ラリー・C・ジョンソン:ホルムズ海峡が再開しても、エネルギー危機は終わらへん理由
https://sonar21.com/the-gulf-restart-trap-why-reopening-hormuz-wont-end-the-energy-crisis/
湾岸再稼働の罠
2026年9月30日
今回もまた、カール・W・ミラーさんにはえらい世話になっとるわ。イランとの戦争で起きたエネルギー危機について、この人の分析はわしにとって欠かせん読みもんになっとる。カールさんは、物事の裏側を先読みする癖があるんや。7月の時点で、まだ誰も見出しにしてへんかったイエメン南部でのフーシ派の攻勢を予想しとったし、世界的なディーゼル不足や、湾岸の「ダブルパンチ」についての最近の仕事も、わしがここで書いとることの大部分の土台になっとる。9月28日付の最新の見通し「湾岸再稼働の罠」は、たぶんこれまでで一番大事なもんやろな。以下は、わしがまとめた内容や。
世界中が、ホルムズ海峡が再開して湾岸の石油がまた流れ出す瞬間を待っとる。ところがカールさんは、その瞬間は広く誤解されるやろ、と言うとるんや。最初のタンカーが積み込みを始めたとか、最初の製油設備が再稼働したとか、そんなんは危機の終わりを意味せえへん。湾岸諸国は、今も続いとる紛争地帯のど真ん中で、自分らのエネルギー・システムを建て直そうとしとるわけや。本格的な復旧には何年もかかるし、新しい攻撃が一発あれば、出来上がった工事が壊されることもある。輸出ルートは閉ざされるし、恒久的な修理が終わる前に請負業者は撤退せなあかんようになる。ミラーさんの結論はきっぱりしとって、「世界は長期のエネルギー供給危機を前提に計画せなあかん」ちゅうことや。一番ひどくやられた施設の修理サイクルは最長5年、再攻撃で作業が中断されたらもっと長引く、と見積もっとる。
ここで強調しとるんは、問題は金やないという点や。湾岸諸国には資本がある。ただ、代わりの機械、専門の作業員、安全な輸送、安定した操業環境は、欲しいと思ってすぐ買えるもんやないんや。
消えとる流量
ミラーさんは、ホルムズ海峡を通る通常の流量、ざっと日量2,000万バレルを基準にして、影響の大きさを測っとる。内訳は、原油とコンデンセートが約1,500万バレル、精製品が約500万バレルで、イラクの輸出分も含まれとる。暫定の計画ケースでは、流れとるんが日量850万バレルで、1,150万バレル、つまり57.5%が途絶えとることになる。ストレス・ケースでは、流れとるんが650万バレルで、1,350万バレル、67.5%が途絶える計算や。ただし本人は、これはあくまで計画上のシナリオであって、実際に測った現時点の合計やないと念を押しとる。それに、迂回ルート、在庫、需要の減少を勘定に入れたら、どっちのギャップもそのまま世界全体の純不足量になるわけやない、とも言うとる。それでも、どっちのケースも「ちょっとした混乱」なんて呼べる代物やないわな。
850万バレルのケースの配分はこうや。サウジアラビアが約440万バレル、イラクが170万、クウェートとUAEがそれぞれ約100万、カタールはたったの20万バレルや。オマーンは海峡の外側にあるし、サウジの紅海側の輸出とUAEのフジャイラ迂回ルートは、この数字に入っとらん。
原油の回復は、燃料の回復より早い
このレポートで一番大事な区別は、原油と最終製品の違いや。原油の輸出が戻ったからというて、使える燃料が戻ってきたことにはならへん。LPGを除いたホルムズ経由の製品輸出は、9月11日の時点で日量約100万バレルと報告されとって、開戦前の約400万バレルと比べると約75%の落ち込みや。湾岸全体で見ても、LPGを含む製品輸出は8月に60%近く減った。8月のディーゼルと軽油の純輸出は、日量わずか39万バレルで、開戦前の4分の1ちょっとにしかならへん。原油の積荷が、必要な場所でディーゼルやジェット燃料になるかどうかは、製油所の状態、原油との相性、製品の規格、それに届けるルートで決まるんや。
製油所が軒並み止まっとるという構図には、目立つ例外が一つある。オマーンのドゥクム製油所は、2026年を通して日量約25万5,000バレルで稼働しとると報告しとって、上半期にはディーゼル、ジェット燃料、ナフサを日量約21万5,000バレル生産した。その大半は、おそらく輸出に回されとるはずや。
石油は実際にどうやって出ていっとるんか
ミラーさんは、いま湾岸の原油を運び出しとる「シャトル・システム」をこう説明しとる。タンカーは湾内で積み込んで、むき出しの危険な海峡を通り抜けて、オマーン湾で外洋航行船に積荷を移し替える。この作業の多くを大型船がこなしとって、9月下旬のある1週間では、出ていった原油タンカー19隻のうち17隻が、それぞれ約200万バレルを積んだ超大型タンカーやった。
ここでの警告は、数え方についてや。200万バレルの積荷を、積み込み時、海峡通過時、沖合での積み替え時と3回記録したとしても、200万バレルは200万バレルであって、600万バレルやない。しかもこのシステムは遅い。200万バレルのシャトル船が1往復に20日かかったら、供給できるんは日量わずか10万バレルや。日量100万バレルを動かそうと思ったら、完璧に働く同じ船が10隻要るし、その先を運ぶ船団もまた別に要る。往復が30日やったら、15隻必要になるわけや。
サウジアラビアは二つの海岸を立て直さなあかん
サウジアラビアは回復の中心にいとるけど、半島の両側から脅威を受けとる。レポートは、9月13日付の衛星画像で幕を開ける。東西パイプラインのアル・メサバー・ポンプ場の被害を写したもんや。紅海側のヤンブーの積み出しは、9月27日に再開したと伝えられとって、パイプラインの流量は日量350万バレルほど。その一部は国内の製油所に回っとる。南西部では、アンサール・アッラー(フーシ派)によるエネルギー施設への攻撃と、紅海の船舶への脅しがあるさかい、サウジの事業者はジャザンと海上ルートでの繰り返しの中断を、あらかじめ見込んどかなあかん。ミラーさんは、サウジで起きた事件を何でもかんでもフーシ派のせいにするのは慎めと釘を刺しとる。ほんまの試練は、違う方向からの攻撃が、同じ輸出の鎖を同時に断ち切れるかどうかや。
なんで修理に何年もかかるんか
レポートは、修理が認可されてからの計画上の期間をこう並べとる。
局所的な配管と計器:数週間から3か月
タンクと消防設備:3?18か月
電力と制御システム:6?24か月
主要なプロセス機械:12?36か月
統合的な大規模再建(深刻なケース):24?60か月
つまり、一番ひどく壊れたシステムの復旧には、最長で5年かかりうるっちゅうことや。この期間は足し算にはならへん。一番遅い、なくてはならんシステムが、完了の日を決めるんや。無傷の製油所があっても、信頼できる電力、水素、水、制御系、タンク、輸出の出口がなかったら動かせへん。特注の機械が1台あるだけで、ほかが全部準備できとっても、施設ごと止まったままになることもあるんや。
ミラーさんは、よう混同される三つの日付を区別しとる。最初の出荷は、制限つきの構成で安全に生産できる時点。安定した処理量は、約束した処理能力を維持できる時点。完全な復旧は、恒久的な修理、予備能力、スペアパーツが全部揃う時点や。この三つは、何年も離れとることがあるんや。
カタールが確かな証拠を示しとる。最新の見通しでは、損傷したLNGトレイン2系列の修理に約3年、損傷したガス・ツー・リキッド(GTL)トレインは2027年第1四半期が目標になっとる。無傷のLNGトレインは、安全に再開できてから数週間で再稼働できるやろう、とのことや。
遅れるほど資本が食われる
修理が、インフレ、再動員、紛争にさらされる期間が長なるほど、費用はかさんでいく。ミラーさんの例示モデルでは、直接の修理費10億ドルを5年かけて進めた場合、アクセスが安定しとったら16億5,000万ドル、制約のある状況やと23億9,000万ドル、紛争が続く状況やと36億5,000万ドルになる。出すのが遅れた金は、同じ物理的な修理を、はるかに高い値段で買うことになるかもしれへんし、失った稼働時間は取り戻せへんのや。
自分らで自分らと競争する地域
サウジアラビア、カタール、UAE、クウェート、バーレーン、オマーンは、みんな同じ世界の修理市場から調達せなあかん。タービンとコンプレッサーの工場の製造枠、製作ヤード、専門業者、重量物の吊り上げ機材、試運転チームなんかをや。数か国が同じ工場の製造枠を当てにしとるような計画は、実行できへん。復旧は時期をずらして進むことになる。オマーンとUAEは代わりの港を提供できるけど、復旧用の貨物を全部同じ数少ない拠点に送ったら、ボトルネックが移るだけや。
危機はどうやって広がっていくんか
影響が世界に及ぶんは、見出しになる生産量やなくて、実際に届く燃料を通してや。原油の積荷を別のもんで置き換えても、壊れたディーゼル装置の代わりにはならへん。ジェット燃料は、航空用の規格を満たさなあかんし、認定された空港の供給システムを通らなあかん。航海が長くなると、実質的な輸送能力も縮む。往復に倍の時間がかかる船団は、運べる量がおよそ半分になるわけや。損傷したLNGトレインは、石油のルートが改善したあとも、ガスと電力の市場を逼迫させ続ける。それに、修理に回された機材は、市場が救いになると期待しとった新規プロジェクトを遅らせてしまうんや。
タイムライン
ミラーさんは、深刻な損傷については5年を計画の目安として扱っとる。2026年の終わりごろに認可された36?60か月のプログラムなら、完了は2029年の終わりから2031年の終わりごろになる。重要な機材を傷つける攻撃が一発でもあれば、その日付はまた先に延びる。ミラーさんは今すぐ始めよと促しとる。設計、仕様、工場の製造枠の予約、物流計画は、安全保障の状況が理想的になる前でも進められる。政治的な決着を待っとったら、一番早い製造枠を逃すことになるんや。
ミラーさんのメッセージは、復旧は「宣言」するもんやなくて「実証」するもんや、ちゅうことや。復旧が来るんは、供給が安定して、一時しのぎの回避策がなくなって、システムがもう一度の故障にも耐えられるようになった時であって、最初のタンカーが積み込んだ時やない。修理サイクルが最長5年にもなりうる以上、その日はまだまだ遠いわ。それまでの間、世界は、余力が減って、燃料を1バレル届けるごとにルートの費用も高くつく、半分しか直ってへんエネルギー・システムに頼って暮らすことになるんや。


0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム