円は急騰、日本国債は暴落 上田氏のタカ派発言でNIRP終了へのカウントダウン
2023年9月12日火曜日 - 午前12時30分
数週間にわたって執拗な円売りが続いた後、上田日銀総裁のタカ派的な発言を受けて、円は対ドルで1%上昇した。
上田日銀総裁が読売新聞のインタビューで、賃金と物価が持続的に上昇していると確信が持てればマイナス金利の終了は可能であり、年末までに賃金の見通しについて十分な情報を得ることができると述べた。その後、米ドル円は148円手前まで下落した後、146.50円まで上昇した。
「来春の賃上げを予想するのに十分な情報を年末までに得ることは不可能ではない。」上田氏は、物価上昇を決定する重要な要素であり、マイナス金利政策への示唆となる賃上げの動向を見極めるには、年末が可能な時期であると語った。
上田氏はまた、海外経済など「見えないものもある。」と述べ、慎重な姿勢を示すとともに、7月に決定した金融政策の修正は、金融緩和策の「効果と副作用のバランスを変える仕組み」と説明した。今後は「静かな出口」が焦点となり、日銀は市場への大きな影響を避けようとしている。
日本のインフレ高騰に対する日銀の破滅的な対応を正当化するため、上田総裁は金利上昇は家計や企業財務にとって「重荷」だが、景気が良くなれば負担増を吸収する力が生まれると述べた。それまで家計の購買力は低下し、数え切れないほどの老齢世帯(日本にはたくさんある)は生き残れないかもしれない。
上田総裁は、7月の長期金利の上限見直しについて、一種のリスク管理だと説明した。「物価が上昇に振れたときに事態がおかしくならないように、余地を作る必要があった。」と述べ、日銀がこれまで物価見通しを過小評価していた反省からこの決定を下した。中央銀行が四半期ごとに発表している2023年度のインフレ率見通しは、昨年10月時点では1.6%だったが、4月と7月に上方修正され、7月時点の見通しは2.5%と、日銀のインフレ目標である2.0%を大きく上回っている。実際、日本のインフレ率は米国を上回っている!
りそな銀行東京支店の石田武志為替ストラテジストは、「上田総裁のインタビューでの発言はタカ派的に聞こえた。私たちは2024年の最初の3ヶ月でマイナス金利政策が終了すると予想しており、上田氏はそのようなシナリオを想定するよう市場に働きかけ始めたのかもしれない。」
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(東京)のチーフ債券ストラテジスト、六車直美氏は、上田氏の発言は円安を抑制する意図がある、と書いた。そして案の定、日銀は介入を恐れている。500億ドル程度でドル円を500〜600pips下落させることは可能だが、日米金利差の容赦ないギャップによって、介入はすぐに消えてしまう。円高を煽る最近の試みは、ほんの一時的にせよ成功し、USDJPYは金曜日の終値から140pips下落した。
上田発言を受け、ドイツ銀行は日銀の金融政策見通しを変更した。同社のエコノミストは、イールドカーブ・コントロールが10月に解除され(以前は2024年4月)、マイナス金利政策が2024年1月に終了すると予想している。(以前は2024年12月)
上田総裁の発言は日本国債の暴落にも拍車をかけ、先物は15ティック急落し146.10、10年物国債利回りは2014年以来初めて0.70%を超えた。
日銀は利回りの上昇を抑えるため、9月14日に5年間の資金供給オペを実施すると発表したが、10年物国債先物は損失を維持し、日本のNIRP終了へのカウントダウンが再び始まった。
0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム