マイケル・ハドソン:交渉は隠れ蓑、戦争こそが政策だ
https://michael-hudson.com/2026/03/negotiations-as-cover-war-as-policy/
2026年3月4日、経済学者マイケル・ハドソン教授とレナ・ペトロワのインタビュー
レナ:この数日間の悲劇的な出来事について、どう見ますか?
特に衝撃的なのは、オマーンの外相がCBSの「フェイス・ザ・ネーション」で「イランがIAEAによるウラン埋蔵量の完全かつ包括的な検証を提案した」と発表した直後に攻撃が行われたことや。アメリカが交渉中にイランを攻撃したのはこれで2回目で、世界はアメリカが信用できないと気づきつつある。
ハドソン:これは第三次世界大戦の始まりや
今朝自分のウェブサイト、カウンターパンチ他に分析を出した。外国市場が開いたが、わいが思ったほど極端な動きにはなってへん。ただイランへのアメリカの攻撃は世界規模の経済的・政治的影響をもたらすもので、第三次世界大戦の公式な始まりと呼んでええと思う。
世界戦争と言える理由は、この攻撃が世界の石油貿易全体に影響を与えるからや。ホルムズ海峡の封鎖が始まっとって、長引けば長引くほど不足は深刻化する。数週間から数ヶ月続く可能性が高い。
トランプは「停戦しよう、やめよう」と言うとるけど、そう簡単にはいかへん。イランはもし攻撃されたら何をするか世界に明確に説明してた。ハメネイ師と宗教・軍事指導者が殺された以上、問題の根本的解決、つまり中東からの米軍撤退なしには止まれへん。
イランは宣言通り中東全域の米軍基地を攻撃し始めた。8つのアラブ隣国の領土内の基地が爆撃されたとの報告がある。クウェートが「なんで爆撃するんや、わいらは何もしてへん」と言うたら、イランは「アメリカの爆撃機が飛び立つ基地を提供してるやないか」と答えた。これは当然の話やわ。
交渉は最初からでっち上げやった
計画はネタニヤフが昨年12月末に訪米した時に決まったとわいは見とる。その時点でアメリカは「よし、イランを乗っ取る計画はこうや」と決めた。口実が必要やったから交渉を使った。
トランプの大嘘、ネタニヤフが10年以上言い続けてきた嘘、つまり「イランが核爆弾を作って世界を脅かそうとしとる」という嘘を使って交渉を始めた。アメリカ側の要求を極端に大きくして、イランが「ノー」と言ったら「ほら見ろ、イランは核爆弾を欲しがっとる」と言えるようにする計画やったわけや。
ところがオマーンの外相が出てきて「イランはIAEAによる完全な検証を受け入れる、濃縮ウランを全部他国で保管する、全てのアメリカの要求に応じる」と発表してしまった。アメリカは焦った。「これが公になる前に、今すぐ爆撃しなあかん」となったわけや。
これがアメリカのプレイブックの核心や。指導部を斬首する。指導部なしでは国家に政策がなくなるという発想や。去年12月にプーチンの別荘を爆撃しようとしたのも同じ発想やった。それは失敗したけどな。
1月に予定されてたクーデター未遂
元々アメリカは1月中旬に攻撃する計画やった。CIAと全米民主主義基金(NED)がスターリンクを使って工作員に「マイダン型デモ」を起こさせて体制交代を演出しようとした。ところがイランがスターリンクへのアクセスを遮断して計画が完全に失敗した。
それで「仕方ない、直接爆撃するしかない」となったわけや。
「爆撃すれば民衆が屈服する」という妄想
アメリカとイスラエルの軍事戦略の根本的な思い込みがある。「指導部を攻撃して民間人を爆撃すれば、国民は『もう嫌や、体制を変えてくれ』と言い出す」という発想や。
第二次世界大戦でドイツがロンドンを爆撃した時、ロンドン市民は「降参しよう」と言うたか?逆やった。連合国がハンブルクからドレスデンまでドイツの都市を爆撃した時、ドイツ人は「この連中は野蛮人や、戦わなあかん」と結束した。
イランも同じや。CIAは「女性がイスラムの服装規制に反対しとる、女性を味方にしよう。女性が一番気にするのは子供や。女子校を爆撃しよう」と考えた。ベトナムでやったこと、イスラエルがガザでやったことと同じや。学校を爆撃して子供を殺せば、民衆が「もう降参する」と言い出すと。
ミナブの女子校爆撃がその結果やけど、当然逆効果やった。イラン国民は圧倒的に政府の反撃を支持しとる。爆撃によって相手が屈服するどころか逆に戦意を高めるという歴史的な教訓を、なんでアメリカは学ばへんのやろな。
石油支配こそがアメリカ外交政策の核心
1953年にイランのモサデク首相(イランの石油資源の国有化を望んどった)をCIAがクーデターで倒して以来、アメリカの外交政策の中心は世界の石油貿易のコントロールやった。
先月ミュンヘンでルビオ国務長官が演説して「これは西洋文明の支配のための戦いや」と言うた。要するに「わいらが世界を植民地化してきた素晴らしい恩恵を守る」という宣言や。言い換えれば全ての他の国々に対する宣戦布告で、ヨーロッパもアジアもロシアも中国も、16世紀にスペインがペルーとラテンアメリカにやったことを、19世紀にヨーロッパがアフリカにやったことを、今もやり続けるということや。
アメリカはロシア・ベネズエラ・イラン・その他アメリカの支配下にない産油国から石油を買うことを他の国に禁じてきた。今回の攻撃もこの文脈で見ないといかんわ。
湾岸産油国の財産はアメリカに人質に取られとる
1974年に石油価格が倍になった時、サウジアラビア・クウェートその他の産油国はアメリカに言われた。「石油は好きな値段で売っていい、でも利益はアメリカの国債に投資せんといかん。株や社債は買えるけどアメリカ企業を支配できるほど買ったらあかん」
その結果、半世紀分の石油輸出で積み上げた数兆ドルの資産が今もアメリカに握られとる。2022年にロシアがウクライナのロシア語話者を守るために行動した後、ベルギーにあった3000億ドルのロシアの金融資産がアメリカに没収されたのと同じ構造やわ。
クライアント軍隊としてのイスラエルとアルカイダ
1970年代、わいはハドソン研究所で働いとった。ある会議でモサドの長官になる人物でネタニヤフの顧問のアラドと一緒やった時、アメリカの将軍が歩み寄ってきて「イスラエルはわいらの不沈空母や」と言うた。それがアメリカのイスラエルの見方やった。
その後アメリカはもう一つの軍隊を手に入れた。イラク・アフガニスタン・シリアでのアルカイダや。アルカイダはアメリカの外人部隊みたいなもんで、ウクライナのナチスと同じ路線、つまり民族的・宗教的憎しみと金銭的利得と直接的なアメリカの支援で動いとる。アルカイダ・ISISとイスラエル軍は過去10年間一緒に働いてきた。アルカイダやISISがイスラエル軍と対峙したことは一度もない、シーア派勢力やアメリカ・イスラエルが敵と指定した勢力とだけ戦ってきた。
世界経済への影響
原油価格は今のところまだ10%しか上がってへん。これはまだ「本当の混乱」の始まりにすぎへん。
ホルムズが封鎖されたまま数ヶ月続いたら、石油依存度の高い国々は外貨をドル債務の返済に使うか、自国の経済と国民生活を維持するために使うかという究極の選択を迫られる。この時が本当の危機や。
グローバルサウスの国々が集団でドル債務の支払いモラトリアムを宣言して、それが帳消しになだれ込む可能性もある。「一緒に立てば生き残れる、バラバラに動けばそれぞれ絞められる」という状況やからな。
ドルはどうなるか
二つのシナリオがある。
他の国々がアメリカの支配に屈服するなら、ドルは強いままで、アメリカは安い自国産油で他国より有利に立てる。
逆に新しい国際経済秩序が作られるなら、ドル覇権が崩れる。
その分岐点を決めるのが今の戦争やと思うわ。
プーチンはどう読んどるか
アメリカだけでなく西洋全体が「ならず者国家」になっとると言わなあかん。日本も西ヨーロッパも全部アメリカ側についとる。ロシア・中国・その他の国々は今や「中間的な立場はない」という現実に直面しとる。既存の制度を維持するか(それは今やテロリストならず者国家を支持することを意味する)、新しい国際同盟を作るか、どちらかしかない。
第二次世界大戦後の平和条約が実は一度も結ばれへんかったという事実、そこに全ての矛盾が凝縮されとる。


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