ゼロヘッジ:絶望的な岸田。インフレと「闘い」、景気刺激策と現金支給で最低評価を上げようと画策
2023年11月3日金曜日 - 午前11時50分
権力の上層部において、時に比類なき愚かさが存在する今日の世界において、日本の政府と中央銀行の右に出るものはいない。
日銀は、私たちが知っている日本文明の終わりを告げるかもしれない暴落を防ぐために、債券市場に毎回何十億ドルもの流動性を注入している。(日銀は発行済み国債の半分以上を所有している。5兆ドルという日銀のバランスシートの規模はGDPベースで世界最大であり、FRBやECBのそれを大幅に上回っている。文脈からすると、日銀は財政政策と金融政策の境界線を曖昧にし、金融不安定化リスクを高めている。 円が暴落し、歴史的なインフレが長いあいだデフレだった日本に広がるにつれて...。)日本人は、デフレより悪いのはインフレであることを知った。
岸田の支持率は暴落した。
注目すべきは、日出づる國で岸田首相が有権者に語ったことだ。
「すべてはうまくいく。」
「賃金は魔法のように爆発的に上昇し、間違いなく世界で最も物価の安い西側経済に新たな黄金時代を巻き起こす。」と。
もちろん、実際に起きていることは正反対だ。名目賃金は上昇しているが、それはすべて高騰するインフレによるもので、実質賃金は過去最低だ。
日銀は数日前、NIRPとYCCというフランケンシュタインの怪物を排除することで、賃金上昇を犠牲にして通貨を買い支えることができたのに、それをしなかった。清算の日が来れば(ブルームバーグのサイモン・ホワイトが説明したように、来るはずだ。)、リーマン・ショックの時とは比べものにならないほど破滅的な事態になる。(そして円は爆発的に上昇する)。
日本国民は貯蓄が消え、購買力が崩壊するのを見て、ますます怒りを募らせている。岸田は日本の伝統にのっとって、失敗を認めながら首相という巨大な堆肥の山へと向かっており、間もなく辞任する。
これまでの多くの首相とは違い、岸田氏は静かに去ることを拒否し、その代わりにルイ15世の方法、つまり Après moi, le déluge(己の運命は決まっているが、岸田は追い出される前に最後にもう一度国民に賄賂を贈る)」を選んだ。
暴走インフレで動揺しているこの国で、バカ首相 - 言葉は悪いが、私たちはかなり怒っている - 岸田文雄は、「高インフレと記録的な低支持率からの脱却」を目指し、減税と現金配給を中心とした1100億ドル相当の景気刺激策に首を賭けている。
マジック・マネー・ツリー(MMT)として知られるマネタリストの白痴のためのマニュアルの1ページ目を取り出し、この愚か者はさらなるインフレでインフレと戦おうとしている。
FTによれば、岸田はロシアのウクライナ侵攻に乗じて防衛費を増やし、韓国との歴史的な和解を含む一連の外交的勝利を収めた。
しかし、円が暴落し、過去40年間デフレしか知らなかったこの国に空前のインフレをもたらした。それですべてが崩壊した。
木曜日、岸田は暴徒を抑えるために、自尊心のある政治家なら誰もが彼の立場だったらするであろうこと、つまり、170億円(1,130億ドル)の大規模な景気刺激策を発表した。
このパッケージの中心は、所得税と住民税の一時的な減税や低所得世帯への現金支給など、約500億円を含む、彼、中央銀行、財務省が直接責任を負う生活費上昇への対策である。国民にお金を配れば、インフレが緩和されるからだ。
このパッケージには、笑わないでほしいが、石油や電力価格の上昇を相殺するための補助金の延長や、賃上げやサプライチェーン強化のための企業支援も含まれている。
岸田のバカなケインジアンかMMTアドバイザーが、補助金と現金による景気刺激策でガソリン価格の高騰に「対抗」するのがいいアイデアだと考えたからだ。ちなみに、特別「計画」がどのように実行されるかは、アルゼンチンを見れば一目瞭然だ。
「企業による)賃上げと所得税の減税を組み合わせることで、来年の夏までに公的所得の伸びが物価の上昇を上回るような状況を作りたい。」と岸田は木曜日の記者会見で語った。「そうすることで、デフレからの脱却が見えてくる。」
景気刺激策が閣議決定される前から、岸田の計画は裏目に出ていた。
日本経済新聞社が今週行った世論調査によると、岸田内閣の支持率は33%まで低下し、2021年10月の首相就任以来最低となった。首相はバカかもしれないが、日本の国民は一般的に賢い部類に入り、この計画がハイパーインフレで終わり、日本国債市場と円の両方が崩壊することに気づいている。
円は数十年ぶりの安値に沈み、輸入コストは上昇し、実質賃金は下がっている。調査によれば、家計は防衛費の大幅な増加や、より手厚い育児給付金のための将来の増税をより心配している。
さらに悪いことに、野村総合研究所によれば、臨時減税と給付金で日本の実質GDPは年率0.2%しか伸びない。日本の家計は余分な現金を貯蓄する傾向があるため、過去の同様の措置は有意義な消費を促進することに失敗した。今回も同じだろう。インフレをさらに促進し、日本がトルコのようなバナナ共和国になったことを認めたら、政府は金利を2桁に引き上げざるを得なくなる。
岸田は、法人税やその他の増税計画を押し戻したにもかかわらず、財政規律を積極的に追求するという印象が根強く、ソーシャルメディアでは彼の眼鏡と増税のイメージを結びつけるあだ名が生まれた。
政治情報誌『インサイドライン』の敏川隆雄編集長は、「彼は増税のイメージを払拭するために減税が必要だと強く感じており、一か八かの勝負に出る意欲が加速した」と語る。「しかし、減税が国民の共感を得られるという政治的直感にもかかわらず、彼にはコミュニケーション能力と強いメッセージを伝える能力が欠けていた。
利川氏によれば、もし経済政策が支持率上昇につながっていれば、岸田はおそらく年内に解散総選挙を行っただろう。その見込みは今や薄れ、来年9月に自民党総裁の任期が切れる前に選挙を行うかどうかは不透明だ。日本という沈みゆくタイタニックを救う方法がないことを認めざるを得なかった多くの前任者たちと同じように、そのずっと前に辞任する可能性が高い。
アナリストたちは、5月にゼレが出席したG7サミットの開催に成功したことをきっかけに首相が一時的に勢いづいた後、選挙を行うべきだったと述べている。それ以来、彼の政権は息子と最側近の側近のスキャンダル、国民IDシステムのデータ管理問題で揺れている。
自民党の議員やエコノミストたちは、インフレが予想以上に深刻であることが判明している今、すでに好調な経済を煽るための措置はリスクが大きいと減税を批判している。
日銀が7年間続けてきた長期金利の上限政策を打ち切るという重要な一歩を踏み出した数日後に、このタイミングを見誤った景気刺激策は実施された。
来るべき終盤戦に備え、日本国債の10年物利回りは最近、米国債利回りの急上昇を背景に過去10年で最高水準まで上昇している。そのため日銀は、10年物国債利回りが1%以上に上昇するよう、いわゆるイールドカーブ・コントロール政策を修正した。
減税が実施されるのは6月と予想されているが、これは日銀がマイナス金利を解除した後になる可能性があり、一部のエコノミストは4月に政策が変更されると予想している。
「日銀は政策正常化を通じて国債利回りを急騰させないよう注意すると思われるが、財政規律が市場参加者の疑念を招いた場合、中央銀行にとって困難になる可能性がある」とUBSのエコノミスト足立正道氏は最近のノートに書いている。
中央銀行はまた、インフレ見通しを上方修正し、2024会計年度のコアインフレ率を2.8%と予想した。今回の票集めの策略が通れば、2024年度の実際のインフレ率は桁違いに高くなるだろう。
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