門外漢の考察:EU
我輩には理解できん。
20数年前、仕事でイタリアとかスペインを訪れたころ、イタリア人もスペイン人も英語を話さなかった。帝国の人間は外国語を学ばない。世界のどこに行っても、人民が帝国の言葉を話すから。(いまのアメリカ人がそうだ。)その頃のアメリカ人は、おフランスのすることならなんでもおしゃれと思っていて、犬が肛門を舐めるようにおフランスの文化を舐めていた。でも今は違う。EUがアメリカの文化を舐めている。財政面で慢性のひどい下痢をしていて、冬に家を温めるエネルギーがないというのに。
以下は、まったく門外漢の我輩による欧州の文化と歴史の考察、そして仮説である。
1. 欧州は、秦の始皇帝が出なかった中国である。
逆に言えば中国とは、秦の始皇帝が暴力的に地方文化の差異を滅ぼし、統一した欧州である。隣近所に住む、ちょっと違う字を使い、ちょっと違う発音で、ちょっと違う言語を話し、風変わりな料理を食べていた人たち。一緒にしないでくれと懇願する人たち全員を穴に埋め、違うフォントの本をことごとく燃やした秦の始皇帝。違いにこだわる人たちのDNAを抹殺したからこそ、中国を統一することができた。
欧州では、違いにこだわる人たちがわがままを貫き通し、それぞれの民族国家を作った。自分達の言語、風俗慣習、食事、宗派を頑なに守ってきた。それだけではなく、仲の悪い隣人と付き合わず、ひとつ飛ばしたその向こうの人たちと仲良くした。もうひとつむこうの人たちと仲良くなりたかったのではなくて、隣人と仲良くしたくなかったから。それはもうひとつむこうの人たちもよくわかっている。しかも、隣人関係は直線上に並んでいるんではなく、平面に広がっている。関係がややこしくなったり、強い人が暴れはじめたら、ダゲスタンみたいに山にこもる人たちもいる。ポーランドみたいに、隣近所に勝手に分割され、住むところは同じなのに住所とか表記が変わってしまう人たちもいる。強い人に村ごと、遠い遠いところに移住させられる人たちもいる。もうぐちゃぐちゃ。
2. そんな歴史で、独立心と競争心の旺盛な人たちが密集する欧州。隣と喧嘩するより、ユダヤ人虐めようぜ。イスラムと喧嘩したら儲かるやんけ。十字軍。トレドをレコンキスタしたら、図書館にアラビア語の膨大な蔵書。ユダヤ人とアルメニア人とイスラム教徒に翻訳させ、ギリシアとローマ文化を学んだら、改宗か追放。塩尻和子先生が指摘するように、欧州中心主義で自分らを都合よく洗脳した。https://www.shinshu-islam.com/sislamcivil.pdf
そこに馬でやってきたのがモンゴル人。欧州人は、さらなる東方に世界が広がっているのを知った。
3. ギリシア・ローマの文化を学んでルネッサンス。独立心と競争心が旺盛なので科学技術を発展させ、大航海時代。キリスト教と軍隊が二人三脚で世界征服競争。アジアやアフリカを植民地にして資源と富を吸い上げ、いわゆる資本主義経済体制構築の原資とした。
4. 足元でカトリークとプロテスタントが喧嘩して30年戦争。ルールづくりして、喧嘩をやめましょう。みなさんルールを守りましょう。誇り高い白人の作ったルールを、劣った弟たちのいる植民地にも適用しましょう。宗教はどうでもよろしい。近代社会では、ルールが宗教です。
5. 日露戦争で有色人種の日本人がロシアに勝ちよった。白人が有色人種に負けるわけないやんけ。「ま、しょうがない。あいつらロシア人はしょせん、半分モンゴル人やからな。」そしてロシア革命。イデオロギー十字軍の世界戦争。
6. 第二次対戦後、世界征服の主導権がアメリカに移った。旧植民地や有色人種が科学技術を学びよる。誇り高い欧州は、自分らに都合のいいルールを作って、それで金儲けしよう。負けそうになったら、ルールを変更したらよろしい。あ、環境にもルールを作りましょう。石炭燃やしたらダメね。パキスタンの夏は暑いけど停電でも我慢しなさい。冬は寒いけど凍えてなさい。それがあなたがたの十字架です。グリーン十字架です。
というわけで、もともとファナティックだった西欧人は、グリーン崇拝にめざめた。緑の党で絵本作家だった政治家が、戦争推進派の先鋒になったのは、戦争が究極のグリーンだからです。いま欧州がエネルギー不足とインフレに苦しんでいる、それがグリーン十字架です。
停電したらネットでストリーム見れなくなるから、石炭燃やしてもいいよね、とロンドン人が言っておりますが。
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