2023年6月18日日曜日

RTあらゆるコストシリーズ:軍事技術のコスト

https://www.rt.com/shows/cost-of-everything/577879-military-drone-industry-future/

アメリカ製のドローン、イラクやアフガン戦争で使われたプレディターは4000万ドル。NATO各国で使われているリーパーは3200万ドル。一方、フルマーは35000ドル。ゲストのスコット・リッターへの最初の質問は、どこの国が最高のドローン技術を持っているか?

リッター:技術的にはアメリカだが、ドローンはツールに過ぎない。最高のドローンが最高の結果を出すとは限らない。たとえばランボルギーニという最高価格の車を山岳地帯に持ち込んだら、ジープにはかなわない。アメリカは対テロ戦争で、たとえば殺人ドローンを作り上げた。それは辺境地で対空防衛設備を持たない人たちを殺すことに特化したので、ウクライナ戦争のような現場に持ち込むには値段が高すぎる。じっさい、クリミア近辺で落とされたアメリカ軍のドローンは3200万ドルだった。そんなんを撃ち落とされる前提でたくさん現場に投入するわけにいかない。

イラン製カミカゼドローンのシャヒッド136は2万〜3万ドルの価格帯だが、ロシア軍が運用して数百万ドル相当の戦車、装甲車などを破壊した。

次の質問:イランのドローン生産技術について

リッター:イランは数学オリンピックで毎回上位を占めている。理論的水準は高い。さらにイランを取り巻く地政学的事情から、敵ドローン対策も含め、高水準の理論を実戦で試す動機や機会にも恵まれている。理論と実践の組み合わせでコスパの高いドローンを作っている。

質問:これからの戦争にドローンはどんな位置付けになるのか?

リッター:世界の軍事戦略・戦術家がウクライナ戦争の現場に注目しているし、そうであるべきだ。

質問:ドローンは人的資源を守ることができるのか?

リッター:ドローンのパイロットは、リモートシグナルでドローンと繋がっている限り、検出されて攻撃ターゲットになり得る。だから必ずしもパイロットは安全とは限らない。アフガン戦争のときカンダハルから飛び立ったRQ79かなんかがイラン領空にはいった。オペレータはネヴァダから遠隔で操作していた。その電波をドローンガンでハイジャックされてイランの空港に誘導され着地した。

ドローンはツールなので、使いかたが課題。しかもドローンは領土を取ることはない。領土を確保するのはつねに地上軍だから。

質問:ドローンは致傷的な兵器になり得る、それはどれほど?

リッター:それも使いよう。暗殺ドローンは数人を殺すことができる。ウクライナ軍の死傷者はNATO軍、たとえばスェーデン軍に言わせれば、桁が違う。きわめて短期間に数万人を失った。これはNATO軍ではとても耐えられない死傷者数だ。ドローンはそれを加速化させた。

質問:トルコ製TV2ドローンは民生用部品を使って5百万ドル。ウクライナやシリアで使われたDGIマヴィックもある。そしてイラン製カミカゼドローン。ウクライナ戦争でロシア軍が大量に使ったため、すべて打ち落とすのは非常に困難。アメリカ製の携帯可能なスイッチブレードは4000ドル。ジャベリン対戦車ミサイルだと78000ドル。

さて、ロシアの超音速ミサイルと既存のミサイルの違いは?

リッター:超音速ミサイルを撃墜することはできないので、狙った標的には必ず到達する。中国も同様のものを開発中。つまり中国がアメリカの航空母艦を沈めようと思ったら、沈めることができる。アメリカは超音速ミサイルを開発中だが、いろんな機能をてんこ盛りにする傾向があるためかまだ実現できていない。

質問:こんごロシアや中国の超音速ミサイル技術は他国に波及するのか_

リッター:開発されたばかりの兵器は高価だが、大量生産とコストダウンで価格はそのうち下がる。いまの世界情勢では、代理戦争させられている国に波及するのは自然の流れだ。

質問:アメリカの軍需技術が世界を席巻している現状は変わるのか?

リッター:戦争は人間を殺す事業なので、テクノロジーがいかに進化しようと、よりたくさんの人間を殺したほうが勝つ。イランとアメリカが戦争するとしたら、アメリカが耐えられる死者数とイランのそれがどれくらいかという問題で、これは政治が絡む。ぶっちゃけ、人口の多い国が勝つ。

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