2023年12月29日金曜日

北極圏第2液化天然ガスプロジェクトを潰そうとするアメリカの動きは、同盟国間に不信感を植え付ける

https://sputnikglobe.com/20231227/us-efforts-to-kill-arctic-lng-2-could-sow-distrust-amidst-allies-1115836647.html

フランス、中国、日本の著名企業数社が、米国の制裁対象となったロシアの北極圏LNG 2プロジェクトへの参加を停止した。

ジェフリー・パイアット米国務次官補(エネルギー資源担当)は今年初め、「米国の目標は北極圏LNG 2プロジェクトを潰すことであり、米国は制裁を通じて、7カ国グループやそれ以外のパートナーとも協力しながら、それを実行する」と公言した。

これに対し、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は今週、「北極圏LNG2をめぐる状況は、世界経済の安全保障に対するワシントンの破壊的な役割を改めて確認する」と述べた。

北極LNG2に対するアメリカの制裁は、バイデン政権が支持を集めるための試みかもしれないと、地政学コメンテーターでアジア太平洋問題のコンサルタントであるトーマス・W・ポーケン2世は主張した。アメリカ経済が下降に向かうという見通しの中、バイデンのアメリカ国内での支持率は低迷している。

「もしバイデンがアメリカのエネルギー輸出国や生産国をどうにかして支持させることができれば、役に立つ。つまり、何よりも政治的な問題だ。」とポーケン氏は詳しく語った。「アメリカは保護主義的な方向に進んでいる。これはその一例に過ぎない。」

ポーケンによれば、アークティックLNG2の海外関係者は、自分たちの関与がアメリカに制裁されないという判断でプロジェクトに参加した。

米国がそのような制裁を課した今、これは米国とプロジェクト関係者の間に「不信感」を植え付けることになり、この状況は「米国のイメージを損なう。」

ポーケン氏は、「この取引で大損をするアメリカの友人がいるというのは、大きな話になる。」と指摘した。

ポーケン氏はアメリカの制裁圧力によって、ヨーロッパや日本がビジネスパートナーになり得ないとロシアが判断すれば、中国とのすでに緊密な関係を深めることは言うまでもないが、インド、モンゴル、中央アジア諸国など、他の国々とより緊密な経済関係を築くようになると示唆した。

「ワシントンはこういったことができると考え続け、制裁を設定し、制裁措置を推し進め、長い目で見ればすべてが良い結果をもたらすと考えている。実際には、他の国々にこうした状況への適応を強いるだけだ。ワシントンはそれを理解するのが非常に遅い。」とポーケンはつぶやいた。

国際問題研究所のアナリスト、ニキータ・リプノフ氏は、北極圏LNG 2の海外関係者は今のところプロジェクトへの参加を中断しているだけで、関連するリスクについて思案していると指摘した。アメリカの制裁は1月31日に発動される。

「北極圏LNG 2の海外参加者は、事業への参加と将来のLNG出荷をあきらめるか、アメリカの二次的制裁を無視してその影響を受けるか、いずれにせよ損失が生じると考えている。」とリプノフ氏。

リプノフ氏はロシアが「制裁圧力を受けながら大規模な国際経済プロジェクトを運営してきた豊富な経験」を考慮し、アメリカが北極圏LNG 2プロジェクトを潰せる可能性は低いと考える。

同氏は、このプロジェクトに参加するフランスと日本がアメリカの圧力で撤退する可能性はあるが、中国企業がそれに追随しない可能性もあると指摘した。

「ロシアからの液化石油ガス輸入禁止を含むEU制裁の第12弾を考慮すると、モスクワは需要が伸びている東部への出荷を方向転換し、他の地域に新たな市場を求めるべきだ。時間はかかるが、ロシアの商品は間違いなく買い手を見つける。」とリプノフ氏。

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