシアは、4島は第二次世界大戦の結果、ソ連の領土の一部となり、4島に対するロシア連邦の主権について疑いの余地はないという立場をとっている。

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