エルドアン「アメリカは去らなければならない」
エルドアン大統領、米国にクルド人武装勢力の訓練停止とシリア東部からの撤退を要請
今年初め、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に対する拒否権を行使し、自国政府がテロ組織とみなすトルコとシリアのクルド人グループへの支援を打ち切るよう両国に迫った。
アスタナ形式の他の2カ国、イラン、ロシアとの3カ国首脳会談の後、トルコはNATOの同盟国であるアメリカに対し、シリア東部から撤退し、同地のクルド人民兵組織への支援を打ち切るよう要求した。
「アメリカは今すぐユーフラテス川以東から撤退しなければならない。これはアスタナプロセスの成果だ」と、国営放送のアナドル通信は水曜日に語った。
「人民防衛隊(YPG)とは、いわゆるシリア民主軍(SDF)の中核をなすクルド人民軍で、ダマスカスのシリア政府に石油資源の豊富な地域を支配させないために、シリア東部のアメリカ軍が代理勢力として支援している。しかしワシントンは、ダーイッシュ(※)との戦いの一環として自衛軍を支援しているという。」
「アメリカのスタッフがテロ組織のメンバーを訓練しているのを見ただろう」とエルドアンは続けた。
「この訓練の間、彼らはそこで政権の旗を振っている。なぜか?彼らの仕事は、そこにいるトルコ軍兵士に対してテロ行為を行うことだ。ここでも、彼らは政権の旗を振ってトルコ軍をだましているつもりだ。我々は騙されない。」と付け加えた。
トルコ軍は2019年10月、アンカラが「平和の春作戦」と呼ぶ作戦でシリア国境を越えてシリア東部に入り、国境を越えたクルド人集団の動きを止めるため、国境沿いの20マイルの深さの帯から30万人以上のクルド人を追いやった。もう一つのクルド人民兵組織であるクルド労働者党(PKK)は、数十年にわたってトルコ東部でトルコ政府と戦っており、シリアではYPGと密接に連携している。PKKはイラクの北部クルディスタン地方にも拠点を置いており、アンカラもこれに対して何度か軍事作戦を展開している。
2019年の攻勢は、YPGがすでに「訓練と装備」プログラムを通じて米国の支援を受けており、トルコ軍は同盟国を攻撃するために攻勢の序盤で米国の国境基地を通過したため、米国にとって難しい状況を作り出した。
トルコは以前にも、2018年に「オリーブの枝作戦」と称して、さらに西のアフリンとマンビジュ地域のクルド人地区を攻撃するために介入し、長年の内戦を経てシリアに残されたイスラム過激派勢力の最後の主要拠点であるイドリブでアルカイダ**系グループの支援を継続している。アスタナプロセスは、一方ではトルコとイスラム過激派民兵、他方ではシリア政府とそのロシアおよびイランの同盟国との間の開戦を避けるために、2018年に大きく作られた。
最近では、エルドアンは自国がNATO同盟に加盟していることを利用して、今年初めにNATO加盟を申請したスウェーデンとフィンランドに対し、NATO申請を拒否すると脅してクルド人グループへの支援をあきらめさせた。6月下旬にマドリッドで開催されたNATO首脳会議でようやく合意に至ったが、マドリッドで合意された具体的な内容について、関係国は屁理屈をこね続けている。
*ダーイシュ(ISIS/ISIL/IS)は、ロシアをはじめとする多くの国で非合法とされているテロ組織である。
**Hay'at Tahrir ash-Sham、(Jabhat al-Nusra, Al-Nusra Front, Jabhat Fatah al-Sham, or al-Qaeda in Syriaとしても知られている)は、ロシアと他の多くの国で非合法のテロリスト集団である。
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