ゼロヘッジ:海水浴客爆撃に対するロシアの反応は期待はずれだったが
2024年6月27日(木) - 午後03:00
著者:アンドリュー・コリブコ(Substack経由)、
プーチン大統領は、週末にウクライナのセバストポリで起きたアメリカ支援による海水浴客への爆撃に対する政府の冷淡な対応で、世論を無視した厳しい決断を下せるほど成熟した指導者であることを改めて証明した。セヴァストポリ攻撃後、ロシアはおそらく黒海上空に飛行禁止区域を設定することはないと予測されていた。第3次世界大戦の火種となることを懸念し、国民の要求に応じる可能性が低い。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、黒海の国際水域でアメリカの偵察機を撃墜したり、無力化したりする代わりに、プーチン大統領の停戦提案がまだ有効であることを再確認した。その直後、ペスコフ報道官はまた、先日エマニュエル・マクロン大統領がフランスとの話し合いに興味があると公言した後、ロシアがフランスとの話し合いに引き続き前向きであることを表明した。
この2つの動きに続いて、アンドレイ・ベローゾフ新国防相がアメリカ側と電話で会談し、ウクライナ周辺の情勢について意見を交換した。ベローゾフ新国防相はまた、ウクライナ軍へのアメリカ製兵器の納入継続という点で、さらなるエスカレーションの危険性を警告した。
興味深いことに、ロシアが復讐のために黒海上空でアメリカの無人偵察機を撃墜したというフェイクニュースが拡散した。多くの希望的観測に基づくオブザーバーたちの予想に合致していたからだが、撤回したというフォローアップはなかった。
先週末の挑発に対するロシアの反応を明らかにすること、つまり、世論の要求通りに反応すれば誤算によって第三次世界大戦を引き起こす危険性があるのとは対照的に、非エスカレーションを目的とした融和的なアプローチを継続することが重要な理由は、誤った期待を抱かせないためである。非現実的に期待を膨らませた人々は、必然的に深い失望を味わう。ロシアが売り渡したなどと敵対的な物語に影響されやすくなる人も出てくる。
聖人君子のような自制の是非に同意するかどうかは別として、プーチン大統領が説明されたような理由で、この方針を決定したことは事実である。近い将来、アメリカ軍の無人機の撃墜や無力化を許可することで、象徴的な武力示威を命じる可能性はあるが、これまでの彼の冷淡な反応を見る限り、そのようなことはしたくないか、万が一起こったとしても一過性のものに過ぎない。
プーチン大統領は、多くの人が想像しているような「マッドマン」でも「モンスター」でも「マスターマインド」でもなく、少なくとも彼自身は完璧な現実主義者である。その証拠に、ロシアによるシリアへの空爆介入や現在進行中の特別作戦を開始するまでにどれだけ時間がかかったことか。
ロシアが本当に西側諸国に対して本気でエスカレートすることを決めたとしたら、その実績は、一見唐突なゲームチェンジャーでありながら、(外交官によって異なる表現がなされているにもかかわらず)後から見ればグルチマムシュと見なせるような明確な意思表明が先行していることを示唆している。そのようなシナリオをほのめかすような最近のいくつかのシグナルを解釈する人もいるかもしれないが、説明されたようなこれまでの対応の中身は、そのような考えを払拭し、現在の政策が続くことを示唆している。
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