ヒトの癌細胞は細菌を狩るウイルスを餌にしている
バクテリオファージと呼ばれる、体中に存在する細菌を狩る小さなウイルスである。
人体はそれ自体が生物圏であり、バクテリア、ウイルス、単細胞生物を含む何十億もの生物の住処である。最近まで科学者たちは、細菌を食べるウイルスの一種であるバクテリオファージは、単に私たちの体内に存在するだけで、あまり細菌とは相互作用しないと考えていた。
「オーストラリアのメルボルンにあるモナシュ大学の微生物学者ジェレミー・バーは言う。「それは全くの誤りでした。」
バールは、パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンスが発行する専門誌PLOS Biologyに最近掲載された論文、「哺乳類細胞はバクテリオファージを内在化し、細胞の成長と生存を高めるための資源として利用する」の共著者の一人である。
この発見は、大腸菌を好んで食べる一般的なバクテリオファージであるT4が充満した環境に、ヒトとイヌのガン細胞を置いたテストから生まれた。科学者たちは、細胞がファージに反応してどのタンパク質を作るかを調べていたところ、細菌から身を守るどころか、細胞が分裂の準備など成長の兆候を示していることを発見した。
「ファージを投与された細胞は、実際に成長速度が速くなっていた。このことは、ファージを食料源として利用している ことを示唆している。
バクテリオファージは悪名高いバクテリア・ハンターであり、抗生物質の代用品として何十年も使われてきた。西洋医学がこれに追いついたのは21世紀に入ってからで、バクテリオファージがヒトだけでなく、食品を含む他の物質の細菌感染を制御するのに役立つことを発見した。
科学者たちは、実験室で培養された細胞は必ずしも実際の生物の細胞と同じではないことを指摘し、次にそれらの細胞がバクテリオファージにどのように反応するかをテストしたいと考えている。
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