2017年10月31日火曜日

マイケル・ペントー 中央銀行はインフレをコントロールできない

The Central Banks Will Not Be Able To Control Inflation As The System Collapses:Michael Pento
https://www.youtube.com/watch?v=5f32F-Uhi3U

こないだカイザーリポートに出ていたマイケル・ペントーさんの話がわかりやすかったので、ちょっと古い7月の動画を見てみました。こっちもわかりやすい。

話題はアメリカの連銀のことですが、いまや欧州中銀も日銀もまったく同じ政策をやっているので、民生への影響もほぼ同じ。というわけで内容は即わが国にあてはめて考えることができます。
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  • 中央銀行がJGB(日本の国債)やETF(信託投資)を買いまくっていて、ETFは市場に出回る半分を買っている。
  • 中央銀行が莫大なボリュームで買い上げるので市場原理が機能せず、市場の動きが実体経済から乖離している。
  • これは連銀、欧州中銀、日銀がそろって「インフレ2%」を目標にしているためである。インフレを起こすために中央銀行がカミカゼ的特攻をやっている。
  • しかしどこの中央銀行も、なぜGDP成長率ではなくインフレを目標にかかげるのだろうか?そもそも中央銀行はインフレのことをどうやったらわかるのだろう?
  • 量的緩和という名の公債貨幣化は2008年のリーマンショック後に始まった。金融機関を救済するために始めた措置をやめることができない。連銀や日銀や欧州中銀がインフレ目標を掲げるのは、インフレ=経済の活性化になるからではない。インフレは民生によろしくない。デフレのほうがいい。しかし中央銀行がGDPなどではなくインフレばかり目標にするのは、同胞たる銀行をともかく救わなければならないからだ。
  • 金融機関のバランスシートは円キャリートレードなどゼロコストで調達した資金が買い入れた不動産や国債や社債で資産(アセット)が膨れ上がっている。売り局面になると、早く不良資産を処分しなければならない。金利が上昇したら額面通りの借入金プラス、何重ものレバレッジで幾何級数的に膨れ上がる金利を支払うことは不可能に近い。金利がゼロのままでインフレになれば銀行の借金は自動的に目減りする。中央銀行の使命は国家の経済を立て直すのではなく、銀行業界を救うことにある。
  • 金融緩和=公債の貨幣化の影響でハウジング市場がバブルとなり、株式市場サイズがアメリカGDPの140%となった。
  • 欧州中銀は2018年10月に国債買い入れをやめて、バランスシートを健全化すると公言している。バランスシートの健全化とは、資産(アセット=買い入れた膨大な国債)を売ることである。もしほんとうにそうなら何が起こるのか?
  • 中央銀行が金利操作(上昇)を誘導するときに国債など資産を処分するというのが定番の手法である。連銀がバランスシートを健全化するために売り出す国債は1300億ドル相当である。それだけの国債が売りに出されるとなると、まずその動きを察した機関投資家が手持ちの国債を売り逃げしようとする。中央銀行が膨大な量の国債を売り出すと価格が暴落するから、その前に売らなければならない。
  • 日銀がいまや民間企業の株を買いまくり、日本有数の株主になっている・・・ということは、株価が上昇してアベノミクスが成功と政治的宣伝をしている反面、Xデイが来たらどうするかについてアベもクロダも何も言っていない。言えないのだ。
  • インフレが来ないまま欧州中銀が資産の売り局面に入ったら、打つ手はあるのか?
  • つぎに考えられるのは、ヘリコプターマネーである。今まではいちおう国債やETFの買い入れというワンクッションを置いていた中央銀行だが、そんな悠長なことをやっている場合ではなくなると、貨幣を直接あちこちに注入するしかない。
  • 刷りまくられた紙幣がクレジット市場をハイパー飽和状態にしている時代に、(ヘリコプターマネーが導入されて)もしインフレ2%目標が達成され、それが3%となり、さらに4%になったら何が起こるのか?ワイマール共和国時代の再来、誰も止めることができないハイパーインフレである。
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このへんでさきのカイザーリポートの内容につながります。
エネルギー資源を輸入に頼っている日本の円はメジャープレイヤーのうちでもっとも脆弱だ。日本は売るものがないうえに、たとえ売るものがあったとしても誰も買うものがいなくなる。為替市場で円がまず崩壊して石油を買う金がなくなる。

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