2023年8月7日月曜日

防衛白書:なぜ日本にはもはや平和主義は必要でないのか

https://sputniknews.jp/20230803/16699511.html

2023年8月3日, 20:01

日本の防衛省は、防衛政策の理念を説明するため毎年刊行している「防衛白書」を発表した。その中では、ロシアは「ヨーロッパにとってもっとも深刻で、直接的な脅威である」と指摘されている。

さらに、ロシアと中国の戦略的協力は、日本の安全保障という観点からの強い懸念を呼ぶものだとも記されている。

最新の「防衛白書」について、歴史博士で、東洋諸国研究所の教授で、大阪経済法科大学の客員教授でもあるアナトーリー・コーシキン氏に「スプートニク」がお話を伺った。

中の協力に対する日本の懸念は何ら新しいものではないと指摘し、次のように述べている。

「こうした懸念は常にありました。とりわけ、近年、ロシアと中国が日本周辺で頻繁に合同軍事演習を行うようになってからは特にそうです。しかし、ロシアにも中国にも、日本に対して何ら攻撃的な意図がないのは明らかです。2カ国の軍事演習は、もはや平和主義というものが優先されない現在の日本の政策の結果に過ぎません。

逆に、現在、日本は軍事化の路線をとっており、軍事大国としての日本を再建しようとしている。そしてこの路線を米国は積極的に支持している。米国は、軍事紛争においてロシアと中国が結束した場合、米国が厳しい立場に追い込まれることを理解しているからです。そこで、日本政府は、この地域でのアジア版NATOの創設を含めた米国の戦略に従っている。

加えて、ロシアと中国の間での軍事同盟に関する話は現在、出ていません。とはいえ、ロシアは実際、ウクライナ情勢を踏まえ、極東で、ロシアに対抗するためのいわゆる『第二戦線』を作ろうという米国と欧州諸国の計画には懸念を抱いている。」

一方で、これらすべての計画は、世界を、米国とロシアとの直接対決という危険な境界線に近づけるものだとコーシキン氏は指摘している。

「毎日新聞が最近、ウクライナへのクラスター爆弾の供与に対し、米国のバイデン大統領を批判した。(これは非常に珍しいことである)のは注目に値します。この爆弾は、兵士や兵器だけでなく、民間人にも被害を与える真の大量破壊兵器であるからです。これは非人間的で、非人道的な武器であり、米国のみならず、その同盟国のイメージにも疑問を生じさせる。そしてもちろん日本は米国のもっとも近しい、そしてもっとも誠実な軍事同盟国の一つです。」

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https://sputniknews.jp/20230806/16718429.html

日本はもはや米国の不沈空母ではない?

2023年8月6日, 08:00

中国の力が増大していくのを背景に、米政府は、日本、韓国、フィリピンを含むアジアの同盟国領内にある自国の基地の安全に危機感を募らせるようになっている。その理由は、これらの国々は中国からあまりに近い場所にあるためで、米国はできるだけ早く、豪州の軍事化という方法によって、自国の地位をより強固なものにしようとしている。グローバル・タイムズ紙がこのように伝えている。

このようにして、米国は中国との紛争が起こった場合、アジアにある米国の同盟国が「攻撃にさらされる」ということを無意識に認めている。米政府はこれらの同盟国を守る確信はないが、そうなった場合にまず自国の軍事基地の脆弱性を下げようという決意に満ちている。しかし、今回は豪州の力を借り、米国軍部隊の配置を強化しようとしている。

一方、日本こそが、数十年にわたって、米国の「不沈の空母」と呼ばれている。しかし、米国が軍事同盟国の選択における優先順位を変えることは、。(中国との軍事紛争が起こった場合)この日本の空母が沈む可能性があるということを意味するのか。

軍事専門家のコンスタンチン・シフコフ氏は、日本はまだ現時点では米国の「不沈の同盟国」であるが、地域における紛争のリスクは毎年、ますます増大していると指摘する。

「日本はアジア太平洋地域における米国の防衛システムの戦略的な駒の一つです。なぜなら、日本にある米国の基地は、太平洋西部における海上でのロシアと中国の抑止システムの主要な施設だからです。従って、日本は実際、攻撃を受ける可能性がある。より正確に言えば、米国の基地は最初に標的となると言えます。一方、原発が損傷を受ければ、国の領土はもはや生活できない空間となります。日本の自衛隊は、政府と同様、このリスクをはっきりと認識している。

一方で、日本は今や強大な軍事力を持つ中国を、パニックに近い状態で恐れている。しかも、中国は、軍国日本が第二次世界大戦中に中国領内で行なった犯罪について忘れてはいません。これが日本が国内に米軍基地を維持している理由の一つです」

とはいえ、戦争が勃発した場合、現在、米国に「補給と弾薬庫の重要拠点」の役割を与えられた豪州が、「敵からの攻撃の標的」となる可能性ももちろんある。

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