ラリー・C・ジョンソン:2026年09月25日 ペイプ教授の「罠」理論ほか合計3題
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ペイプ教授の「罠」理論は、ロシアが最初から計画してへん戦争の上に建っとる
2026年9月24日 ラリー・C・ジョンソン
ネイキッド・キャピタリズムのイヴ・スミスはんに感謝せなあかんな。マリオ・ナウファルとのインタビューで、ロバート・ペイプ教授が最近しゃべった話を教えてくれはった。そのインタビューでペイプは、ウラジーミル・プーチンが「エスカレーションの罠」にはまっとるゆうて主張しとる。彼の言い分やと、ロシアは2022年2月に予防戦争を仕掛けて、キーウとウクライナの約60%を奪おうとしたんやと。その計画が崩れて、次に「NATOがそのうち割れるやろ」ゆう賭けに出たけど、それが逆にモスクワが一番恐れとったヨーロッパの対抗連合を生み出しとるんやと。まあ、ようできた理論や。せやけどこれ、ロシアの意図についての前提の上に成り立っとって、その記録がその前提を裏付けてへんのや。その前提が崩れたら、罠の話自体も崩れるんやで。
戦力を見たら目的が分かる
まず算数から始めよか。どんな作戦計画者でもまず最初にやることや。ロシアは分離主義勢力も含めて約15万から19万の兵力で侵攻したんや。敵対的な人口を占領するときの目安は、ジェームズ・クインリヴァンのRANDの研究によると、住民千人あたり兵士20人や。4千万人以上おる国やったら、たとえ領土の60%だけ占領するにしても、数十万の兵力が要る。ロシアが送った兵力の何倍もな。モスクワの参謀本部がこの計算をでけへんわけないやろ。あの規模の戦力は、占領軍やのうて強制のための道具なんや。
作戦のパターンもこの「強制」説に合うとる。ロシア軍は北からキーウに接近したけど、人口300万の都市を強襲したり包囲したりは一回もしてへん。圧力の狙いは政府であって、首都を一区画ずつ制圧することやなかった。交渉は数日のうちに始まって、2月28日にベラルーシで、そんで3月にイスタンブールに移っとる。ペイプ支持派は、ホストメリ空港への空挺強襲を「首都を奪う計画やった証拠や」ゆうて持ち出すけど、空港への急襲コマンドが失敗したいうだけで、国の60%を占領する意図があった証拠にはならへんで。
イスタンブール:目的は達成されとった
ペイプに対する一番強い反証は、その強制が実際に効いたゆうことや。2022年3月末までに、ベラルーシとトルコでの会談、それにビデオ会議を重ねて、イスタンブール・コミュニケゆう和解の枠組みができとった。ウクライナは、アメリカやその同盟国、それにロシアも保証国として加わる安全保障の見返りに、永世中立を受け入れたんや。ロシア側も、クリミア問題を外交で解決するプロセスに合意しとる。
これがモスクワの望んでた核心やったし、ウクライナ側もそれを認めとる。ウクライナ代表団を率いとったダヴィド・アラハミア氏は、後になって、もしウクライナがフィンランド式の中立を受け入れてNATOに入らんと約束したら、ロシアは戦争を終わらせる用意があったと言うとる。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相も、わし自身とナポリターノ判事、それにマリオ・ナウファルに直接、この会談で暫定合意ができたこと、その条件はモスクワが押し付けたんやのうてウクライナ代表団の方から持ち出してきたもんやったことを認めとった。
善意の印として、モスクワはキーウ北部から軍を撤退させとる。西側のコメンテーターはこれを戦場での失敗による退却やと扱うけど、圧力がすでに目的を果たしたゆう主張とも、少なくとも同じくらい整合するんちゃうか。
合意はどう死んだんか
そんで政治状況が変わったんや。ボリス・ジョンソンが2022年4月9日に予告なしにキーウに現れて、アラハミアによると、ウクライナ側に「ロシアとは何も署名すな、とにかく戦い続けろ」ゆうて伝えたんやと。その2日前には、ラブロフがすでに、ウクライナの新しい草案が3月29日のイスタンブールで合意した重要条項から大きく逸脱しとる、ゆうて公に不満を漏らしとった。ワシントンとロンドンは、ロシアは思とったより弱いから、じわじわ削っていけるやろって判断したんや。それでウクライナは離脱した。
ここがペイプの枠組みが呑み込めへんポイントや。もしロシアの目標が交渉によって得られる中立ウクライナやったんやったら、この戦争がずっと続いとるんはモスクワの計画が失敗したからやない。ロシアの敵側がその和解案を拒否したから続いとるんやで。
プランBは無かったけど、素早い転換と新しい軍隊
後から振り返ると、ロシアはウクライナが離脱するケースに備えたプランBを用意してへんかったのは明らかや。それは本物の計画ミスや。せやけどロシア軍は素早く方針転換した。ドンバスとクリミアへの陸橋に集中して、5月のマリウポリ陥落がその段階で最初の大きな成果になっとる。
もっと大きな調整は2022年9月にあった。8月に多数の契約兵が軍を離れて、ハルキウ反攻でロシア軍の戦線がいかに薄いか露呈した後、プーチンは予備役30万人の動員を命令した。それはロシアの対応の始まりであって、終わりやなかった。そこからモスクワは、わしがインタビューしたアプティ・アラウジノフ将軍、エフゲニー・ブジンスキー将軍、アンドレイ・グルレフ将軍、エドゥアルド・バスリン大佐ら、ロシア軍将校らが詳しく語っとった通り、もっと大きな軍隊の構築に取り掛かったんや。
動員の後には持続的な募兵キャンペーンと年次徴兵の拡大が続いた。メドヴェージェフの集計によると、2023年には45万2千人以上が軍契約に署名しとる。2024年もだいたい45万人、2025年には42万2千人以上や。年々、ロシアは少なくとも35万人の新兵を加えとる。プーチンの大統領令も同じ話を語っとって、正規軍の兵力は2022年の約115万人から、2023年12月には132万人に、2024年12月には150万人に増えとる。わしのソースによると、2026年までにロシア軍はその150万人の現役兵力に達したんやと。
これは、短期決戦を見込んどって、罠から抜け出そうと今になって場当たり的に動いとる国のやり口やない。2022年秋に長期戦を戦う決断をして、そのための軍隊を作り上げてきた国のやり口や。
タイムラインが重要な理由
目標は一度も変わってへん。プーチンは2022年2月24日に、ウクライナの「非軍事化」と「非ナチ化」を発表しとる。イスタンブール後に変わったんは手法や。強制から交渉による和解を目指すやり方から、消耗戦へとな。モスクワはこの取り組みに一度も期限をつけたことがない。
ペイプの罠理論は、ロシアが早期勝利を必要としとって、今どんどん悪い選択肢に追い込まれとるゆう前提に依存しとる。期限のない消耗戦略を、2022年以来毎年拡大しとる軍隊が支えとる、これは罠やのうて選択なんや。2022年後半以降のモスクワの勝利理論は、ウクライナの兵力と、それを供給し続ける西側の意志を消耗させることであって、特定の期日までにNATOを割ることやない。4年半経った今も、ロシア軍は前進を続けとって、ウクライナの予備兵力・動員問題は一時的なもんやのうて構造的なもんなんや。
ペイプの答えはヨーロッパの対抗力で、それを支えるEU経済はロシアの約8倍やと彼は言うとる。せやけどその比率は市場為替レートでしか成立せえへんで、それやとロシア経済が実際に生産できるもんを著しく過小評価してしまうんや。購買力平価、つまり生産戦争において本当に意味のある基準で見たら、ロシアは世界第4位の経済規模や。世界銀行の集計で2024年に約6.9兆ドル、中国、アメリカ、インドに次ぐ規模で、日本やドイツより上なんや。ブロックとしてのEUはまだそれより大きいけど、この基準で見たらギャップはペイプの数字の約半分ちゃうか。
GDPはロシアの立場を別の意味でも過小評価しとる。ロシアには、石油、ガス、石炭から金属、肥料まで、ヨーロッパが太刀打ちでけへん資源基盤がある。それに、ヨーロッパが30年放置してきた防衛産業基盤もな。
この戦争の基本通貨とも言える砲弾を見たらそれがようわかるで。ロシアは2022年に122mmと152mm砲弾を推定40万発生産しとった。2025年までにその年間生産量は推定420万発に達しとる。2026年のエストニア情報機関の報告書はさらに踏み込んで、2025年にロシアの工場が砲弾・迫撃砲弾・戦車砲弾・ロケット弾を合わせて約700万発生産したと推定しとる。それに加えて、ロシアは北朝鮮から数百万発を受け取っとる。
ヨーロッパはほぼゼロから始まった。2024年初頭時点で、ラインメタル自身の内部推定によると、西ヨーロッパの製造業者全部合わせても年間約55万発しか生産でけへんかった。NATO自身の評価では、2024年最初の3カ月だけでロシアが生産した弾薬量が、同盟全体の年間生産量と同じくらいやったんや。EUは2025年末までに155mm砲弾の年産200万発達成を公約しとるけど、これは目標であって実証済みの生産量やない。2026年に月間約10万発を目指しとるアメリカの生産量を足しても、同盟側の計画は今年約300万発程度に留まりそうで、それでもロシアの2025年推定生産量より少ないんや。
これがペイプが頼りにしとるバランスの本当の姿や。経済規模がロシアの何倍もあるブロックが、消耗戦を決める唯一の商品において、いまだにロシアに生産で負けとるんや。勢力均衡理論が、いずれヨーロッパが武装するやろゆうんは正しいかもしれん。せやけど、それがウクライナの結果を変えるほど間に合うかどうかについては、なんも言うてへんで。
ロシアはウクライナの大半を占領するには小さすぎる兵力を送り込んで、数日のうちに交渉に入って、5週間で枠組み合意に達しとった。西側がキーウに離脱するよう説得したとき、ロシアは終わりのない消耗戦に切り替えて、4年かけてそれを戦うための軍隊を作った。これは、国の60%を征服する計画が失敗して罠にはまった国やない。まず強制を試みて、それが失敗したら適応して、自分のタイムラインで戦い続けとる国なんや。
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三つの戦争、一枚の請求書:ホルムズ、ウクライナ、制裁が宅配便大手を締め上げて、世界の物価を押し上げとる
2026年9月24日 ラリー・C・ジョンソン
この記事は、今日イスタンブールからロンドンへ向かう飛行機の中でした会話から生まれたもんや。隣の席にパリ経由でロンドンに向かうFedExのパイロットが座っとって、航空燃料の価格とFedExへの影響について聞いてみたら、思とった以上のもんを聞かせてもろた。世界の宅配便大手は、自分らを世界経済のバロメーターやと自称するのが好きやけど、2026年の今は、もう一つ別のことも測っとる。東西を結ぶ主要空路3つのうち2つが実質閉鎖されとる状況で、世界規模の航空ネットワークを運営するのにどれくらいコストがかかるんか、ちゅうことやな。今んとこの答えは、FedExとUPSがそのコストの大部分を顧客に転嫁することで、なんとか乗り切っとるゆうことや。せやけどそのコストは消えてなくならへん。サプライチェーンを下って、今まさに中央銀行が戦っとるインフレ数値の中に入り込んでいっとるんや。
燃料ショック
きっかけはイラン戦争や。国際エネルギー機関(IEA)は、ホルムズ海峡のほぼ全面閉鎖を、世界の石油市場史上最大の供給混乱やと表現しとる。ブレント原油は3月末に118ドル近くまで跳ね上がって、7月1日には約70ドルまで下がって、7月末には再び100ドル超に戻って、9月初頭には輸送インフラへの攻撃再開を受けて109ドルまで上がった。今はアメリカとイランの協議への期待から約99ドルまで落ち着いとるけど、年初来では依然として約60%の上昇や。
ジェット燃料は精製マージンが広がった分、原油よりさらに動いとる。IATAの最新の週次データでは、世界平均が1バレル194.90ドル、1週間で7.4%上昇しとる。アメリカのメキシコ湾岸産ケロシン系ジェット燃料は9月の平均が1ガロン4.341ドルや。地上の物流網も無傷やない。全米ディーゼル平均は1ガロン6.31ドルという史上最高値をつけとる。
FedExにとって、機材数で世界最大の貨物航空会社やから、これがそのままコストラインを直撃するんや。5月末で終わった四半期で、燃料費は8億6400万ドルから14億3千万ドルへ、66%も上昇しとる。
空域の締め付け:ロシアに加えて湾岸も
ウクライナ戦争と西側の制裁で、ロシアの空域はすでに2022年以降、米欧の航空会社に閉ざされとった。そのせいでヨーロッパ・アジア路線の飛行時間と燃料消費が増えて、今もロシア上空を飛べる航空会社に恒久的な優位性を与えとる。中国、トルコ、インド、湾岸の航空会社はロシアへのアクセスを維持しとって、より速くて安いヨーロッパ・アジア便を提供できとるんや。
そんで湾岸も閉鎖された。中東8カ国が2月末に空域を閉鎖・制限して、交通は黒海とカスピ海の間、一番狭いとこで幅約100マイルしかないコーカサス回廊に絞られてしもた。Xenetaの推計では、世界の航空貨物容量の16?18%がほぼ予告なしに消えたゆうことや。Freightosのデータでは、南アジアから北米・ヨーロッパへの運賃は戦争初期に約50%上昇しとる。
7月半ばまでに、湾岸の航空会社はサウジアラビアとエジプト上空を回るルートに切り替えて、スケジュールの75?96%を復旧させとる。せやけどヨーロッパ・アジア路線に30?60分余分にかかるようになった。飛行時間が長くなるゆうことは、燃料消費が増えて、積載量が減って、乗員の勤務時間が増えて、機材の稼働率が落ちるゆうことや。DHLグローバル・フォワーディングは、湾岸ハブを避ける迂回路が定時運航率を下げてコストを押し上げとると報告しとる。中東地域自体の航空貨物も大きく落ち込んで、中東・アフリカからの輸出は前年比24%減や。
宅配大手はどう持ちこたえとるんか
ここで話は見出しほど単純やなくなってくる。燃料サーチャージのおかげで、FedExとUPSは航空会社やアセットライトのトラック業者よりずっとうまいこと守られとる。FedExの最高顧客責任者は3月に、燃料サーチャージが「ちゃんと役目を果たしとる」から会社は黒字を維持できるやろゆうて言うとった。
収益の数字もそれを裏付けとる。3?5月の四半期で、FedExの収益は13%増の250億ドルで、イラン戦争関連の燃料サーチャージが収益の5ポイント分を押し上げとる。FedExの米国地上輸送燃料サーチャージは、8月17日の週で26%やった。UPSは2026年通期見通しを、収益912億ドル、調整後EPS約7.22ドルに引き上げとる。
せやけど圧力は利益率に出とる。FedExは前四半期の予想を上回ったけど、営業利益は前年同期比でほぼ22%減っとる。仕組みは単純やで。サーチャージの反映にはタイムラグがあって、燃料が急騰すると、収益とコストが似たようなドル金額で増えて、利益率のパーセンテージを薄めてしまうんや。FedEx株は30日間で6.6%、90日間で7.6%下落しとる。まあ1年間で見たらまだ65.5%上がっとるけどな。
貨物業界の警戒シグナルは今月点灯した。J.B.ハントは第3四半期の利益が前四半期比5?10%減る見通しやと言うて、少なくとも1000万ドルの追加燃料コストと、2500万ドルのドライバー採用・ボーナスコストを理由に挙げとる。これがトラック業者と一緒に宅配便株を下押ししとるんや。
誰が払うんか:荷主から消費者へ
これまでの証拠を見る限り、コストの大半を負担しとるのは荷主や。UPSのCFOはサーチャージの純利益への影響を「小幅」やと表現して、FedExもこれが調整後営業利益の重要な要因やないと言うとる。批評家らは、両社ともサーチャージの割合がなんでこんな急激に上がったんか説明してへんゆうて指摘しとる。参考までに、米国郵便公社は4月26日にほとんどの荷物に初めてのサーチャージを課しとって、その率は8%や。ある事実確認によると、業界全体でのぼったくりの証拠は無かったけど、燃料に使う額より多くをサーチャージで徴収しとる運送会社が一部あるゆうことは判明しとる。
荷主から、そのコストは物価に流れ込む。ここで宅配大手の問題が、みんなの問題になってくるんや。
インフレの全体像
今日発表されたOECDの中間見通しでは、G20の総合インフレ率は2026年に4.1%まで上昇して、2027年には3.6%まで落ち着くと予測しとる。先進国のコアインフレは2.7%から2.5%へ緩やかになる見込みや。この分かれ方が重要でな。今んとこはこれは主にエネルギーショックが総合インフレを押し上げとるゆう話であって、まだ広範な賃金物価スパイラルには至ってへん。OECDは、政府の支援策、代替調達、非湾岸供給、それに石油備蓄の取り崩しが被害を抑えとるゆうて評価しとる。
アメリカでは8月のCPIが前年比3.4%、コアは2.4%で2021年3月以来の低水準や。ガソリンだけで月間上昇分の3分の1以上を占めとる。せやけどFRBは油断してへん。9月16日に金利を3.75?4.00%に引き上げて、これは2023年以来初めての利上げで、理由はイランのエネルギーショックやと言うとる。ほとんどのFRB当局者は、今年中にもう一回の利上げを見込んどる。
運賃コストがレジまでどう届くんか
宅配便のサーチャージは、実在するけど二次的な経路や。送料は普通、完成品の小売価格のごく一部やから、宅配便のサーチャージはCPIを押し上げるよりも、あくまで縁の摩擦を足す程度やな。同じジェット燃料はむしろ旅客運賃にもっとはっきり出とって、2025年8月以降23%以上上がっとる。
食料の方がもっと重要な経路や。ディーゼル、包装材、肥料の方が宅配運賃より効いてくるし、肥料の多くがホルムズ海峡を通っとるから、世界の食料価格を脅かしとる。普段は食品・エネルギーを「平均回帰するもん」やと軽視しとるあるインフレアナリストも、今は食料についてはあんまり自信ないと言うとる。エネルギーがトラック輸送や包装コストに波及しとるからな。
コアインフレへの波及が、中央銀行が一番恐れとることや。エコノミストらは、石油・ガソリン・ディーゼルの再上昇が他の物価やインフレ期待に広がる可能性を警戒しとる。今んとこ、中央値CPIは比較的落ち着いて見えとって、サービスインフレの上昇分の一部は航空運賃、つまり実質エネルギーの話やねん。
苦痛は均等に広がってへん。エネルギー・食料の輸入国である新興国は、アメリカよりずっと影響を受けやすいんや。フィリピンではディーゼルが1リットル140ペソ超、1ガロン約10.75ドルに上がっとる。通貨が弱くて、消費者物価指数における食料・燃料のウエイトが重いことが、そこでの衝撃を増幅させとるんやな。
すべては期間次第
OECDの6月のシナリオが、その利害関係を示しとる。もし湾岸の供給が2026年第3四半期から回復したら、このショックは2027年に収まる。もし混乱が2027年後半まで続いたら、成長ははるかに弱まって、インフレはもっと高くなる。2026年に約0.4ポイント、2027年に1.3ポイント上乗せされる計算や。OECDの基本シナリオは2027年にエネルギー価格が下落することを前提にしとるけど、中東の輸出混乱が長引くことと、非常に強いエルニーニョを下振れリスクとして挙げとる。ブレントが99ドル近くで、サウジの東西パイプラインが9月11日から止まったままやゆうことを考えたら、その基本シナリオはちょっと楽観的すぎるんちゃうか。
長期の混乱は、宅配大手の立場も変えるやろな。彼らの転嫁モデルは、顧客がそれを受け入れとる限りでしか機能せえへん。サーチャージが25%を超えたまま長く続けば続くほど、中小の荷主は宅配便から陸送へ、航空から海運へと切り替えたり、単に出荷量を減らしたりするやろ。FedEx自身の見通しは、これ以上の地政学的混乱がないことを前提にしとって、燃料コストの高騰が続けば顧客離れが業績を圧迫しかねへんことも認めとる。ロシア上空を飛べへんゆう不利は、原油価格が下がっても消えへん。そんでサーチャージ収入と実際の燃料コストの差が、政治的・法的な標的になるかもしれへんで。
戦争と制裁は、世界規模の宅配ネットワークを運営するコストを構造的に押し上げとる。ルートは長くなって、使えるハブは減って、燃料は高止まりして予測不能に振れとる。今んとこ、FedExとUPSはそのコストの大半をサーチャージ収入に変換できとって、その痛みは損失やのうて利益率圧縮という形で出とる。コストは下流に転嫁されて、すでにFRBを再び利上げに追い込んだエネルギー主導のインフレに上乗せされとるんや。
宅配大手にとってもインフレ見通しにとっても、決め手になるんはホルムズの混乱がどれだけ続くかや。もしジェット燃料が繁忙期を通して1バレル190ドル近くに高止まりしたら、問題はもうFedExとUPSがコストを転嫁できるかどうかやのうて、その顧客と、その先の消費者が、それを吸収し続けられるかどうかになってくるで。次の注目点は、10月14日発表の9月CPIと、FedExの2027会計年度第1四半期決算でのサーチャージ回復と出荷量についてのコメントや。
ソロヴィヨフとの共演はこっちや:
https://disk.yandex.ru/i/0GLBKQSSG3S1cQ
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https://sonar21.com/heading-back-to-the-usa-where-diesel-is-still-rising/
アメリカへ帰る途中、ディーゼルはまだ上がり続けとる
2026年9月22日 ラリー・C・ジョンソン
今、フロリダへ帰る途中の乗り継ぎの合間や。モスクワへの往復ゆうのは骨が折れるもんでな。フライトと乗り継ぎ合わせて、移動だけで合計32時間かかるんや。生半可な覚悟やあかんで。火曜と水曜はこの移動スケジュールのせいでポッドキャストは休みや。
トランプは火曜日の国連総会演説で、完全に自分自身とアメリカの恥をさらしとった。相変わらずの大言壮語と好戦的な態度は、うんざりするし子供っぽい。イランとの交渉に戻るかもしれへんゆう曖昧な約束をちらつかせて、株式市場と原油先物をずっと弄び続けとる。せやけどその一方で、カタールのアル・ウデイド空軍基地に駐機するKC-135空中給油機の数を劇的に増やすことも許可したらしいで。あれは、イランの攻撃をただ待っとるようなでっかい標的やないか。
飛行機の中でネットが使えたおかげで、Inside China BusinessのKevin Wamsleyの新しい動画に集中できた。月曜に書いたわしのディーゼルについての記事とちょうどええ組み合わせや。今年の燃料危機についての現在の論調、つまりホルムズが閉鎖して湾岸から止まった原油と、ロシアと中東で燃えとる製油所に焦点を当てとる話やけど、Kevinはそこに、西側メディアではほとんど取り上げられへん重要な三つ目の要因を付け加えとる。世界は、石油を運ぶ船が足らんようになっとるんや。バレルを動かせへんかったら、バレルがどんだけあっても関係あらへん。そんでこのタンカー不足が、ディーゼルやジェット燃料、それに??一番みんなを驚かせる部分やけど??スイート原油の価格に真っ直ぐ波及しとるんや。
まずはWamsleyの大きな枠組みから始めよか。これが分かってへんと、なんで彼がこれを予見できたんか理解でけへんからな。彼の主張の柱は、10年に渡る一帯一路の投資??パイプライン、ターミナル、製油所、港湾への出資??が、西側が頼っとる外洋タンカー貿易に依存せんで済む供給網を中国に作り上げたゆうことや。西側のバイヤーが貨物を奪い合って、地球の反対側まで運ぶのに金を払っとる間、中国はロシアと中央アジアからパイプラインで原油を引っ張ってきて、余剰の上に座っとるんや。タンカー逼迫をこの視点から読んだら、これはもう突発的な市場イベントには見えへん。西側特有の脆弱性が、ついに価格に反映されただけの話に見えてくるんや。
航海が長うなっとるだけで、船が減っとるわけやない
ここが直感に反する部分や。世界がタンカーをぎょうさん失ったわけやない。失ったんはタンカーの「使える度合い」であって、この違いがすべてなんや。
石油輸送はトン・マイル、つまりバレル数×移動距離で測られる。戦争はタンカー隊を縮小させたんやのうて、あらゆる航海を長くしたんや。ホルムズ海峡を通るタンカーは今、オマーン沖で貨物を積み替えるのに余分な日数がかかっとる。他のタンカーは地中海で積み込むためにアフリカを何千マイルも回っとる。湾岸の原油を絶たれたアジアの精製業者は、代わりの原油を求めて地図上で一番長い航路になる、アメリカ大陸にまで手を伸ばしとる。そんで巨大なシャドー・フリートが、制裁対象のロシアとイランの原油をゆっくり遠回りしてインドと中国へ運ぶのに縛られとる。そういう迂回のひとつひとつが、船を海上により長く留めて、みんなが使える船隊のプールから外してしまうんや。船隊のサイズは同じでも、実際にチャーターできる船の数は激減しとる。
価格シグナルは激しいで。業界のベンチマーク航路、ペルシャ湾から中国へ200万バレルを運ぶ超大型原油タンカー(VLCC)は、1日120万ドル以上稼いどる。最大手タンカー株の時価総額は約700億ドルと過去最高を記録しとる。トラフィギュラのチーフエコノミストは、ブルームバーグのフォーラムでズバリ言うとった。石油を動かすのがこんなに高くついたことは今までなかったってな。地域によっては、チャーターできる船がほとんど残ってへんとブローカーらは言うとるで。
湾岸の重質サワー原油が消えたとき、精製業者は代替品を探し始めて、その代替品はアメリカWTI、ブラジルのプレソルト、北海、西アフリカといった軽質スイート原油や。せやけどこれらの原油は、それを必要とするアジアやヨーロッパの製油所から遠いとこにあって、誰かが長距離輸送の金を払わへん限り太刀打ちでけへんのや。歴史的には原油の引渡しコストのなかで誤差程度やった運賃が、もう誤差やのうなってしもた。Vortexaのアナリストが指摘しとる通り、輸送費が今や貨物の価値のずっと大きな割合を占めるようになって、それがそのまんまエンドユーザーに波及しとるんや。
そこから二つのことが起こる。まず、一番割高な長距離スイート原油取引の採算が合わへんようになる。ディーゼル需要が強くても、運賃が製品のマージンを食い尽くしてしまうんやったら、精製業者は遠くの貨物を買わへんからな。ブルームバーグの報道もはっきりしとって、一部の長距離原油取引はもう単純に採算が合わへんようになっとる。二つ目に、精製業者は自分らの近くにあるスイート原油を何でも競り上げにかかるから、手に入りやすい原油の地域価格が上がる。その苦し紛れの工夫を見たら分かるで。アジアの精製業者はVLCCの代わりにアフラマックス型の小さい船をチャーターしてアメリカ原油を運んどるし、大西洋の貨物は、以前は超大型タンカー1隻で済んどったのを、スエズマックス2隻に分けとる。そういう代替のひとつひとつが、バレルあたりもっと多くの船を消費して、タンカー市場をさらに逼迫させてしまう。逼迫が逼迫を生む、そういう自己強化型の悪循環なんや。
そんでそれが給油所とゲートに届く
そこからディーゼルとジェット燃料への道は短いで。原油貨物にかかる余分な運賃1ドルは、その原油から精製される製品のコストに丸ごと乗っかる1ドルや。せやけど完成したディーゼルやジェット燃料を運ぶ石油製品タンカーも、同じトン・マイルの罠にはまっとるから、燃料そのものを不足しとる市場に運ぶコストも上がってしまう。もっと悪いことに、あらゆる方面から締め付けられとる精製業者は今、船の動力源になる重油をより価値の高いディーゼルやジェット燃料に振り向けとって、つまりタンカー船隊を動かすためのバンカー燃料自体が不足し始めて、輸送費をさらに押し上げとる。これは閉じたループや。燃料を動かすのに、もっと多くの燃料が要る、そういう仕組みになってしもとる。
数字はすでに記録的な水準や。アメリカの小売ディーゼルは1ガロン約6.45ドルまで押し上げられて、ヨーロッパのディーゼル先物は1バレル200ドル近く、アメリカのディーゼルクラック??原油に対するディーゼルの割増分??は9月14日に1バレル118.62ドルという史上最高値をつけとる。EIAは今、アメリカの留出油在庫が2027年のほとんどの期間、過去5年間の最低水準を下回ったままやろうと予測しとる。これはタンカー不足だけが原因やない。せやけどタンカー不足は、失われた原油と失われた精製能力の上にさらに積み重なる倍率装置であって、逼迫した市場を壊れた市場に変えとる原因なんや。
罠から抜け出した唯一の買い手
締めくくりに、Wamsleyの枠組みに戻ろか。これが居心地悪い結論やねんけどな。ホルムズ海峡を通るタンカーの出航は、ほぼゼロにまで落ち込んどるのに、世界最大の原油輸入国である中国はパニックになってへんのや。中国は供給の多くを、どんなタンカー運賃も及ばんパイプラインで運んどって、8月には精製燃料の輸出を戦前水準以上に押し上げとる。ジェット燃料の輸出は過去最高を記録しとるんや。湾岸閉鎖で潰されるとみんなが予想しとった国が、代わりにこの不足の中に燃料を輸出しとる、それも自分の裁量で、自分の条件でな。
これがこの話の形や。世界の燃料危機には三本の足がある。二本やのうてな。ホルムズから出られへん原油、動かせへん製油所、それに、誰でも払える価格で必要な場所に着けへん船や。西側はエネルギーを外洋で運んどるから、この三本すべてにさらされとる。中国は、この10年、船をチャーターする代わりにパイプを敷いてきたから、そのほとんどにさらされてへん。運賃市場はもう単に原油の値段を付け直しとるだけやない。ひとつの戦略そのものの値段を付け直しとるんやで。


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