藁をも掴むロシア制裁
https://www.rt.com/business/587207-eu-russia-sanctions-diamonds-gazprombank/
2023/11/15 05:54
EUの新たな対ロシア制裁は自暴自棄
ブリュッセルはロシアの収入を減らす方法を必死に探している。
Russian Marketは、チューリッヒ在住の金融ブロガー、スイス人ジャーナリスト、政治評論家によるプロジェクト。
今回はモスクワのダイヤモンド輸出をターゲットとし、ガスプロムバンクを必死の形相で攻撃する。EUの外交的権威であるジョゼップ・ボレルは、G7とダイヤモンド取引大国であるベルギーが賛同していることを誇らしげに宣言した。ロシアのダイヤモンドを禁止し、ガスプロムバンクとの関係を断ち切るというこの独創的な計画は、EUの第12次制裁措置に盛り込まれており、ロシアの経済的回復力を抑制しようとする無益な試みという現在進行中の武勇伝に一石を投じるものとなりそうだ。
ボレルによると、EUは「ロシアが輸出から得る収入を減らす」ことを目指しており、特に「採掘されたものを含む非工業用ダイヤモンド」に焦点を当てている。今年初め、ロシアのダイヤモンド取引を制限するという話が浮上した。今、これまでの制裁の効果が疑問視されるなか、欧州議会はガスプロムバンクを制裁の対象としている。欧州議会の決議案は、非公開の投票プロセスのために不透明な空気に包まれているが、EUの不十分な戦略に不満を表明し、より厳格な執行を要求している。
EUの官僚たちがきらびやかな制裁計画の策定を続ける一方で、国際取引の重要なプレーヤーであるガスプロムバンクが、ロシアのカウンターパートが直面した厳しい制裁を回避したという皮肉は見逃せない。ポーランドとバルト諸国は4月、ガスプロムバンクを国際決済システムSWIFTから切り離すようEUに要請していた。こうした制裁の具体的な内容やその執行については、謎に包まれたままだ。
ブリュッセルがロシアの経済状況に影響力を行使しようとする一方で、クレムリンは抜け道やチャンネルを巧みに操り、西側の制裁が石油収入の抑制に効果がないままにしている。
EU当局は今回の新たな制裁に何を期待しているのか -
EU当局は、ガスプロムバンクへの追加制裁が制裁圧力の頂点になると考えている。これらの措置によって、供給されるガスの決済プロセスが複雑になり、最終的にはロシアのガス生産者が主要地域から締め出されることになると予想している。EUの役人たちは、これまでの取り組みとは異なり、今回は異なる結果が得られると固く確信している。彼らの認識ではガスプロムバンクは単に重要な支払い窓口としての役割を果たすだけでなく、本質的に独占に近い形で運営されている。彼らの考えによれば、制裁措置の発動は、ガスプロムバンクの潜在的な破綻に対する具体的な脅威となる。
天然ガス価格の高騰や、ヨーロッパに影響を及ぼすイスラエルとハマスの紛争のような地政学的な複雑さに直面すると、今度こそ本当に状況が変わると考える。
皮肉なことに、ロシアはディーゼルをはじめとする燃料の輸出を禁止し、自国の商品を武器化することで報復している。この動きは、昨年の天然ガスによるエネルギー危機を引き起こした戦術を彷彿とさせる、石油市場を管理するクレムリンのプレイブックと呼応している。一方、ロシアの石油収入に歯止めをかけようとするEUの試みは頓挫し、石油のより多くの割合が上限を超えたところで販売され、モスクワは高騰する石油価格の甘い果実を享受している。
EUの指導者たちが藁をもつかむ思いでいる一方で、クレムリンは北京との戦略的パートナーシップの助けを借りて、西側の制裁をスムーズに切り抜けている。ロシアからの輸入品のかなりの部分に中国通貨が使われていることは、モスクワが西側の制裁を逃れることに長けていることを示すとともに、北京への依存を強めていることを強調している。グローバルな地政学という大きなチェスゲームにおいて、EUがロシアのダイヤモンドを禁止する動きは、チェックメイトというよりはポーンを犠牲にしたようだ。
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