アークティックLNG-2に米国が制裁
https://sputniknews.jp/20231112/lng-2-17651115.html
ロシア北極圏プロジェクト「アークティックLNG-2」に米国が制裁 マスコミはエネルギー市場の混乱を懸念 日本への影響は?
2023年11月12日, 21:00 (更新: 2023年11月12日, 21:03)
11月2日、米財務省はロシアの北極圏での「アークティックLNG-2」プロジェクトを制裁リストに追加した。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)はこれについて、LNG輸出でロシアが主要国とならぬよう阻止を狙う米政府の意向とみて、国際エネルギー市場に混乱を招くと懸念を表している。
FTは制裁を、米国は「ロシアのLNG輸出能力を初めて直接的な標的にした。国際エネルギー市場は震撼しかねない」と書いた。
米コンサルティング会社Energy AspectsはFTに対し、米国の制裁でエネルギー市場は縮小すると憂慮しており、米コロンビア大学のガス専門家アン=ソフィー・コーボ氏も、プロジェクトの輸出開始が計画の2024年に開始できなければ、市場の緊張は「長期にわたる」と語っている。
「アークティックLNG-2」を主導する露ガス大手「ノバテク」のレオニード・ミケルソンCEOはスプートニクに、 プロジェクトの日本へのガス供給見込みは年間200万トン超は固いと語っている。日本は三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との共同出資会社を通じ、プロジェクトの権益の1割を保有する。
日露関係が悪化しても、ロシアのエネルギープロジェクトに参画し続ける重要性は日本には大きい。経済産業省が6月30日に発表の「ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置」では、日本は「建築及びエンジニアリング分野のサービス提供禁止措置」を実施しても、「サハリン1」「サハリン2」「アークティックLNG2」は、自国のエネルギー安全保障のため特に必要として、措置の対象外となっている。
ポスト石油戦略研究所の大場紀章代表は「アークティックLNG2」について、以前スプートニクに対し、「日露で進めてきた非常に大きなプロジェクト。施工も日本のプラントメーカーだ。日本がここから撤退するのは、むしろ日本にとって大きな痛手になる」と述べていた。
【関連記事】
https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2023/1247738_13866.html
ロシア・アークティックLNG 2プロジェクトに関するお知らせ
2023年11月3日
三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「当社」)は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下「JOGMEC」)と共同出資するオランダ法人Japan Arctic LNG B.V.(JOGMEC 75%、三井物産25%出資、以下「J-Arc」)を通じて、ロシアのアークティックLNG2プロジェクト事業会社であるロシア法人Arctic LNG 2 LLC(以下「Arctic2社」)に参画しています。
11月2日(米国時間)に米国財務省外国資産管理局より、Arctic2社がSDN(経済制裁対象者)に指定されたことが発表されました。Arctic2社が米国制裁の対象となったことによる影響については今後精査の上、持分権者間協定書を始めとする諸契約に基づくJ-Arc及び当社の権利・義務を踏まえ、必要な措置を適切に講じてまいります。また、当社は国際社会が取る制裁措置を含めた法令を遵守し、日本政府を含むステークホルダーと連携しながら適切に対応していく方針です。
現時点において、2024年3月期業績見通し、及び今後の株主還元方針は2023年10月31日の2024年3月期第2四半期決算公表にてお知らせしたものから変更ありません。
なお、当社の2023年9月末におけるロシアLNG事業におけるエクスポージャーは以下の通りですが、アークティックLNG2プロジェクトに関連する投資・融資の残高は172億円、保証の残高は2,517億円です。また、保証の残高に対する引当金を199億円計上しており、引当金を控除した投融資保証のネット残高は2,490億円となります。本エクスポージャーは、特定のJ-Arc債務に対する保証について当社持分を上回る100%の数値で集計しており、また、保険の求償を控除する前の金額です。
<ご参考>ロシアLNG事業におけるエクスポージャー(2023年9月末)
投資・融資 1,409億円(うち、サハリン㈼投資 1,237億円)
保証 2,517億円
投融資保証*1*2 3,926億円
債務保証引当 ▲199億円
ネット残高 3,727億円
*1 投融資保証は、債務保証引当をネットしないグロス金額
*2 アークティックLNG 2プロジェクトに係る保険の求償、及び第三者との取り決めに基づき回収できる可能性のある金額を控除する前のグロス金額
【関連記事】
https://jp.reuters.com/world/ukraine/6AA6RMYF35PQLNJJ2WBV5V2T4E-2023-09-16/
米が対ロ追加制裁、北極圏LNG開発の関連企業も対象 日本勢が参画
竹本能文、Ekaterina Golubkova
2023年9月16日午後 11:09 GMT+92ヶ月前更新
[16日 ロイター] - 米政府が14日発表した対ロシア追加制裁に、北極圏の液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティック2」に関わる同国企業が新たに含まれた。同プロジェクトには日本企業も出資しており、影響が及ぶ可能性がある。
追加制裁対象は計150以上の個人や企業で、ロシア軍艦艇の整備を請け負う企業や自動車メーカー、軍民両用品の対ロ輸入を支援するトルコ企業5社などが含まれる。
将来的にロシアにエネルギー収入をもたらすとして、北極海のLNGプロジェクト「アークティック2」の建設やLNG運搬などに関わる企業も制裁対象に列挙した。
アークティック2は日本の三井物産(8031.T)や独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が権益を持ち、最終的に年間200万トンの供給を受ける見込み。米政府の制裁は出資者を対象にしていないが、日本政府関係者は「影響が出るかもしれない」と話す。出荷開始時期も遅れる可能性があるとみている。
プロジェクトを主導するロシアの天然ガス大手ノバテックは、年内に出荷を始めることを計画していた。
三井物産はロイターの問い合わせに対し、「新たな米国追加制裁対象が発表されたことは認識している。制裁措置の順守を前提として、日本政府などの関係者と連携しながら対応していく」と回答した。
JOGMECのコメントは現時点で得られていない。
ロシア政府はかねてから西側諸国の制裁を違法だとし、世界市場におけるロシアの競争力を低下させるためのものだと批判している。
【関連記事】
https://jp.reuters.com/world/us/GYXQ3EB4X5KF3IZGE6WLSLRMNI-2023-11-07/
アークティック2、事業への影響避けられない=米の追加制裁で西村経産相
浦中美穂
2023年11月7日午後 12:12 GMT+97日前更新
[東京 7日 ロイター] - 西村康稔経済産業相は7日の閣議後会見で、米政府が対ロシア追加制裁で北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティックLNG2」を対象としたことを受け、同事業は日本のエネルギー安定供給にとって重要なプロジェクトだとした上で、事業への一定程度の影響は避けられないとの認識を示した。
西村経産相は、関係者と共に影響の詳細な精査をこれから行うとし、「主要7カ国(G7)とも連携して、(エネルギーの)安定供給を損なうことがないように総合的に判断し、適切に対応する」と語った。
米政府が2日に公表したロシアへの追加制裁の対象に、アークティックLNG2の開発、運営、保有に関わる主要事業体が含まれた もっと見る 。同プロジェクトには、日本の三井物産(8031.T)と独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が共同出資(出資比率は25%と75%)する法人を通じ参画している。最終的に年間200万トンの供給を受ける見込み。
三井物産は3日、「影響を精査し、必要な措置を適切に講じる」とのコメントを発表。9月末の引当金控除後の投融資保証の残高は2490億円(25%の持ち分を上回る100%で集計、保険の求償控除前)と開示した。
プロジェクトを主導するロシアの天然ガス大手ノバテク(NVTK.MM)は今年9月、来年初めに出荷を開始する見通しを示していた。
西村経産相はまた、会見の冒頭で、携帯会社ソフトバンク(9434.T)による北海道苫小牧市の大規模データセンターの整備に関して、26年度までに最大300億円を支援することを明らかにした。政府は大規模自然災害に備えるため、東京や大阪に集中しているデータセンターの地方分散を進めてい
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