イエメン攻撃は時間とカネと資源の無駄遣い
https://strategic-culture.su/news/2023/12/22/attacking-yemen-is-a-waste-of-time-money-and-resources/
デクラン・ヘイズ 2023年12月22日
イエメンとその2,000kmに及ぶ紅海沿岸をどうするか?
エリトリア、ジブチ、ソマリアはイエメンと国境を接している。
イエメンのフーシ派が、紅海を航行する船舶のうち、イスラエルと近かろうが遠かろうが何らかの関係がある船舶はすべて、そのミサイル砲台の正当な標的であると決めている。
イスラエルやその他の標的となる船舶をいかにしてバブ・エル・マンデブ海峡を航行させるか。そこから先、エジプトのスエズ運河を航行するために50万ドルから100万ドルの通行料を支払うか。禁輸された石油を移送する灰色船団が自由航行を許されている。ジブチ近郊に海軍基地を持つ中国が、のろまなふりをしている。NATOは、中国、イラン、ロシアを疎外しつつ、フーシ派にどう対処するか。
NATOは知恵を絞ってとっくの昔に外交カードを捨てた。中国ははるかに煽動的なグローバルゲームを展開している。
主要海運会社には独自の利益追求がある。海運大企業は、すべての船舶を護衛して紅海を通過させることをNATOに求めている。NATOは自国の船団を守る義務があり、パナマ、リベリア、マーシャル諸島のような自由登録国の旗を掲げた船(世界の40%)や、灰色の貨物を輸送する船は守らない。多くの非適格船はNATOや、イスラエルのために軍事兵器も運搬している。
NATOがグレイハウンドのトム・ハンクスのように、これらの船舶を紅海に護送したとしても、スエズ運河で攻撃を受けない保証はない。輸送船団はリスク回避のため、アフリカ大陸全体を迂回し、すでに脆弱なサプライチェーンを弱体化させている。船会社はどのように対応するのがベストなのか意見が分かれている。分断された家は立ち行かない。
第2、第3の選択肢は、NATO軍をイエメン沿岸に駐留させ、イエメン人を爆撃することである。
NATOの最高司令部は戦争ゲームを行っていないが、引退したジェームズ・スタブリドリス米副提督(カーライル・グループ)は、問題点を明らかにしている。世界のサプライチェーンへのドミノ効果を指摘している。彼いわく、安価なフーシのドローンの大群に対処するコストは高すぎるが、イエメンの言いなりなるのは絶対にダメだという。
他の選択肢には、商船に適切な武器を持たせることだが、商船が停泊する中立港には受け入れられない。スタブリドリスの解決策は、NATOの元軍事司令官としては意外なことに、イエメンを空爆することである。
フーシ派は機動性があり、イエメン国内だけでなく、隣接する国々に多くの土地を有している。小型だが高度に武装したスピードボート船団を近海に出現させ、いざとなれば大混乱を引き起こす。フーシの蚊を好きなだけ叩いても、ひどく刺されることに変わりはない。
スタブリドリスはそのような事態にも動じない。飽和爆撃がうまくいかなければ、「スポンサーであるイランを攻撃する。北インド洋と湾岸にある海洋インフラだ。石油・ガスプラットフォーム、港湾施設、イスラム革命防衛隊の巡視船などが含まれる。」
もし問題が一本の釘だけであり、一度にひとつの無防備な集団だけを打ちのめすなら、この対処は理にかなっている。
フーシ派は、世界の補給線が簡単に遮断されることを示した。スタブリディスはともかく、NATOと商船隊はもはや、フーシ派ですら蹂躙することはできない。ロシアや、アジア海域に関しては、3万3千隻の船舶を持つ約5万5千人の自発的な部隊からなる海上民兵に一役買っている中国がある。
ジブチには、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、アメリカ、イギリス、中国、サウジアラビアの軍事基地があり、ロシアとインドも進出を熱望している。ジブチはこれらの基地の賃貸料に依存している。ジブチの国家債務が増大しており、外交的影響力がない。ジブチをドバイにすると約束した中国への負債が増加している。ジブチはブラックボックスである。フーシのピンハネをはるかに超えた、軍事基地誘致競争から生じた危険である。
NATOはアカバ湾からガザを経由して地中海にベングリオン運河を建設する計画を立てている。フーシ派が鼻を高くすることは間違いない。
サイクス・ピコ協定とバルフォア宣言は、フーシ派をはじめ多くの人々の鼻息を荒くしている。NATOは、フーシ派が進出しているスエズ湾、アカバ湾など西アジアの隘路だけでなく、もっと遠くマラッカ海峡や台湾海峡まで、このゲームを最後までやり通す覚悟がある。スタブリドリス米副提督は、トマホーク・ミサイル、米海兵隊、フランス空挺部隊を中心とした解決策を持っているに違いないが、紅海でNATOが冒険すれば、それはNATOが自らの棺桶に打ち込んでいる釘のひとつとなる。
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