EUの代替ガス供給元アルジェリアについて科学者が警告
https://www.rt.com/news/556367-algeria-eu-gas-ukraine/
2022年5月31日 08:28
アルジェリアのガス施設が40年近くもメタンを大気中に漏えいさせていると科学者が指摘
アルジェリアのHassi R'Melガス田にある圧縮機ステーションから、強力な温室効果ガスであるメタンが40年近くも大量に漏れ続けていると、バレンシア工科大学の科学者が衛星データを分析し、警告を発した。
この研究結果は、EUの気候変動に関する目標を複雑にする危険性がある。というのも、ブリュッセルはアルジェリアを、放棄する予定のロシアのガス供給に代わるものとして見ているからだ。ブルームバーグが火曜日に報じた。
この施設から排出されるガスの総量を見積もるのは難しいが、研究者は、毎時約4.5トンのメタンを大気中に放出していると考えている。
地質分析会社Kayrros SASの他の推計によると、ハシルメルガス田全体からの排出量は昨年67%という驚異的な急増を見せ、短期的にはCO2の84倍の温暖化力を持つメタン939,000トンに達したという。
この量は、自動車1,700万台分の環境破壊に相当すると専門家は指摘している。
アルジェリアは現在、EUのガスの約8%を供給しているが、EUがロシアの供給に見切りをつける計画を実行すれば、その量は増える可能性がある。欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EUの長期的な目標は、「ロシアの化石燃料への依存を、ガス、石油、石炭の3つすべてから脱却し、二度と後戻りしないことだ」と繰り返し述べている。
ブリュッセルは、現時点ではロシアからのガスなしでは対処できないことを認めている。排出量が多いため、EUが進めるグリーン政策によって、アルジェリアとの取引が難しくなる可能性もある。
科学者たちは、ハッシ・ルメルがメタンのホットスポットであることを以前から知っていたが、ブルームバーグによれば、今回の新たな分析により、北アフリカの国でのガス漏れに対する規制を強化するようヨーロッパの議員たちにさらに圧力をかけることになるだろうという。
クリーンエネルギー研究団体BloombergNEFのAntoine Vagneur-Jones氏は、現状ではアルジェを説得するのは複雑かもしれない、と語った。ブリュッセルがモスクワとのエネルギー関係を断ち切ろうとしているため、「今の危険性は、アルジェリアがより多くのカードを握っていることだ」と指摘した。
ハシルメルガス田を運営するアルジェリア国営石油ガス会社ソナトラックは、自社の排出量推定値は「他で発表された値よりはるかに低い」と主張している。
アルジェもまた、昨年のグラスゴーでの国連気候変動会議で、2030年までに排出量を30%削減することを誓った100の首都の中には入っていない。
0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム