2017年6月23日金曜日

カイザーリポート 第1087回 IPOじゃなくてICO

[KR1087] Keiser Report: ‘Initial Coin Offerings’
Posted on June 22, 2017
http://www.maxkeiser.com/2017/06/kr1087-keiser-report-initial-coin-offerings/

ビットコインのようなクリプトカレンシーをSEC(証券取引委員会)みたいなレギュレーター(規制担当機関)が今後どう扱うのか、という話です。
IPOならSECの規制対象だけれど、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)なら大丈夫、という考えていいのかどうか?
ビットコインのみならず、ふたりが話題にしている etherium というクリプトカレンシーもあり、後半で出てくるのはメタル(金、銀、イリジウム、パラジウムという4種類の稀少金属を組み合わせた金融商品です。そのなかでビットコインは、既存の体制に穴をあけることがそもそもの動機だったことから、SECのような規制当局の介入を避けるため巧妙に仕組まれています。
マックスいわく、建物(既存体制)を壊すことが目的なのに、やりようによっては建物をつくって「ここが標的ですよ」とペンキで描くようなことになりかねない、と言います。ステイシーは、いかに巧妙に当局の介入を回避したとしても、当局に目をつけられたら逃げられない、といいます。その例として、大航海時代のオランダで東インド会社が急性ちょいし、アムステルダムに取引場がつくられたこと、その後のチューリップバブルをきっかけに大量の人間が国王により斬首されたことを引き合いに出してステイシーがいいます。
「国王がチューリップバブルで大損を出したので多くの人が斬首された。怒らせてはいけない人間を怒らせた結果が斬首。」と、現代でも権力をもつ側の発想は変わっていないといいます。
マックスはクリプトカレンシーの本質を言い当てます。
リアルな生産品の生産と取引ではなく、人間の考えを貨幣に変えるのがクリプトカレンシーなんだ、と。
だからクリプトカレンシーに投資するなら、リアルなリターン、たとえば会社の経営権を握るという、その接点が問題になるのだ、と。
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蓋し、マックスの指摘は的を得ています。
グーグルはバーチャルで財をなした会社ですが、その大部分は広告収入から。
広告というのは、リアルではなくバーチャルなものです。広告をいくら生産してもそれを食って生きることはできない。
考えてみれば過労死で話題になった電通も、広告というバーチャルなものを主要商品として、テレビ枠とかオリンピックのようなイベントの放映権のピンハネで儲けています。しかし人はイベントへの期待感とかテレビ広告枠とかテレビ番組を食って生きることはできない。同じように、プリンターのインク吐出ヘッドとかUSBメモリーを食べて生きることもできませんが、広告やニュースほど目に見えない存在ではありません。
わかりやすくするために、フィジカルな商品はドルとか円に交換し、バーチャルな商品は仮想通貨で交換する、というのはどうだろう?・・・しかしここまで考えると、それならドルとか円とかユーロはどこまでリアルなのか?という話になります。
連銀も日銀も欧州中銀も、ゴールドみたいな稀少金属のリザーブなしで紙幣を擦りまくっています。いまや紙幣ですらなく、金融機関の残高記帳のデビット・クレジットのみ。通貨世界がほぼバーチャル貨幣で占められる昨今、リアルな取引(共産党がひっくりかえったときの中国みたいな資本逃避も)こそビットコインという倒錯が起こりつつあるのかもしれない。

我が輩は天変地夭術のあかつきには物々交換にじゃなかろうか、そしたら味噌とかコメとか麹とか蒸留酒が有望だろう考えています。

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