2023年6月15日木曜日

ナゴルノ・カラバフ紛争

https://sputniknews.jp/20230614/16276536.html

米国の「ゆすり」が生む新たな脅威

2023年6月14日, 22:23 (更新: 2023年6月14日, 22:32)

米国はアゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフの交渉に直接干渉し、紛争調停からロシアを完全に排除しようとしている。地域情勢の専門家のアレクサンドル・アナニエフ氏が語った。

アゼルバイジャンとアルメニアはソ連崩壊後、国際的にはアゼルバイジャン領に属しながらもアルメニア系住民が多く、事実上の独立状態となっているナゴルノ・カラバフ地域をめぐり、数十年の争いを続けている。これまで紛争は幾度となく激化したが、伝統的にロシアが仲介役を担い、誰の利益も損じない形でおさめてきた。そうしなくては、南カフカス情勢のさらなる悪化は避けられなくなる。ロシアは両国に対し、性急な決定を避けるよう促してきたとアナニエフ氏は振り返る。

西側諸国は、ロシア南部の国境地帯を不安定化させる目的で、アルメニアとアゼルバイジャンの指導者とワシントンやブリュッセルで会談。火種となっているナゴルノ・カラバフの地位について議論することなく、双方が互いに国境線を認めるよう取り付けた。ナゴルノ・カラバフに住むアルメニア人の運命について、具体的なことは何も決まっていない。ロシアは幾度となく、アルメニア系住民の安全が保証されなくては問題の最終的解決には至らないと指摘してきた。

アナニエフ氏は、米国が独自の方法、つまり「ゆすりと脅迫」を使い、ナゴルノ・カラバフのアルメニア人と交渉することに決めたと指摘する。ナゴルノ・カラバフに対し、米国の後見のもとでアゼルバイジャンの条件を飲むように強制し、もし拒否すればアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフで「対テロ掃討作戦」を行うと脅す。アナニエフ氏は西側の「仲介人」の干渉は、ナゴルノ・カラバフ情勢の安定やそこに住むアルメニア系住民にとっての新たな脅威を生むと締めくくった。

これまでにロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ユーラシア経済連合(EAEU、アルメニア、ベラルーシ、ロシア、カザフスタン、キルギスが参加)が、形成されつつある多極世界の独立かつ自立した中心の1つとして確立されると述べている。

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