2024年8月23日金曜日

ゼロヘッジ:ウクライナのクルスク侵攻 ロシアの過激な反応は期待できない

https://www.zerohedge.com/geopolitical/dont-expect-radical-response-russia-washingtons-involvement-ukraines-invasion-kursk

2024年8月22日(木)午前10時45分

著者:Andrew Korybko via substack、

ロシアの対外スパイ機関SVRは、クルスク地方におけるウクライナ軍の作戦が、アメリカ、イギリス、ポーランドの特殊機関の参加を得て準備されたことを明らかにした。この作戦に参加した部隊は、イギリスとドイツの訓練センターで戦闘調整を受けた。NATO諸国の軍事顧問は、ロシア領内に侵入したUAF部隊の管理や、ウクライナ人による西側諸国の武器や軍事装備の使用について支援を行っている。

SVRは大衆紙イズベスチヤに、「同盟諸国はウクライナ軍に、作戦地域のロシア軍展開に関する衛星情報データも提供している」と付け加えて、声明を締めくくった。

ロシア・チェチェン共和国のアクマット特殊部隊のアプティ・アラウディノフ司令官は、ゼレンスキーが表明した「緩衝地帯を切り開き、将来の囚人交換のためにウクライナの交換資金を増強する」という目標の一環として、侵略者たちが戦争犯罪を繰り返していると非難した。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は以前、ロシアの主要メディアとのインタビューで、ウクライナは実際にロシアに核兵器を使わせることを望んでいると警告した。

クルスクで起きていることは、NATOの支援を受けたウクライナによる、誰もが認めるロシア領土への侵攻であり、一部のオルトメディア(AMC)が推測しているような、ウクライナ人を包囲するためのロシアによる5次元チェスのマスタープランではない。

ソーシャルメディア上の多くのAMCの人々は、ロシアがNATOの標的を攻撃したり、ワグナーがベラルーシから最前線のメンバーに対して国境を越えた侵攻を行ったりするような過激なことを要求しているが、どちらも実現しそうにない。プーチンのやり方について個人的な意見がどうであれ、特別作戦が始まって以来、プーチンは自国に対する数々の挑発行為に対してエスカレートすることを拒否し、聖人のような忍耐強さを持っている。

ウクライナによるクリミア橋の爆破、クリミアを砂漠化させる危険性のあるカホフカ・ダムの破壊、ダリヤ・ドゥギナのようなジャーナリストの暗殺、ロシアの新地域における民間人に対する絶え間ない攻撃、戦略空軍基地や早期警戒システムの爆破、クロッカス・テロへの関与、さらにはクレムリンへの攻撃。すべての挑発行為が、アメリカの援助によって行われたにもかかわらず、ロシアはそのどれに対しても根本的な対応をしていない。

ウクライナの軍事作戦を妨害するためにエネルギー・インフラを攻撃したり、ハリコフ地方に小さな緩衝地帯を作ったりしているが、ドニエプル川に架かる橋や国民総会のような政治的標的を爆撃することはない。

何度も何度も、ロシアは一貫してエスカレートを拒否し、最低限のことしかしない。

この(慎重すぎるとも言える)アプローチの理由は、プーチンが第3次世界大戦を恐れているからだ。ロシアが敵の挑発に過激に反応すれば、一連の事態が急速に進行する。ロシアにはそのような対応をする権利があるが、前述のような世界的な利益のためという理由で、その権利を自ら放棄している。

プーチンが最終的に過激な対応を選択することで、彼の特徴である用心深さを投げ出す可能性は極めて低い。

彼の計算が変わるシナリオは、核兵器による挑発、ハイレベルの暗殺、あるいはクロッカス事件よりもさらにひどいテロ攻撃があった場合だけだ。

ルカシェンコが、ウクライナがロシアに核兵器を使わせることを望んでいると警告したことを思い起こせば、これらのシナリオや、プーチンが譲れないレッドライン(先に列挙した挑発行為はこれに該当しない)を越える可能性のあるシナリオは、いずれも否定できない。国境沿いでロシア軍が崩壊したり、NATOやウクライナとの国境沿いでベラルーシが崩壊し、大規模な侵攻を受けるという突飛な事態が発生した場合にも使用される可能性が高い。

ロシアから見れば、ウクライナのクルスク侵攻は、依然として対処可能である。

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