2017年6月26日月曜日

カイザーリポート 第1088回 ファイナンシャライゼーション

[KR1088] Keiser Report: Financialized Economy
Posted on June 24, 2017
http://www.maxkeiser.com/2017/06/kr1088-keiser-report-financialized-economy/

ファイナンシャライゼーションというのは、一部の人間が債務などのメカニズムを悪用して巨万の富を集める詐欺的手法のこと、とェームズ・ハワード・クンスラーが定義します。
ステイシーはそのクンスラーのブログを引用しつつ、いつかこのシステムは崩壊するに違いないと言います。
しかしマックス・カイザーは「この借金アパルトヘイト社会で上層の人間はゼロ金利で金を借りることができるが底辺の人間は10%とか20%の金利を払わなければならない」といいつつも「ゼロはいくらでも並べることができるから、このやりかたに終わりは来ない」といささかシニカルな見方をします。この二人の意見は今回めずらしく平行線のまま前半はおしまい。

後半は All the Plenary’s Men という映画をつくったジョン・ティタスがゲスト。
この映画は、麻薬カルテルやテロリストのために資金洗浄をやってきたHSBC(香港上海銀行)がなぜ一人の逮捕者も出さず、些細な金額で裁判所と折り合いをつけ事実上無罪放免されたのか、というテーマを追求したものです。(YouTubeで見られます。)
ジョン・ティタスによると、HSBCはFSBのメンバー。FSBとは金融安定理事会。このFSBはBISの下部組織。BISとはスイスに本拠をおく国際決済銀行。つまり国際決済銀行や金融安定理事会でSIFI(Sistemically Important Financial Institute:制度的に重要な金融組織)と認定された銀行は、テロリストや麻薬マフィアと取り引きしようがなにしようが、アメリカ大統領でも手に入らないような特権:犯罪行為の免罪符を得ることができるということです。
じっさいにアメリカの司法当局がHSBCを訴追しようとしたとき、イギリス政府から連銀に送られた訴追をやめろというレターのコピー(John TitusのWebページでダウンロードできるそうです)を手に、法律専門でもあったジョン・ティタスはその文章を解読していきます。

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さてついでに。このカイザーリポートをYouTubeでみていたら、近所にギリシャの財務大臣だったヤニス・ヴァロファキスの本の紹介とインタビューの動画がありました。
Yanis Varoufakis blow the lid of EU’s hidden agenda というタイトルです。
https://www.youtube.com/watch?v=nGt82RFfg3U
ヴァロファキスが “Adults in the Room” という本を出して、ギリシャが財政破綻してトロイカが救済じゃなくて国家資産を解体・押収・売却にやってきたときの様子を生々しく、隠し録音も含め描写しているとのこと。
インタビューでヴァロファキスが簡潔に背景を解説しています。
2008年のリーマンショックで世界中のあらゆる銀行が事実上破綻した。
アメリカでは連銀が、イギリスではBOIがそれを救済するために大量の紙幣を供給した。
ところがEUはECBにそれを禁じていた。ECBは設立当初から民間銀行を救済することが禁じられていた。EUの財政は危機的だった。メルケルのドイツはじめフランスなど主要国はギリシアから収奪することにして、トロイカとしてやってきた・・・。

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