アメリカは帝国的野心を満たすだけの兵力を確保できない
https://www.rt.com/news/590333-us-troops-imperial-ambitions/
2024年 1月 9日 14:49
米軍は採用数の減少に直面 世界支配にはあまりに手薄
ロバート・ブリッジ
ロバート・ブリッジはアメリカの作家、ジャーナリスト。著書に『Midnight in the American Empire, How Corporations and Their Political Servants are Destroying the American Dream』がある。
2024年国防権限法(NDAA)が兵力増強につながるという期待の中、軍上層部は兵力縮小がアメリカの敵にどのようなメッセージを送るかを恐れ、正反対の事態が起きている。
第二次世界大戦前以来、アメリカ軍はこれほど小規模だったことはなく、これほど手薄になったこともない。
米陸軍の人員削減は深刻だ。3年間で4万人(8.4%)以上減少した。わずか44万5000人の現役兵力で満足しなければならない。
海兵隊は2021年度から現役兵を8,900人(4.9%)削減し、空軍は13,475人(4%)の減少。海軍は2.9%減の1万人減。
、2024年度には現役兵の総数は128万4500人に減少する。この3年間で64,000人近く減少。1940年以来、アメリカ軍の総兵力は最小となる。アメリカの敵対国であるロシアと中国の現役兵力は、それぞれ115万人と235万人である。
兵力の急激な低下は、どの国にとっても大きな課題であり、帝国主義の野心を持つ国にとってはなおさらである。徴兵の問題は、資金不足が原因ではない。先月可決された国防政策法案では、国防計画に8860億ドルという途方もない予算が計上された。
資金が約束されているにもかかわらず、当面の徴兵見通しは暗く、議員や軍の指導者たちは、不法移民を応急的な解決策として認めるという考えである。
先月、民主党のディック・ダービン上院議員は、「陸軍、海軍、空軍の募集人数をご存知ですか?我が軍に十分な人数が確保できない。この国のために命を賭して奉仕するチャンスを求める不法入国者がいる。彼らにチャンスを与えるべきか?そうすべきだ。」
民主党の問題に対する解決策は、そもそもアメリカ国内のリクルートプールに何が起こったのかという疑問を都合よく無視している。以前と比べて、なぜこれほど多くの若者が職業軍人の生活を敬遠するようになったのか?米軍への信頼が過去20年間で最低レベルにまで急落したことと関係があるのか?若い男女は、米軍の本領は攻撃してくる敵から「祖国を守る」ことではなく、帝国主義的な考え方で地球全体を支配することだという結論に至ったのか?
アメリカの若者の心身の健康についても疑問がある。彼らは、肥満、薬物使用、精神衛生上の問題で憂慮すべき割合で悩まされている。これらの問題は、社会構造全体が崩壊しつつあるアメリカの徴候である。
地政学アナリストで元海兵隊員のブライアン・ベレティックは、「問題はアメリカ社会にある。家族の価値観、労働倫理、社会的結束が崩壊した。職業教育を含むアメリカの教育制度が崩壊した。経済活動や軍事活動に適した候補者が不足している。"」
ワシントンが軍事フランチャイズの世界帝国(アメリカは世界80カ国に約750の軍事基地を有している)の一部を閉鎖し、崩壊しつつある国内都市の再生や国民の教育のための追加資金を確保する方が、誰にとってもはるかに有益に思える。どんな軍隊も機械だけでは運営できない。意思決定プロセスには、健康で十分な教育を受けた専門家が必要だ。
予想に反して軍事組織の最高レベルにまで浸透しているヲタク精神を指摘する人もいる。ディズニーやバドワイザーの収益にヲタク性が悲惨な影響を与えたように、同じ理由で人々が軍人のキャリアを敬遠していると言っても、想像の域を出ない。
公立学校が子供たちに国を憎むように教えている今、これは愛国心の問題だ。若者たちが祖国を守るために、快適なライフスタイルを犠牲にするか?インスタグラム、TikTok、フェイスブックの自己中心的な世界をざっとスクロールしてみると、国民の関心がどこに向けられているかがわかるが、希望を抱かせるものではない。
ワシントンが外交政策をより防衛的な姿勢に見直せば、米国と世界はより安全な場所になる。軍隊の一部を帰国させれば、世界の気温を下げることができる。ロシアや中国、あるいはその両方との世界的な衝突の可能性が高まっている今、軍事的冒険主義に歯止めをかける孤立主義外交政策に必要な兵力を提供することができる。そうではなく、アメリカは常に軍国主義的な帝国主義を選択し、過去の帝国と同じように、最終的な破滅を招く。
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