ラリー・C・ジョンソン:モスクワは扉を閉ざした──プーチンとラブロフが十日でロシアのウクライナ方針をどない硬化させたか
2026年9月28日
9月半ばの時点では、クレムリンは「交渉は再開できるで」ちゅうサインを出しとったんや。プーチンは、米国とウクライナを交えた三者協議は国家院(ドゥーマ)選挙の前にはまずありえへんけど、選挙が終わったら接触を再開する用意はある、と言うとった。選挙は9月20日に終わった。ところが一週間もせんうちに、プーチンもラブロフも「条件つきの前向きな姿勢」から、今年のどの時点よりも和平による戦争終結を難しゅうする立場へと切り替わったんや。
きっかけ:9月20日
転換点になったんは、選挙当日のウクライナのドローン作戦や。プーチンによると、その夜、1,600機を超えるドローンがモスクワ周辺に入り込んで、投票所も狙われたそうや。学校にあった投票所の一つは、ほぼ壊滅したと言うとる。地区選挙管理委員会の委員長は、自宅が直撃されて亡くなった。モスクワ市長のセルゲイ・ソビャーニンは、前例のない攻撃やと言うた。RTによれば、郊外で民間人2人が死亡して、製油所も損傷を受けたそうや。ロシア側の被害の説明をどない受け取るにしても、モスクワでの政治的な影響がはっきりしとったんは間違いないで。
プーチン:「選挙後に再開する用意」から「二度考える」へ
9月25日、サンクトペテルブルクでの記者会見で、プーチンは交渉の流れ全体を描き直したんや。ウクライナ側のエスカレーションをずらっと並べてな。6月の経済フォーラム中に起きたサンクトペテルブルク港への攻撃、ロシアの製油所への攻撃作戦、ロシアの黒海沿岸を封鎖しようとした試み(100隻以上の船が被害を受けたと彼は言うとる)、それに商業倉庫への攻撃や。ロシアはそのたびに応じてきて、それが効きすぎたもんやから、キーウはいまエネルギー分野と空の部分停戦を求めとるんや、と言うたわけや。
プーチンは、そういう要請を突破口とは見てへん。ロシアの圧力が効いとる証拠やと受け取ったんや。キーウに伝えたかったんは、どんな挑発やエスカレーションをしても望むもんは手に入らんし、自分で自分の首を絞めとるだけや、ちゅうことやな。ほんで肝心のくだりが出てくる。ロシアの提案は今もテーブルの上にあるけど、ウクライナがこれまでやってきたことを踏まえたら、どう対応するかロシアは「二度考える」、と言うたんや。交渉を再開するかどうかも含めて、どんな決定もロシアの利益に基づいてなされる、ちゅうこっちゃ。
十日前とはえらい違いやで。プーチンは協議への扉を閉めたわけやないけど、「選挙が終わったら再開する」ちゅう暗黙のコミットメントは外してしもた。ほんで再開するかどうかを、ロシア自身が「何が得られるか」をどない見積もるか次第にしたんや。
ラブロフ、安保理で:「いかなる形式でも」停止はせえへん
ラブロフは9月23日、ニューヨークでその立場をはっきり口にした。ウクライナに関する安保理の会合で、彼はこう言うた。「苦い経験から学んだ以上、われわれは交渉期間中であっても、いかなる形式でも特別軍事作戦を停止することはない」。欧州諸国が停止を求めとるんは、ウクライナの底をついた兵器の備蓄を補充する時間を稼ぎたいからや、とも言うた。合意前の停戦なんかまじめな話やない、と切り捨てて、目指すべきは長期的な解決なんや、と言い張ったんや。
このタイミングは、まさに真正面からの拒絶やった。同じ日に、ウクライナと支持国51か国が声明を出して、ロシアに即時・無条件の停戦を受け入れて、協議を始められるようにせえ、と求めとったんや。署名した中には、EUとその加盟国、英国、カナダ、オーストラリアも入っとる。ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、安保理15か国のうち14か国が、何らかの形で停戦案を支持しとって、ロシアだけが孤立しとる、と指摘した。
ラブロフは停戦の仕組みの話だけでは済まさへんかった。欧州が「いらんことをしでかさへんかったら」、ウクライナは1991年の国境を保てたはずや、と言うたんや。つまり、ウクライナが失った領土は永久に戻らんもんとして、その責任は欧州にある、ちゅう枠組みにしとるわけや。前線をどこに引くかで交渉しようとしとる政府の言葉遣いやないで。
ラブロフ、総会で:欧州こそ敵
9月26日の国連総会での演説では、ラブロフは欧州を中心的な脅威に据えた。EUはロシアとの戦争に向けて軍事化を進めとって、それだけの規模の増強は、いずれ紛争につながりかねん、と言うた。ドイツが軍事的な優位を追い求めとるんは、「第四帝国」をつくろうとしとるようにも見える、とまでほのめかしたんや。その後の記者会見では、欧州の軍備増強はいつか使われるはずや、「われわれは攻撃するつもりはないんやからな」、と主張した。ほんで欧州の戦争準備は「自己成就的予言」になりかねん、とも言うたんや。
その結果、欧州は交渉相手から外された形になる。ラブロフが欧州に突きつけたんは、戦争の準備をしとるんはあんたらのほうや、停戦を求めるんはウクライナに再武装させるための手口や、ウクライナの1991年国境での解決の可能性をぶち壊したんもあんたらや、ちゅうことや。いまのモスクワは、正当な交渉相手は米国だけやと見とるんやな。
米国ルートですら何も出てこんかった
ニューヨークでラブロフと会談したあと、マルコ・ルビオ国務長官は、ロシアもウクライナも、エネルギーインフラと穀物輸送に限った停戦に関心を示しとる、と言うた。ただ、合意は簡単にはいかんやろ、とも認めたんや。ロシア外務省は合意なんか確認せえへんかったし、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、和平プロセスに進む条件は今のところ整ってへん、けどロシアは協議には開かれたままや、と言うた。
プーチン自身の米国関係の評価も冷ややかやった。ワシントンで行われたトランプ・習近平会談は歓迎したけど、ロシアと米国の関係はほぼゼロまで落ち込んどる、と言うて、それを中国との年間2,400億ドルの貿易と対比させたんや。
海でも空でも地上でも圧力
外交が硬うなったんと並行して、軍事的な圧力も三つの戦線で同時に高まっとる。モスクワは交渉を待ってへん。その合間を使って、ロシアの条件を拒むウクライナ側のコストを引き上げとるんや。
海では、ロシアはウクライナの黒海の港に対して、事実上の封鎖をまた敷いた。2022年のときみたいに軍艦をウクライナの沿岸に戻したわけやなくて、ミサイルとドローンで港と商船を叩いとるんや。7月半ばの攻撃、ばら積み貨物船ゴールデン・レオの撃沈もあって、船主も保険会社も手を引いた。ほんでオデーサ、チョルノモルシク、ピヴデンニーの港を通る船が激減したんや。9月12日には、ロシアは巡航ミサイル、弾道ミサイル、ドローン129機でオデーサ州を攻撃して、チョルノモルシクで貨物船2隻を叩いた、武器を運んどったからや、と主張しとる。ウクライナの外相代行は、モスクワが黒海を「第二のホルムズ海峡」にしようとしとる、と非難した。サンクトペテルブルクでは、プーチンはキーウが求めとる譲歩の一つとして封鎖の解除を挙げて、それを認めるのを急ぐ気はない、とはっきり示したんや。
空では、ロシアはキーウをはじめ大都市への攻撃を強めとる。狙いは、交通、生産、電力、水道、通信や。ラブロフが安保理で演説した9月23日には、キーウに数時間ドローン攻撃が続いて、鉄道インフラ、倉庫、ガソリンスタンドが被害を受けた。少なくとも2人が死んで、30人以上が負傷したんや。ゼレンスキーは、ロシアが大量のドローンを使って、その中にはもっと速いジェット推進型も含まれとった、と言うとる。電力、水道、インターネットの網も攻撃を受けて、キーウ左岸では水道が一部止まった。9月の初めには、ロシアはキーウと南部・東部のウクライナを、6夜連続で攻撃しとる。冬が近づいて、送電網はそれだけで一つの戦線になりつつあるんや。ゼレンスキーは国連でトランプにエネルギーインフラの停戦を持ちかけたけど、モスクワは受け入れてへん。
地上では、ロシア軍が接触線の全域で攻撃をかけとって、ロシアが前進する一方で、ウクライナは土地を譲っとる状況や。ウクライナ自身の参謀本部は、9月24日に277件の戦闘があったと報告しとる。ドネツク州北部のスロヴャンスクとクラマトルスクの方面から、南のフリャイポレまで広がっとって、いちばん激しい攻撃はコスチャンティニウカとポクロウスク周辺や。ロシア軍は9月14日にハルキウ州のシロコエとシェフチェンコヴォ、ザポリージャ州のノヴォアンドレエフカを取って、翌日には包囲網の中にあるハルキウ州のオルホヴァトカも取った。外交が止まっとる日は、そのぶんこの圧力がかかり続ける一日になるわけやで。
結局どういうことか
この十日間の発言を合わせて見ると、ロシアの立場がより硬うなったんが浮かび上がってくる。
協議が再開されるんは、モスクワの都合と、自分の利益をどない判断するかしだいや。選挙後のフォローアップとして約束されたもんやなくなった。
交渉中は、いかなる種類の停戦もせえへん。50か国以上が支持する無条件停戦も含めてや。
ウクライナが部分的な停戦を求めてくるんは、ロシアの圧力が効いとる証拠として扱われとって、突破口とは見られてへん。
欧州は侵略者として描かれて、パートナーから外されて、ウクライナが領土を失った責任まで負わされとる。
軍事的な圧力は全方面で上がっとる。ウクライナの港の事実上の封鎖、キーウのインフラへの攻撃強化、ほんで前線全体への攻勢や。
方向ははっきりしとるで。9月半ばのモスクワは、交渉がいつ再開されるかを語っとった。ところが9月26日になると、そもそも交渉を望むんかどうか、ほんで望むならどんな条件でか、を語っとるんや。


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