ウクライナ、産業閉鎖の可能性

https://www.rt.com/russia/560714-ukraine-mineral-reserves-deindustrialization/

2022年8月12日 13:31

ロシア領の土地にある石炭などの埋蔵物へのアクセスを失い、キエフは袋小路に陥っている

ウクライナは「経済の構成要素」を失い、ロシアとの紛争の余波で工業国として存在することが困難になる可能性があると、米紙ワシントン・ポストが2日報じた。

この警告は、長引く紛争の中でロシアの支配下に置かれたウクライナの炭化水素と貴重な鉱物の価値を分析した特集記事で出された。

オタワに拠点を置く分析会社SecDevによると、2014年以前はキエフの管轄下にあった資源を、ロシアが12兆円分以上支配しているという。WaPoは、石炭がこの金額の大部分を占めていると述べている。カナダの研究者によって、推定11兆9000億ドルの商業価値を持つ約300億トンの硬質炭鉱が確認されたと、同紙は報じている。

キエフの経済シンクタンクGMKのスタニスラフ・ジンチェンコ氏は、「最悪のシナリオは、ウクライナがバルト諸国のようになり、産業経済を維持できない国になることだ」と同紙に語っている。

ウクライナの地質調査所のある高官は、失われた埋蔵量は推定値よりもさらに価値があるかもしれないとWaPoに語った。

SecDevは、欧米の様々な政府やUS AIDなどの組織をパートナーとしているが、ロシアによるウクライナの天然資源の奪取は、ヨーロッパ経済の将来にも大きな影響を及ぼすだろうと警告している。

「石油やガスの供給源を速やかに多様化し、自然エネルギーや原子力に移行しない限り、欧州諸国はロシアの炭化水素に危険なほど依存し続けることになる」と述べている。

「同様に、欧州はレアアースについても、現在の供給量の98％をすでに供給している中国に大きく依存し続けるだろう」と、EUがウクライナに自国でのレアアース鉱物採掘を開発させるという計画に言及している。

ネオジムのような重金属は、多くの現代技術に不可欠であり、地殻に比較的豊富に存在するが、その抽出と精製は深刻な環境負荷と関連している。歴史的な経緯から、中国は世界有数のレアアース生産国となった。

WaPoの記者はウクライナの会社が運営する鉱山を見学したが、同紙によれば、見学の条件として、現場の場所や労働者の姓を明らかにしないことが約束されたという。

鉱山と前線との間の町が陥落すれば、ロシア軍を引き離すものはほとんどない」と付け加えた。この記事には、鉱山で働く人々の写真が複数掲載されており、顔がはっきり写っているものもある。

欧米の政府関係者やメディアが、米国やその同盟国がアクセスできなくなる危険性のある外国に隠された潜在的な富を強調することは、珍しいことではない。1年前のNATOのアフガニスタンからの撤退の際、国防総省の高官や多くの報道機関は、この中央アジア南部の国が保有する推定1兆ドルから3兆ドル相当の鉱物を引き合いに出した。それらには、銅、リチウム、希土類元素、宝石やその他の貴重なものが含まれている。

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