2018年6月13日水曜日

「カイラス巡礼」早川禎治 中西出版



ヒンズー教徒の一員としてカイラスをめぐる云々と帯に書いてあるので、どんなけったいなおっさんかと思ったら、けったいなおっさんなれど内容はいたってまとも。カイラスは中国が占拠していて、ヒンズー教徒巡礼団しか入域できない。著者は「仏教徒ですけどヒンズー教徒として巡礼できるか?」と尋ねたら「仏教はヒンズー教の一派なのでオッケー」となったらしい。
筆者がバルチスタンでアマチャリのラジャーに会ったときの話で、アマチャリ族の遠い祖先の故郷はホータンであるとラジャーは語ったそうな。我が輩は唸ってしまった。ホータンは中国語で于闐。いまは新疆ウイグル自治区になっている、いわゆる西域のオアシス都市のひとつじゃないか。よく読み込んでみると、パキスタンとイランにまたがるバロチスタンではなく、山のほうにもバロチスタンがあるらしい。それを知っただけでもこの本はおもしろい。

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