米国は武力でロシアに勝利は不可能
https://sputniknews.jp/20230522/16056709.html
米国は現実を直視すべき武力でロシアに勝利は不可能=米退役中佐
2023年5月22日, 15:45 (更新: 2023年6月2日, 13:55)
米政府は、ウクライナ軍がロシア軍に決定的な勝利を収めることはできないという事実に基づいて、ウクライナでの戦略を計画すべきだ。米陸軍の退役中佐ダニエル・デイビス氏が、米国人記者でブロガーのスティーブン・ガードナー氏とのインタビューでこのように語った。デイビス氏は、米国は自国と北大西洋条約機構(NATO)のことを一番に考える必要があり、その点でウクライナは優先順位の3番目に位置するとの考えを示している。
デイビス氏は、「紛争地域で展開されている軍事的現実を認識するなら、ロシアに対して軍事的勝利を収めることは不可能である」と述べた。「ウクライナが反攻を開始し、クリミアに脅威を与えるというあり得ないシナリオを想定しても、ロシアが戦術核兵器を使用して報復する可能性が高い。これは検討する価値なし。」と説明している。同氏は、もしロシアが本当に負け始めたら、核兵器を使う可能性が急激に高くなることは間違いないとみている。このシナリオには誰も興味を示さない。なぜなら、人類の破局を招くからである。
米政府が主張する「ウクライナは勝つ」「米国は必要な限り支援する」というのは、実際の状況とは全く関係ない、とデイビス氏は強調している。つまり、1000キロの長さになるウクライナの戦線に、エイブラムス戦車、ブラッドレー歩兵戦闘車、ストライカー装甲車などを供与し、そして今後も供与する最新装備の数に重要な意味はない。同氏はさらに、米政府がウクライナに与える武器や弾薬が増えれば増えるほど、米国が自国を守る手段は少なくなると指摘した。
もしウクライナに軍事的な勝利への道がないのなら、なぜウクライナ政権を助けるためにこれほど多くの資金と武器を使うのか、とデイビス氏は問いかけている。同氏によると、米国は、世界における自国の地位の強化とNATOの同盟国を守るために、実際に成功を収めることができるような新しい戦略を考案する必要がある。同氏は、「この2つが優先事項だ。ウクライナを助けることはできるが、それは優先順位において3番目に位置し、1番目でも2番目でもない。1番目と2番目は米国とNATO。我々はNATOにコミットしている」と結論付けている。
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