シリア:米国による略奪とエネルギー部門への妨害の途方もない代償
アメリカは現在、シリアの約3分の1を占領しており、CIAの汚い戦争によるアサド政権打倒の失敗後、ダマスカスを経済的に窒息させて服従させようと、戦争で荒廃した国から数十億ドル相当の石油と食料を略奪してきた。
シリアの外務省は、国連にアメリカのシリア国民に対する犯罪を思い出させることを決定し、アントニオ・グテーレス国連事務総長とフェリット・ホクシャ安全保障理事会議長に書簡を送り、ワシントンの違法な行動に終止符を打つための行動を要求した。
シリアのメディアが公表した書簡の要旨で、外務省は国連に対し、「アメリカとその手先であるテロ組織や民兵は、シリアの主権を侵害し、国の富と戦略的資源を略奪し続けている。」と念を押した。ダマスカスは、説明責任、補償、「アメリカ軍の不法な駐留」の停止、「占領している土地とシリア国家の石油・ガス田の返還」を要求した。
シリアは、これらの「攻撃的な行為は国際法と国連憲章の規定に違反している」と想起し、ワシントンが意図的に「違法な一方的強制措置の影響を悪化させ、シリア人から祖国の能力を奪い、苦しみを増大させている」と非難した。
外務省は、「米軍とそのテロリストの道具による...侵略、略奪、破壊行為」の総費用は、今や1152億ドルという途方もない額に達したと見積もっている。2011年から2023年半ばまでに発生した損失をまとめたこの数字には、シリアの石油部門が被った直接的な損失275億ドルが含まれており、その内訳は以下の通りである。
推定3億4,100万バレル相当の石油の略奪、浪費、焼却、(1日平均10万〜13万バレル、最近では1日15万バレルにまで増加している。)
約5,990万立方メートルの天然ガス、41万3,000トンの国内ガス資源の窃盗と浪費。
エネルギー生産施設の破壊行為と窃盗32億ドル。
米国主導の連合軍によるシリアの石油・ガス施設への砲撃による損害29億ドル。
ダマスカスによれば、「通常の作業条件下で計画された生産量を下回った」ことによる二次的な損失が880億ドル近くにのぼる。
シリア外務省が国連にそのデータを提出する一方で、アメリカによる資源略奪は続いている。日曜日に地元メディアは、米国が2つの輸送隊を使い、タンカー95隻分の原油をイラクに密輸したと報じた。
シリアにおける石油と食料の密輸活動は、戦争で荒廃した国の東部3分の1に点在する12か所の米軍基地によって可能になった。米軍は2016年、ダーイシュ(ISIS)に対する世界的な戦争を口実に初めてシリアに進駐した。
ダマスカスとその同盟国はこのような主張を退けたが、シリアに対するアメリカの圧倒的な軍事的報復(ダマスカスの同盟国であるロシアとイランの場合は、より広範な地域的、あるいは世界的な戦争)を引き起こす危険性があるため、米軍を武力で追い出すことはできない。
米国によるシリアの石油と食糧の豊富な地域の占領は、戦争からの復興にとって大きな障害となっている。イラクを含む近隣諸国と比べれば、シリアは決してエネルギー資源の主要輸出国ではなかったが、今回の危機以前は、自国の石油・ガス需要を賄い、ささやかな輸出収入を得ていた。米国の不法な駐留と「シーザー法」として知られる厳しい制裁措置が相まって、シリアはロシアとイランの同盟国に支援を依存するようになった。
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