2024年6月20日木曜日

プーチン大統領の北朝鮮訪問、米国の影響地域パラダイムに挑戦

https://sputnikglobe.com/20240619/putins-north-korea-visit-directly-challenges-us-regional-clout-1119025861.html

6月19日に平壌で行われたプーチン大統領と金正恩委員長の会談の結果は、アジア太平洋地域全体にとって最も政治的に重要であると専門家はスプートニクに語った。

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩委員長は、あらゆる分野における今後の二国間協力のロードマップとなる包括的戦略的パートナーシップ協定に署名した。

包括的パートナーシップに関する文書では、参加国の一方が侵略された場合の相互軍事援助などが規定されていると、プーチンは水曜日の金委員長との会談後に記者団に語った。

ロシアの指導者はまた、武器禁輸を含む国連安全保障理事会(UNSC)が北朝鮮に課している「無期限の制限体制」を「アメリカが画策したもの」と非難し、その見直しを求めた。プーチンと金委員長の交渉は、6月18日から19日にかけて行われたロシア大統領の北朝鮮訪問の一環として行われた。

地域パラダイムの本格的シフト

ウラジオストクにある極東連邦大学のアルチョム・ルキン教授(国際政治学)がスプートニクに語ったところによると、ロシアと北朝鮮の包括的パートナーシップ協定には、軍事援助に関する条項があり、両者の同盟関係が規定されている。

「朝鮮半島(と北東アジア全体)におけるパラダイムの完全な変化だ。現在、この地域で本格的な軍事・政治同盟を結んでいるのは、日本や韓国を含めてアメリカだけである。

ロシアが北朝鮮と包括的戦略的パートナーシップ協定を結んだことは、朝鮮半島でまったく異なる状況が形成され、北東アジアにロシア(・北朝鮮)軍事同盟が出現した。」とルキンは言う。

「ロシアと北朝鮮の同盟は、北東アジアにおけるアメリカの軍事的・政治的覇権に直接的な挑戦を突きつけている。」とアナリストは指摘する。

国連安保理の反北朝鮮制裁について、ルキンは「確かに、これらの制裁がモスクワと平壌の協力関係を妨げるのを防ぐ方法はある」と強調した。

インド太平洋地域の国際関係を専門とする政治学者、ビクター・テオ博士はスプートニクの取材に対し、プーチン大統領が国連による北朝鮮制裁の見直しを提案したことについて、「今回の合意に照らせば、理解できる」と述べた。

「問題は、この修正案がおそらく他の(国連安保理)加盟国(そのうちのひとつはアメリカ)の批准を必要とするため、言うは易く行うは難しい。」とこの識者は語った。。

彼は、プーチンと金正恩が協定に署名したことについて、「ヨーロッパの安全保障を、形式的な意味でアジアの安全保障とより緊密に結びつけた、政治的・戦略的に重要な進展だ」と述べた。

「ロシアがNATO諸国と紛争になった場合、北朝鮮はロシアを助ける義務がる。北朝鮮がアメリカや韓国と紛争になった場合、ロシアは平壌を助ける義務があるのと同じだ。」とテオは指摘した。

プーチンの北朝鮮訪問は制裁の非効率性を反映している

オーストラリアのカーティン大学グローバル・フューチャー学部長で政治学者のジョー・シラクサ教授は、プーチン大統領の北朝鮮訪問の政治的意味に注目した。スプートニクとのインタビューで、シラクサ教授は、ロシア大統領は「アメリカや他の国々に、自国が(西側の)制裁やその他によって孤立していないことを伝えた。」と語った。

「プーチンは制裁が効かないことを示している。プーチンは別の世界が存在することを世界に示す。ワシントンやロンドンで決定されるルールベースのシステムではなく、権力の回廊を越えて有機的に発展するルールベースのシステムがある。そういう意味では、非常に健全な成果だ。」とシラクサは語った。

政治学者によれば、プーチンの今回の訪問は「国家の通常業務」という。

「北朝鮮とは共通の国境がある。1945年に朝鮮を解放し、韓国との内戦で北朝鮮を支援したのはロシア軍だった。ロシアは北朝鮮と経済的、安全保障的に長い関係がある。それが普通だ。」とシラクサは強調した。

プーチンがレッドカーペットの待遇を受けたこと、そして金委員長が機内まで会いに来たことを指摘した。

このアナリストは、ロシアと北朝鮮が西側に脅威を与える悪者であるというアメリカの政治・外交エリートたちの主張を、「絶対に間違っている」と否定した。

「ワシントンで行われているプロパガンダの一種で、主流メディアはアメリカの政治エリートのためにギリシャの合唱団のような役割を果たしている」とシラクサは締めくくった。

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