2024年10月15日火曜日

其の逝く処を知らず【考察】

選挙だ。

公明党支持者なら特定しやすい。創価学会員なら公明党支持者で、たいていポスターを掲げている。しかし、共産党のポスターを掲げている家が共産党員とは限らない。共産党員になるのは、ハードルが高い。
同じように、自民党のポスターを掲げているからといって、自民党員とか自民党支持者とはかぎらない。今までの人生で、自民党支持者に会ったためしがない。自民党員とか自民党友がカミングアウトしないのは、自民党を恥じているのか。
今回の選挙結果はちょっと楽しみだ。
安倍晋三が殺されて、里見甫が岸信介に託した阿片マネーが流れなくなった。仕方がないので、パーティー券を売って政治資金をつくり、それを流していたら不正が発覚した。カネが流れなくなったら、自民党員や党友の半分くらいは惰性でそのまんまとして、あとの半分くらいは政策を検討しはじめる。だから石破さんが選ばれた。政策を語れる唯一の人材だ。
極東版NATOというだけあって、対米追従でもなさそうだ。カネが流れなくなってはじめて愛国心にめざめた自民党員や党友が支持するかもしれない。

周囲に自民党員とか自民党友がいない。だからこれは我輩の想像に過ぎない。

カネが流れなくなってようやく愛国心に目覚めた党員党友なら、政策にあれこれ口を出すかもしれない。ウクライナでロシアにぼこぼこにされた高価なアメリカ製兵器、イスラエルでスカスカなのがイランによって証明された高価なアイアンドーム(コンポーネントはアメリカ製)など、役に立ちそうにない兵器をいつまで買わされ続けるのか。極東版NATOというなら、ラクジャリーだけど無能なアメリカ製兵器に税金を使うのではなく、自衛隊の待遇をもっとマシにしようぜとか、そういう話になる。楽しみだ。

愛国心というのは、靖国神社に行ってこれ見よがしに玉串を奉納したり、NHKに拉致被害者のことを報道させてお茶を濁すのとは違う。

現代の軍隊は、戦車と砲兵に守られた歩兵がごりごり陣地取りをするような戦争に向いていない。それをできるのはロシア軍だけだ。人民解放軍ですらできないかもしれない。

中村哲さんが書いていたように、アフガニスタンのアメリカ軍はふだん基地に引きこもっていて、たまにジェット機で出かけて爆撃する。マイケル・ハドソン先生が書いているように、いまの戦争は、爆撃するかテロを起こすしかない。いずれにせよ一般人を殺害し、恐怖を与え、政権を転覆することが目的だ。さもなくば核戦争しかない。誰も怖くてできない。

沖縄で20万人、広島で14万人、長崎で7万人。有色人種なら50万人くらい殺してもオッケーと考えている。これが白人となると、その1/20。カート・ヴォネガットが描写したドレスデン大空襲の犠牲者は多めに見積もって2万5000人。これで大騒ぎ。
アメリカは「有色人種ならだいたい50万人くらいまで殺しても大丈夫」と、間違えた刷り込みを自分たちにした。政権を転覆したら、あとは食料を与え、金融制度をハイジャックし、プロパガンダで洗脳すればよろしい。これも間違えた刷り込みだが、日本では成功した。
同じ手法をベトナムに適応して失敗したが、学ばなかった。中国に1000年間支配され我慢したベトナム人が、そう簡単に洗脳されるわけはない。イラクとリビアでは政権転覆に成功したが、あとに混乱が残された。アフガニスタンでも失敗したが、懲りなかった。イスラエルではプロパガンダが大失敗。

そもそも、人口が圧倒的に多い国に陣地取りで勝つことはできない。有色人種なら50万人、白人種なら2万人くらいの一般人民を殺して恐怖を与え、政権転覆するしかない。
しかしこの手法は、日本にのみ通用したのであって、ロシアにも、イランにも、中国にも通用しそうにない。アメリカがウクライナを使ってやろうとしたこと、イスラエルをつかってやろうとしたこと、これらは「日本が間違えた成功体験をアメリカに植え付けた」と仮定するしか、合理的に解釈することができない。

バッドな成功体験。これは日本が冷めてから供する最高の復讐かもしれない。

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