2023年7月28日金曜日

ロシアの幻のキノコを求めるハンターが日本にもいた!

https://sputniknews.jp/20230728/16649886.html

「チャーガ」の生命力と食の安全についてインタビュー

2023年7月28日, 07:45

近年、そばの実や天然はちみつなど、ロシアの自然食品が少しずつ日本に広がった。中でも、その入手困難さから森のダイヤモンドとも言われる幻のキノコ「チャーガ」は、免疫力増強や抗酸化作用などの幅広い健康効果で注目された。このチャーガの輸入販売を手がけているのが、グローバルデベロップメント株式会社の油屋康社長だ。チャーガの輸入業者は複数あるが、自らシベリアまで行って品質を確かめ、さらにチャーガの採取までした日本人は他に類を見ない。油屋さんとチャーガとの出会い、チャーガの見分け方や注意すべきポイント、ロシア食品の輸入計画などについて話を聞いた。

ソ連時代から様々なロシアビジネスに精通していた油屋さん。チャーガを輸入するきっかけになった出会いについて、油屋さんは振り返る。

「2018年の末に、知人を通して伝導工業株式会社・渡辺利夫社長と知り合いました。彼に、チャーガは世界でダントツの生命力を持ったキノコなので、日本に輸入してはどうかと言われたのが、チャーガに携わるきっかけでした。当時の私はウラジオストクを頻繁に訪れる機会があったため、市場で仕入れて持ち帰ったチャーガを、伝導工業の『超粉体加工技術』で5ミクロンまで粉砕し、パウダーにしました。これを周りのがん患者や糖尿病の友人に配ってみると、短期間で効果が出てとても喜ばれました。

糖尿病の判断には、Ha1C(ヘモグロビン・エイワンシー)という指標が使われます。6.5以上は糖尿病と判断されるが、私の友人の場合、15.3あった数値が1か月で10.4になり、今では6.0にまで下がりました。また、肝細胞がんが再発した私の柔道の師匠は、抗がん剤の副作用がひどく、チャーガを勧めたところ、がん細胞が壊死し、主治医の先生がひどく驚いていました。こういったことが続いたので、これは良いものだと直感しました。」

とは言え、チャーガはあくまでロシアに伝わる民間療法、食品であって、薬ではない。健康被害がなくても「がんに効く」「糖尿病が治る」という謳い文句で販売した業者が書類送検された例もある。この兼ね合いについて油屋さんは、「薬機法の問題はあります。ただし、重度の患者さんであればあるほど、作用機序(薬が生化学的作用によりどのように効果をもたらすか)よりも、結果が出るかどうかを求めている」と言う。チャーガは、口コミや、医療関係者が発信するSNSなどを通して、徐々に知られ、日本で受け入れられるようになってきた。

「チャーガを評価する医師の中には、西洋医療の専門家である、篠浦伸禎氏(都立駒込病院・脳神経外科部長)もいます。彼は西洋医療だけでなく統合医療を目指した方です。現代医学や栄養学などは、すべて『成分』で片付けようとしています。もちろん成分は重要ですが、それよりもその個体自体が持っている生命力や波動力、つまりはエネルギーの方が重要であると、篠浦氏は指摘しています。なぜ日本人は春になるとタラの芽を食べるのでしょうか。それはタラの芽に息吹、生命力が凝縮されているからだと指導を受けました。西洋医学の盲点は、波動医学や量子医学を全く否定した点です。」

油屋さんのもとには、チャーガを買い求めた人たちから、感謝の声が寄せられた。中には、10代の女性が重度のアトピーで外出もできなかったが、体質が改善した今では外出が楽しみになり、ファッションを楽しめるようになったという報告もあった。油屋さんは「こういう声を頂く時が一番嬉しく、チャーガ冥利につきます」と喜ぶ。また、個人の実体験の集積ほど大事なものはないと考え、様々な症状が緩和、改善された例を集めて、それらを紹介していく活動を行った。

ところで、日本の通販サイトでチャーガを見てみると、価格もまちまちで、何を基準に選ぶべきかよくわからない。油屋さんによると、「混ぜ物」がしてある場合は要注意だ。

「自社で販売する前に、国内外のチャーガを色々と試してみました。アメリカ産のものは非常に価格が安かったが、開封した途端にケミカルの匂いがしました。やはり二級品、三級品は、混ぜ物がしてあります。また、チャーガの産地は非常に重要です。寒暖差が非常に激しい自然環境であればあるほど、品質が良いと言われています。チャーガは、自然環境が厳しい中で生き延びてきた白樺の樹液を20年間かけて吸い尽くし、育ちます。これこそエネルギー、つまりは生命力の凝縮体です。」

寒暖差が特に大きいシベリア・アルタイ産にこだわる油屋さんは、この夏も自らシベリアに赴き、森の男・チャーガハンターたちと行動を共にして、チャーガを探した。チャーガが寄生する白樺は2万本に1本とも言われており、ハードな旅の中で、質の良いチャーガを見つけるのは至難の業だ。それでも油屋さんはチャーガを発見し、自ら採取した。それらも含め、7月、日本に7トンのチャーガを輸入した。

油屋さんは、ロシア産の食品は遺伝子組み換えでないことに注目し、大豆や小麦などの食品を日本へ輸入することも検討した。日本で食の安全が見直され、オーガニック給食事業も展開されようとしたが、現在の農家の供給体制では、オーガニック食品を安定して調達することは難しい。

「遺伝子組み換え種子が多く輸入されている現状では、本当に安全なものを子どもたちに提供することが難しいです。そこで、ロシア極東の遺伝子組み換えではない大豆などを輸入し、オーガニック給食事業を拡大し、子どもたちへの健康被害を防ぐようサポートできればと考えています。ウクライナ情勢をめぐり世界が分断されようとした今だからこそ、日露間で相互にメリットがある事業を進め、実のある民間外交をすべきだと考えています。」

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ロシアの大自然のロマン 森の男の強さの秘密は幻のキノコ「チャーガ」と森の豊かな恵み

2023年7月11日, 07:49

ロシア北西部・アルハンゲリスク州に住むニコライ・ノヴィコフさん。サンクトペテルブルク郊外の小さな町で生まれ育ったが、30歳を迎える頃、アルハンゲリスク州に移住した。子ども時代、毎年夏休みをアルハンゲリスク州の祖母の家で過ごし、その豊かな自然、タイガに魅せられていたのである。現在のノヴィコフさんは金属回収の仕事をするかたわら、姉と一緒に6年間、ゲストハウスを運営した。森とともに生きる男性の強さは、幻のキノコ「チャーガ」をはじめ、森から得られる様々な恵みのおかげだ。

ノヴィコフさんは子どもたちと森に行くとき、何かお茶や飲み物を持っていくことはない。「現地調達」が基本なのだ。ノヴィコフさんは「私の祖父も、父も、森でその場で色々なものを集めて、美味しくて栄養のあるお茶を作っていました。それはチャーガだった。チャーガ、黒スグリの葉っぱ、それの美味しいことといったら、言葉にできません」と振り返る。

白樺の木に寄生するキノコ、チャーガはその抗酸化作用、免疫力強化など様々な健康効果の高さから、主にアジアに向けて高価で取引されるようになった。がんの治療効果を高めるスーパーフードとしても注目が集まり、ロシアから日本へも輸出された。しかしチャーガが寄生する白樺は2万本に1本とも言われており、素人が見つけられるようなものではない。実際に森で採取したのは、ノヴィコフさんのような森を知り尽くした男たちである。

「運命に導かれるように田舎の村に移ったわけですが、仕事がほとんどなくて。ベリー類やキノコを集めたり、ほうきを作ったりしていました。その時、チャーガを集めれば転売人に売れる、と知りました。私のチャーガ集めは自己流です。森と、森の中を歩くのが大好きなので、私は歩いてチャーガを集めます。1日あたり15キロは歩きます。

私は神秘的なものを信じているので、森の『主人』にチャーガを見せてくれるよう頼み、クッキーやサンドイッチといった、心ばかりのプレゼントをします。チャーガをお金にするためには、30キロほど集める必要があります。その袋を、チャーガの収集場所に持っていきます。」

チャーガは、日当たりの悪い小川や川の近くの白樺に生える。チャーガは木の「傷」の上で育っていく。チャーガは白樺に文字通り「寄生」し、長い年月をかけて栄養分を吸い取るので、チャーガの周りの木は弱って病気になっていることが多い。このような場所は経験を重ねていくうちに見つけることができる。もしチャーガを見つけたら、その近くにも別のチャーガがあることが多い。

地元の人々は、チャーガの成分を科学的に知っていたわけではないが、長きにわたり、その健康効果を実感していた。

「チャーガは、固形のままお茶にします。ティーポットに握りこぶしの半分くらいのチャーガをそのまま入れると、三煎目くらいまで美味しく入れることができます。新鮮なチャーガ、イワン茶、オレンジの皮という組み合わせはたまりません。美味しいだけでなく身体にとても良いです。

私たちの土地の男は、ハンターも、木こりも、漁師も、屈強で、本当に驚くべき、体力と持久力を持っています。それは間違いなく、チャーガをはじめとした、森の恵みのおかげでしょう。」

ニコライ・ノヴィコフさん

ノヴィコフさんが姉と経営するゲストハウス「Valerina Usadba」にはエコツーリズムを目当てにたくさんの都会人がやってくる。大都市を離れれば、手つかずの大自然が残っているのがロシアの魅力だ。大昔から大自然と調和をとりながら暮らしてきたロシア人にとって、このような休息は欠かせない。


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