2017年12月18日月曜日

カイザーリポート第1163回 斜陽のアメリカ帝国

http://www.maxkeiser.com/2017/12/kr1163-keiser-report-american-empire-entering-decline/

とっぱしの話題はオバマケア。テキサスに住む中産階級熟年カップルは健康保険に毎月2100ドルを払うことになっていましたが、離婚するか、あるいは収入を30%カットすることで月々の保険料が87ドルになったそうです。30%カットというのはつまり働く時間を増やし、家でのんびり本を読んだりしていれば月々2000ドルが失われないということ。この格差社会はどうなっているんだ・・・とステイシーは嘆いています。

次の話題は傭兵企業ブラック・ウォーター(改名してアカデミー、さらに改名して・・・今は知らない)のエリック・プリンス、スティーブ・バノンの親友であり、妹はトランプ政権で教育担当国務大臣。そのエリック・プリンスがアフガン戦争を民営化するというアイデアをウォール・ストリートジャーナルやファイナンシャルタイムズやブルームバーグで堂々と語っているそうです。いわく、東インド会社モデルである、と。
東インド会社は民営企業でありながら軍隊を持ち、植民地を拡大しました。それと同じことをプリンスはアフガンを舞台に展開してはどうか?と議論しているというわけです。




・・・。
マックス・カイザーは彼の解釈として、つまりアフガンをLBO(レバレッジド・バイアウト)の対象にするってわけだ、と言います。レバレッジド・バイアウトというのは、乗っ取ろうとする企業の資産を担保に金を借りて株を買い占めること。つまりアフガンに埋もれているレアメタルを担保にして資金を調達し、アフガンを乗っ取ろうという計画です。
ディック・チェイニーがイラクの石油資源を担保にイラク戦争をやったのも、リビアでヒラリーがやろうとしたことも同じ構造だとマックスはいいます。そしてそれらについて透明性はいっさいないし、どのメディアも掘り下げようとしない。

・・・。
こんな時代錯誤の計画を天下のメインストリームメディアを舞台に語っていること、それをステイシーは問題にしています。

ちなみにエリック・プリンスの会社は上海かどっかで上場しているので、レアメタル市場を取り仕切ろうとしている中国に取り入るのに最適の環境・・・とプリンスは考えているようです。人民解放軍特殊部隊OBを雇ったりするんだろうな。

後半のゲストはマーシャル・オールバック。エコノミストです。
落ち着いて状況を説明しようとするオールバックに対し、たたみかけるように質問と意見をぶつけるマックス。いつものことながらマックスはすばらしい速さで理解し、「そしたらこれはどうなんだ?」とたたみかけます。

オールバックさんが面白いことをいいます。
ひとつはMMT(モダン・マネタリー・セオリー)。
これは貨幣発行権をもつ政府が貨幣的な制約を受けないところで、しかしながらリアルな資源の制約のみを受けるところでどういうビヘイビアをするか研究するという学問だそうです。特徴的な現象のひとつはゼロ金利です。

このゼロ金利についてオールバックさんは理論的に説明しようとしますが、マックスはそのゼロ金利がゾンビ銀行を行きながらせていると、話しているうちにコーフンしてきます。まるでエコノミストが経済政策のもたらす修羅場をまるでわかっていないで理論だけもてあそんでいることに怒っているかのようです。話題はマネー・ベロシティー、そして資金供与にうつります。

マックスいわく、銀行は資金供与なんかよりも中央銀行とだけ向かいあっている、といいます。ゼロ金利という餌につられて中小企業のほうをまったく向かなくなった銀行、というわけです。

オールバックさんもまた面白いことを言います。経済政策を決めるのはいったい誰なんだ?という議論のつながりで、
「エコノミストは多かれ少なかれ政治的アジェンダをもっている。だから統計数字のいいとこ取り(チェリーピッキング)をする。」
「どうして仮説ばっかり弄んでないでリアルな制約について議論しないんだ?」
「それをやろうとしているのがMMTなんだ。」とオールバックさん。
「金本位制はどうなんだろう?」
「金本位制がいいとは限らない。歴史的に金本位制の100年間に5回の不況があった。」
「資本主義がいいのか、それともオムツをつけた社会主義がいいのか?」

・・・どうやらふたりの議論はこれからも続きそうです。

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