ネスレ、キットカットのカーボンニュートラル宣言を撤回
植林に疑問の声も
2023年6月28日水曜日 - 午後09時50分
多国籍企業は近年、カーボンニュートラルを謳っている。ネスレの有名なキットカットは、2021年に「2025年までにカーボンニュートラルになる」と表明した。しかし、このオフセットは、信頼性が低く測定が困難な植林に基づくもので、削減された排出量やオフセットされた排出量の透明性はない。言い換えれば、ネスレは具体的な証拠なしに持続可能性を主張した。(これをグリーンウォッシング」欺と呼ぶ。)
ネスレは2021年4月のプレスリリースで、「キットカットは2025年までにカカオを調達する農家が500万本のシェードツリーを植えるのを支援する」と書いている。彼らは、直接的な炭素排出削減を伴うサプライチェーン・オペレーションのアップグレードに関する情報をほとんど記載せず、代わりに「森林の回復」のような怪しげな主張に焦点を当てた。
ブルームバーグによると、ブラックロックのラリー・フィンクCEOが数日前に「ESG」という言葉を捨てたように、ESG(環境・社会・ガバナンス)運動全体が裏目に出ていると考えているネスレは、2025年までにカーボンニュートラルなキットカットバーの計画を中止した。
スイスの大手食品会社の広報担当者は、同社は「事業とサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を削減するための自社プログラムにシフトしている」と述べた。第三世界での植林はもう必要ないのか?
ネスレのほかにも、航空会社のイージージェットやグッチのオーナーであるケリングなどの企業が、「グリーンウォッシング」論争を避けるため、カーボンニュートラルという謳い文句を引っ込めた。これらの企業の多くが、自社の製品が環境に良いと顧客に誤解させていると消費者団体は主張している。
「スーパーマーケットにいる消費者は、カーボンニュートラルの謳い文句のどれだけが実際の排出削減によるもので、どれだけが怪しげなカーボン・オフセット・プロジェクトによるものなのか、知る由もない。」と、消費者権利団体BEUCの食品政策担当官エマ・カルヴァートは言う。彼女の団体は、食品に「カーボンニュートラル」の表示を禁止することを望んでいる。
ネスレが植林を通じた「気候変動フットプリント正味ゼロ」のKitKatの謳い文句を放棄したことは、ESGが裏目に出ていることを示す兆候である。
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