ダグラス・マグレガー大佐とグレン・ディーセン:イランが勝ってイスラエルがどうなるかわからん世界
https://www.youtube.com/watch?v=yd_uJiRcl0Q
Douglas Macgregor: A New World Emerges: Iran Will Win & Israel May Not Survive
Glenn Diesen
グレン:皆さん、お帰りなさい。
今日お迎えするのは、数々の勲章を受けた戦闘のベテランであり、作家、そして元米国国防長官顧問でもあるダグラス・マグレガー大佐や。
大佐、また来てくれておおきに。
さて、イランとの戦争が始まってから、ちょうど3日目が終わろうとしとるな。
正直なところ、トランプはんはサクッと終わる短期決戦を期待しとったんやろうけど……見ての通り、パパッと政権交代させて終わり、なんて状況には全くなってへん。
大佐、あんたはこの現状をどう見とる?
この戦争の進展をどう評価すべきなんか、そしてこれから一体何が起きると予想しとるんか、聞かせてください。
大佐:まず最初に言えるんは、イランは中東にある少なくとも27の基地を狙い撃ちにしとるってことや。インジルリク空軍基地(トルコ)からペルシャ湾のドバイまで、港湾施設も含めてな。要するに、この戦争はもう完全に「地域戦争」になってしもたんや。この結果がどれほど恐ろしいもんか、まだ誰も本当の意味では理解できてへん。
ペルシャ湾の状況は、今日のオイルマーケットを見れば一目瞭然やな。供給が止まるっていう不安だけで、欧州の市場は20%も跳ね上がって始まった。原油価格はあっという間に1バレル100ドルを超えるやろうし、どこまで上がるか分からん。
UAE(アラブ首長国連邦)を見てみろ。めちゃくちゃ安物のドローンが、世界最高級の防衛システムをあっさり突破して、空港や滑走路を使いもんにならなくしてもうた。ドバイやUAEには、インドの巨大コンボナートをはじめとした国際企業がぎょうさんおるけど、全部ストップや。
そこには460万人ものインド人ビジネスオーナーがいて、いまや足止めを食らっとる。彼らは経済の要や。さらに欧州人やアメリカ人も何百万人と閉じ込められとる。脱出するには山を越えてマスカット(オマーン)まで行かんと、飛行機すら見つからん状況や。
石油インフラへのダメージも、まだ始まったばかりや。サウジアラビアの製油所が叩かれた証拠も出とるし、これからもっと増えるやろう。
これは長い地域戦争の幕開けや。インド、北東アジア、トルコ、欧州……全世界がこのイスラエルとイランの戦争に巻き込まれとる。
おかしな話やけど、この戦争は「米イスラエル共同作戦」で始まったんやない。イスラエルが勝手に始めたんや。ルビオ国務長官が「G8(上院の重要メンバー)」に話した内容によると、イスラエルが攻撃を開始した時、アメリカには何の連絡も警告もなかったらしいわ。「やるかもしれん」とは思っとったけどな。
それでアメリカは、準備も満足にできてへんのに「しゃあない、混ぜてくれ」って後から参加したわけや。で、今になってイランのミサイルの洗礼をまともに浴びとる。
F-15戦闘機が3機墜ちたな。軍は「味方の誤射」やと言うとるけど、イランがやったっていう説も根強い。どっちにしろ機体は失われた。パイロットは助かったけど、兵士や水兵、海兵隊員に犠牲者が出とる。公式には3、4人やと言うとるが、実際はもっと多いはずや。
これからどうなるか? 長期戦やな。ヘグセス国防長官やトランプはんが「テロ支援国家をイスラエルとアメリカに屈服させたると」威勢のええことを言うとるけど、あんなん不注意でアホな発言や。現実を全く見とらん。
グレン、もし本当に「過激派イスラム」を叩きたいんなら、今見るべきはパキスタンや、ISISやアルカイダの残党がおるシリアのはずや。でもあいつらは議論にすら上らん。特にパキスタンは長年テロリストの温床やったのにな。
つまり、この戦争は「イランを叩き潰して、イスラエルの軍事的覇権(あるいはユダヤ至上主義)の邪魔者を消す」っていうイスラエルの利益のためのもんなんや。
アメリカはもう後戻りできんところまでコミットしてもうた。けど最後は「ロジスティクス」が勝敗を決めるやろう。アメリカのミサイルはいずれ底をつく。
トランプはんも顧問たちも、まさかイランとこんな泥沼の長期戦になるとは夢にも思ってへんかったやろうけど、現実にはもうその真っ只中におるんや。
グレン:大佐、軍事目標だけやなくて、大佐が言うたみたいに港、製油所、商船、空港……挙句の果てにはホテルまで攻撃されとる。明らかに民間施設もターゲットになっとるみたいやけど。
これってあんたから見て予想外やった?
それと、イラン側の「損得勘定」をどう評価しとるんやろう。
イランとしては、相手にできるだけ痛い思いをさせたいんやろうけど、あんまりやりすぎて外から他の連中を引き込みたくはないはずやんか。
湾岸諸国はもちろん、ヨーロッパの連中だって「自分らの資産や基地、同盟国を守るために参戦するぞ」って言い出しとる。そんなリスクを冒してまで、なんでこんな広範囲に手を出してんのか……。イラン側の計算をどう見とるん?
大佐:イラン側からしたら、UAE(首長国連邦)やサウジが「二枚舌」を使って、自分らにええ顔しながらアメリカ側とも通じとったんは百も承知や。だから、あいつらが攻撃されてもイランは何とも思っとらんし、自分らが激痛を味わっとる以上、世界にも同じ痛みを味わせたるっていうのは、何ら不思議なことやないわ。
欧州の連中にしたって、最初からイランが自分らの脅威やなんて思っとらん。「イランのミサイルから欧州を守るためにルーマニアに迎撃基地を作る」なんてアメリカが言うとったけど、あんなん誰も信じとらん笑い話や。
イギリスが戦闘機を送ったらしいけど、キプロスの基地を叩かれてもう動かれへんのちゃうか。欧州の参戦なんてただの「口先だけ(ホットエアー)」やろ。自分らの国の国民が、こんな戦争のために命をかけることを許すとは思えんしな。
欧州の連中はアメリカ人よりその辺は賢いんや。イランが「文明国家」としてのペルシャであり、第一次世界大戦後に無理やり作られた他のアラブ諸国とは格が違うってことを理解しとる。
俺が本当に注目しとるんは、中国とロシアや。あいつらがいつまで黙って見とるか。イランが生き残るんは、あいつらの「一帯一路」やBRICSにとっても死活問題やからな。
トルコだって、イランに生き残ってほしいと思っとる。インジルリクのアメリカ基地が壊されたって、トルコ人は文句一つ言うとらんぞ。あそこから勝手に他国を攻撃されるのをずっと嫌がっとったからな。
これはもう「サイクス・ピコ協定(かつての大国による中東分割)」の終わりや。地図が書き換わるぞ。ペルシャ湾の世襲独裁政権が今の形で生き残れるとは到底思えん。
経済的にも大惨事や。インドはもうアメリカに見切りをつけて、ロシアから石油を買い始めとる。当然の判断やな。
ドルの価値も、高度とスピードを失って墜落しとる。アメリカにとっては、経済的にも財政的にも「カタストロフィ(大破局)」や。
アメリカはこれまで、世界中に「俺たちの軍事力を恐れろ」って吹聴してきた。やったら、結果を見せなあかん。
逆に、イランは「ただ生き残るだけ」でええんや。戦争が長引けば長引くほど、アメリカとイスラエルは弱く見え、イランは強く見える。イランがワシントンに電話して「降伏します」なんて言うわけがない。
結局、俺たちは中東から叩き出されることになるやろな。イラクでもシーア派が立ち上がって、政府も「米軍は出ていけ」と言うとる。ペルシャ湾の連中だって、自分らの港や空港の近くにアメリカ軍におってほしくないはずや。
イスラエルのアイアンドームも、もうまともに機能しとらん。イランの技術は俺たちの予想を遥かに超えとった。大量の囮(デコイ)をバラまいて、俺たちがそっちに気を取られとる間に本命をぶち込んでくるんやからな。
笑えるんは、西側のメディアがいまだに「アメリカとイスラエルは大勝利や!」っていうお花畑な絵を見せとることや。世界中の他の連中が、もうそんなもん信じとらんのにな。
グレン:ほんまそうですわ。最近のメディアを見とると、もう「イランの新政府とどう付き合うか」なんて、取らぬ狸の皮算用を始めとる有様や。現実とナラティブ(物語)がこれほど乖離しとるのも、薄気味悪い。
でも、これが長期戦になるんやとしたら、アメリカとイスラエルはどうやって「消耗」していくんやろう? 大佐は、あいつらが先に力尽きるって言うとったけど、具体的には何が限界にくると思ます?
迎撃ミサイルが底をつくんか? それとも、イランを叩く能力そのものが限定的になってしまうんか?
あるいは、アメリカが折れる前に、湾岸諸国の方が「もうええ加減にせえ、ええ加減に戦争終わらせろ!」ってアメリカにブチ切れて要求してくるんやろうか。あんたの見立てはどないですか?
大佐:俺たちがいつも艦隊の補充やミサイルの積み込みに使っとった港は、いまや全部破壊されてしもたんや。つまり、補給したかったらインドまで下がらなあかん。この距離は致命的やで。イタリアまで退くこともできるやろうけど、とにかく今まで当たり前にできとったことが、何一つ通用せんようになってもうた。戦争っていう作業が、とてつもなく困難な仕事に変わったわけや。
ホルムズ海峡だけやない。実質的に紅海も封鎖されとるから、スエズ運河も死んだも同然や。ビジネスの先行きは真っ暗、軍事的にも大問題や。
何より、俺たちのミサイルの製造スピードが、消費スピードに追いついてへん。これまでウクライナに膨大な数のミサイルを送り続けてきたツケが、今ここに来て激痛となって襲いかかっとるんやわ。
あと数日もすれば、ミサイルを「節約」せなあかんくなる。そうなれば、飛んでくる敵の弾を落としきれんようになる。向かってくるミサイル1発に対して、こっちは最低2、3発は撃たなあかんからな。
しかも、極超音速ミサイルは今の技術じゃ落とせへん。マッハ3から6で突っ込んでくるバケモノを止める力は、今の俺たちにはないんや。
ロジスティクスの面で、間違いなく巨大な壁にぶち当たる。そこで戦いが一時停止するかもしれんな。
そこで誰が仲介に入るかやけど……ロシアや中国もええけど、俺はインドが一番適任やと思っとる。モディ首相がこの前イスラエルに行ったんは失策やったと思うけど、インドとイランは文化的に深い繋がりがある。サンスクリット語やインド文明は、ペルシャ文明の一部でもあるからな。この「差」を埋められるんはインドかもしれん。
ただ、現実を見てみよか。イランはカオスになんてなっとらん。
確かに最高指導者のハネメイ師を殺害したけど、それでイランの団結力や指揮系統が乱れたっていう証拠はどこにもない。
それに、イランの攻撃能力はあちこちに分散(デコイも含めてな)されとる。移動式の目標を叩くのは、歴史的に見ても俺たちが一番苦手なことや。
ぶっちゃけ、近い将来にええニュースなんて一つもない。ワシントンがこの惨劇を終わらせるために、誰か仲介者と話しとることを願うばかりやけど……。
先週末、トランプ政権が交渉に関心を示したらしい。どのルートかは分からんけどな。
それに対するイランの返答はこうや。
「ノーどころか、地獄へ落ちろ(Hell No)」や。
グレン:つまりイランは、今はこの戦争を終わらせる気がない、と。
まあ、今ここで中途半端に止めてもうたら、相手(アメリカ・イスラエル)がまた数週間でミサイルを補充して、また攻めてくるかもしれん。そんなんイランからしたらアホらしいわな。
大佐、それならイランはこの戦争を通じて、一体何を勝ち取ったら幕引きにするつもりやと思う? 彼らが納得する「終わりの条件」は何やろか。
大佐:(イランが公式に)何て言うかは分からんけど、あいつらが望んどるんは「俺たち(米軍)を中東から叩き出すこと」や。
皮肉なことに、俺たちはその要求に従うことになるやろ。なぜなら、この戦争を招いたんは俺たち自身やし、ガザでの大量殺戮と追放で世界中から蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われとる「パリア(のけ者)国家」イスラエルとべったり組んでしもたからや。
この戦争で、状況はさらに、さらに悪くなる。
トルコはもう、俺たちに「出ていけ」って言いやすくなったはずや。ペルシャ湾の国々からも、丁寧にお引き取りを願われることになるやろうな。要するに、アメリカはイスラエルの利益のために、自分たちの戦略的地位をドブに捨てとるんやわ。
しかも、それでイスラエルが救われるわけでもないっていうのが救えんところやな。
この余波は世界中に広がるで。朝鮮半島におる連中は、もうアメリカ軍の駐留に飽き飽きしとる。中国が戦争を始める気がないのは分かっとるし、韓国の連中は「アメリカさんには帰ってもらって、中国と協力して半島の統一と安定を考えようや」って言い出すやろう。
日本人もこの惨状を見て、「アメリカとこれ以上ベッタリで本当ええんか?」って疑い始めとるはずや。
結局な、俺たちは「無敵で、傷一つ負わん、圧倒的な存在」に見え続けなあかんかったんや。でも、今や俺たちは自ら、避けられたはずのトラブルに首を突っ込んで、弱さを晒してもうた。
軍事力っていうのはな、実際に使うまでは誰もその「底」が分からんもんや。
1940年、みんな「最強のフランス軍がおるから安心や」って言うとった。装備も戦車も一番やってな。でも、蓋を開けたらあっという間に崩壊したやろ? イギリス軍も同じやった。
今、俺たちは「古い時代の終わり」と「新しい時代の始まり」におるんや。
未来の新しいルールは、もうワシントンでは書かれへん。それはアジアや中東、ヨーロッパの……その土地の人間(先住民)たちの手によって書かれることになる。
どれくらい時間がかかるかは誰にも分からん。けど、いま現在、イランは激痛に耐えながらも、同じかそれ以上の痛みを俺たちに食らわせとる。
あいつらにとって、今さら戦いを止めるメリットなんて、どこにもないんや。
もしアメリカを中東から追い出そうと思ったら、狙うべきは3つのエリアやな。
一つ目は軍事基地。これはもう現にボコボコにされとる。二つ目は経済的利益。
そして三つ目が、あんたも言うた「アメリカの信頼(クレジット)」や。
「アメリカは全能や。安全を確保したい国は、アメリカと組むのが一番や」……そんな神話やな。
グレン:この信頼が粉々に砕け散った時の地政学的な影響を、あんたはどう見てはります?
これって、トランプはんが一番やりたかったことの「真逆」やんか。
彼は圧倒的な強さを見せつけて、敵をビビらせて黙らせる(スタンド・ダウンさせる)のがやり方やったはず。
ウィトコフも言うとったけど、こんだけ米軍の力を見せつけてんのに、イランが降伏せえへんことにトランプはんは心底驚いとるらしいな。
もしここで、アメリカ側が「すんまへん、やっぱり無理でした」って話を巻き戻して、なんとか体面を保てる出口(ディグニファイド・イグジット)を探さなあかんようになったら……一体どうなってしまうんや?
大佐:トランプはんが世界で一番やりたくなかったこと、それは「惨めな撤退」やろうな。
確かに、最初の24時間から36時間で、俺たちの戦術的な優位性は証明できた。最高指導者だけやなく、重要人物を何人も始末したからな。
でもな、戦術は「戦闘」には勝てても、戦略がなければ「戦争」には勝てんのや。俺たちには、その戦略がこれっぽっちもない。
目的は何や? 「政権交代」か? やけど、イランっていう国を見てみろ。人口9,300万人、西ヨーロッパと同じくらいの広さがある巨大な国や。それが今、バラバラになるどころか、がっちり一丸となって持ちこたえとる。
政府が倒れんのやとしたら、あとの戦略は何やねん。「お願いやから止めて、何でも言うこと聞くから!」ってあいつらが泣きつくまで、ミサイルを撃ち続けるだけか? そんなん現実的な目標やない。
国務長官は「自分たちが始めた戦争やないが、自分たちが終わらせる」なんて抜かしとるけど、笑わせるな。イスラエルが始めて、俺たちがそれに飛び乗ったんや。戦争の理由なんて全部こじつけやし、40年も前の話を引っ張り出してくるなんて、絶望的にアホらしい。
ロジスティクスの数字を見れば一目瞭然や。俺たちの手元にはミサイルが4,000発程度しかない。それに対して、イランは45万発持っとるんや。この差をどう埋めるつもりや?
リーダーを殺すことはできても、「文明」を爆撃で屈服させることはできひん。俺たちはイランを「過激なイスラム国家」やと思い込んどるけど、実体は「ペルシャ文明」そのものや。
イランの連中は、イデオロギーに凝り固まったイスラムからはもう距離を置いとった。でもな、ハネメイ師が殺された時、街でダンスして喜ぶ奴なんておらんかった。あいつらは、ハネメイ師が自分の死を悟りながらその場に留まり、国のために命を捧げた「謙虚で立派な人間」やと知っとるからや。
俺たちは彼を「殉教者」にしてしもたんや。イスラムが嫌いな連中ですら彼を敬うようになり、国中が俺たちに対して結束してもうた。
これが俺たちの悪い癖や。自分たちの価値観や経験を、無理やり他人に押し付ける。ヨーロッパならまだしも、中東やアジア、アフリカやラテンアメリカには通用せん。
世界は変わっとる。古い世界が終わり、新しい世界が生まれようとしとるのに、俺たちは必死でそれに抗っとるだけや。もう、世界の未来は俺たちの手では書かれへん。
この戦争の「勝利」とは何や? 本来なら「安定」のはずやろ。
やけど俺たちは、市場も、貿易も、国家間の信頼も、全部ぶち壊してしもた。
アメリカは「全く信用できん国や」っていうことを、これ以上ない形で証明してもうたんや。
俺はずっと前から「イランを叩くことはもう決まっとる」と言うてきた。交渉なんてただの作り話やった。そのせいでロシアや中国との関係もボロボロ、中東での立場も消滅した。
いまやアメリカは、イスラエルと一緒に「のけ者(パリア)国家」の隅っこに追い詰められとるわ。
インドを見てみろ。毎日ペルシャ湾から260万バレルの石油を運んどる。それが止まったら、投票もしてへん戦争のために、全インド人が「戦争税」を払わされることになる。原油が10ドル上がれば、インド経済には150億ドルの負担がのしかかるんや。
でも、俺たちはそんな他人の痛みなんて考えもしない。その代償を、これから嫌というほど払わされることになる。
グレン:大佐、これってまだ始まったばかりやね。
1年前、トランプはんが政権を取った時、彼はそれなりに正しい考えを持っとるように見えた。俺がアメリカを心配しとったんは、過去30年の「自分をすり減らして、他の大国(中露とか)を団結させてまう」っていう戦略がもう限界やってこと。
だから、アメリカがちょっと身を引いて、自分のポジションを固め直すのは理にかなっとった。欧州や中東から手を引いて、西半球(自分とこの足元)に集中する……まあ、ベネズエラへの介入が天才的やったとは言わんけど、少なくとも「ホームランド」を向いとったはずやんか。
それが一体どうしたんや? 1年経っても、まだウクライナにどっぷりや。そこで本来中東で使えるはずやった防衛システムや武器を山ほど配り歩いてしもうた。
その上で、今度は中東にまでリソースを湯水のように注ぎ込んどる。
「引き際をわきまえる」はずやったトランプはんの戦略が、なんでこんなにボロボロになってしもたんや? 説明してくれる。
大佐:まず、そもそも「戦略」なんてこれっぽっちもない。
新しい国防軍事戦略が発表されたけど、あんなん守っとる証拠なんてどこにもない。
「西半球(自分の足元)に集中する」っていうのは、近所の国(ベネズエラとか)に攻め込むことやないやろ。ほんまにバカバカしい。
前にも言うたけど、「過激派イスラムを叩く」と言いながらイランを攻撃するなんて、理屈が通らんのや。パキスタンやシリアを標的にするならまだ筋が通るけどな。
それにな、俺たちの国には深刻なドラッグと人身売買の問題がある。その元凶はメキシコや。それが一番の脅威やのに、なぜか関係ないベネズエラを攻撃しよった。
ベネズエラは俺たちとビジネスする気満々やったんやで。それを大統領夫妻を拉致して、金で現地の奴らを買収して道を作らせて……それで「輝かしい軍事作戦」やと? 笑わせるな。あれは軍が手伝っただけの「警察のガサ入れ」や。戦略でも何でもない。
結局、俺たちはベネズエラをコントロールできてへんし、あいつらはいくらでも粘れる。その間、メキシコ国境のドラッグは止まっとらんのや。
まともなアメリカ人なら中東を見てこう言うはずや。「ここに米軍の力なんていらん。首を突っ込めば台無しにするだけや」ってな。
それが一時的にイスラエルの得になるかもしれんが、俺はイスラエルのためにもならんと思っとる。あいつらが公言しとる「大イスラエル(周辺の土地を奪って巨大化する計画)」なんて、成功するわけがない。
そのせいで地域中を敵に回して、孤立してもうた。この戦争が終わる頃には、「イスラエルは生き残れるんか?」っていう問いにぶち当たっとるやろうな。
イラン(ペルシャ)は生き残る。あそこは2,700年も続いてきた文明国家や。中国やインドと同じやな。
問題は、こんなアホな戦争に首を突っ込んで、俺たちアメリカ人が生き残れるかどうかってことや。俺たちは世界の中じゃ新参者やし、「文明国家」ですらないんやからな。
これから数週間のうちに、こういう話がどんどん出てくるやろう。
今のところトランプはんは、ただ「攻撃を続けろ、爆撃しろ」と命令するだけや。それしかできんからな。制裁をさらに強めるって脅すやろうけど、もうそんなもん効き目はないし、かえってイラン人の怒りを買うだけや。
俺には、アメリカにとってええ結末なんて一つも見えん。
でもな、ペルシャはこの戦いから、以前よりもずっと強く、大きな影響力を持つ存在として再び現れることになるやろうな。
グレン:大佐、あんたはさっき「イスラエルは生き残れんかもしれん」と言ったな。
それは一体、どういう風に進んでいくと思う?
アメリカが一方的に手を引くからか? それとも、この戦争がもたらす経済的なダメージに耐えられんくなるからか?
国民が次々と国を捨てて逃げ出すんか。それとも、軍事的に完全に敗北してまうんか。
一体、どんなルートでそこへ向かうと思う?
大佐:ネタニヤフはんが言うとる「7つの戦線」とやらを、もういっぺん聞き直してみ。あんなもん、続くわけがないやろ。
今、イスラエルはさらに10万人の予備役を動員しようとしとるらしいけど、一体そのうち何人が実際に応じるか見ものやな。
「空爆だけじゃラチがあかんから、レバノンに侵攻してヒズボラを叩く」なんて話も出とるけど、そんなことやっとったら、いずれイスラエルはウクライナと同じように、ヘトヘトに疲れ果てて完全に「弾切れ(タップアウト)」してまうぞ。
今のウクライナを見てみろ。「ロシアが生き残れるか」なんて誰も聞いてへん。「ウクライナが生き残れるか」が問題なんや。
仮に生き残ったとしても、昔の姿やない。イスラエルも同じやな。何らかの形で存続はするかもしれんけど、今みたいな形ではもうおられんやろう。
物事は色んな要素に左右されるけど、一番大事なんは「トレンドライン(傾向)」や。そして今のイスラエルにとって、そのトレンドラインはこれっぽっちもええ方を向いてへんのやで。
グレン:大佐、これからの数日、数週間で一体何が起きると思う?
さらに事態が悪化(エスカレーション)するとしたら、どんな形になるんやろ。
大佐:アメリカが今さらやり方を変えるとは思えんし、せいぜい今やっとる「爆撃」を続けるくらいやろうけど……イラン側がどう動くかが読めん。
あんたの言う通り、これはもうとっくに地域紛争の枠を超えとる。
これが「世界大戦」にまで発展する可能性はあるんか?
例えば、中国やロシアが参戦する条件って何やろ。彼らからしたら、「イランが自力でアメリカをボコボコにしとるから、わざわざ手出しせんでええわ」って高みの見物しとるようにも見えるけどな。
もし、イスラエルがイランの執拗なミサイル攻撃を止めるために、戦術核、あるいは何らかの核兵器を使う決断をしたら……事態は劇的に変わる。そうなれば、イスラエルが生き残れるかさえ怪しいな。
その瞬間、ロシアと中国は間違いなく介入してくる。「これ以上続けるなら、俺たちもイスラエルとアメリカに対して直接参戦するぞ」と、はっきり突きつけてくるやろう。
イスラエルがすぐに核を使うとは思わん。けど、もしイランが攻撃を止めず、自分たちが追い詰められた時、「核をぶち込むぞ」と脅す……そんな未来は十分にあり得る話や。
問題はな、俺たちはイスラエルをコントロールできてへんってことや。むしろ、イスラエルが俺たちをコントロールしとるのが現実や。
もし俺たちがイスラエルを止められず、あいつらが核を使い、そこでロシアと中国が出てきたらどうなる? しかも、そのタイミングは、俺たちの武器庫が空っぽになった時なんや。
ウクライナの代理戦争でも、裏では「これ以上は危険や、備蓄を考えろ」っていう慎重論があった。でも、ロシアが負ける気配もなく、制裁も効かへん現実を前に、その慎重さはどこかへ消えてもうた。ドイツ、フランス、イギリス、そしてアメリカも、ウクライナに注ぎ込みすぎて予備の弾薬を使い果たしてしもたんや。
そんな状況で、ロシアと中国が「核の使用は許さん、止めろ。さもなきゃこっちも核で応じるぞ」と言うてきたら、一体どうする?
俺たちが言えるんは一つだけや。イスラエルに対して「もう止めろ。止めへんのなら、俺たちは帰らせてもらう(見捨てる)」ってな。
結局、そこに行き着くことになるやろう。
それは、トランプはんたちが計画しとった結末とは正反対や。あいつらは「テロを支援して世界を脅かす悪の指導者どもを屈服させた」っていうエンディングを描いとった。
でも、現実はそうならん。イランは屈服せえへんし、屈服させることもできんのや。
グレン:ウクライナ戦争の時も最初はみんな慎重やった。武器を送るのすら渋っとったのに、今やドイツのメルツ首相なんて「ロシアに甚大な損害を与えた」と豪語しとる。2022年の最初には考えられんかった光景や。
このイランとの戦争も、エスカレーションの速度が尋常やない。
最後に一つ聞かせてほしい。トランプはんがこの戦争を終わらせる「道筋」は残っとるんか? それとも、イランが「アメリカを中東から叩き出す」まで、もう止まることはないんやろうか。
大佐:ええか、今のワシントンを動かしとるんはネタニヤフや。ネタニヤフの言うことを注意深く聞いとけば、トランプはんが次に何をするか丸分かりや。はっきり言うて、トランプはんは自由な立場やない。ネタニヤフから指令を受けとるし、国内からも特定の方向に動くよう突き上げられとる。
だからな、ワシントンの姿勢が近いうちに変わるなんて、俺はこれっぽっちも思っとらん。
みんな「爆撃を続けろ、ミサイルを撃ち込め、そうすりゃ最後には勝てる」なんて言うとる。昔、コソボで78日間も爆撃を続けた時もそうやった。でもな、あの時セルビアが折れたんは空爆のせいとちゃう。ロシアが「冬の間、燃料も食料も薬も支援せえへんぞ」ってセルビアを見捨てたからや。アメリカがロシアと裏で「ディール」した結果やな。今のロシアはこの出来事を「歴史的屈辱」として刻んどる。
でも、今のロシアはあの時ほど弱くない。中国もや。アメリカ政府が認めたがらんだけで、世界はもう昔みたいに弱くないんや。いま俺たちがミサイルや通常兵器でやり合っとる相手は、ほぼ「対等なライバル」なんやで。そんなん、昔の俺たちには想像もできんかったことやな。
ウィトコフはんが言うた通り、トランプはんはイランがまだ降伏せえへんことにショックを受けとる。なぜか? 彼の基準は「ニューヨークの不動産ビジネス」やからや。
「これだけの損害を与えたら、普通は泣きついてきて、俺の言う通りの条件で契約書にサインして、さっさと立ち去るもんやろ」ってな。
アホ抜かせ、ここはニューヨークやない。ここは「文明国家」や。アメリカの軍事力を後ろ盾にしたイスラエルの要求に、イランが屈することなんて絶対にあらへん。
今のトランプはんのやり方じゃ、どこにも辿り着けんやろう。
ただ、みんなが注意して見とかなあかんのは「債券市場」や。特に10年物国債の利回りを見てみろ。脱ドル化が進んで、俺たちの財政的な弱さが露呈しとる。
2008年のリーマンショックを遥かに超えるような、深刻な金融危機が襲ってくるかもしれん。これが、俺たちを中東から叩き出す決定的な要因になるやろうな。
結局、何が起きるにせよ、俺たちは「古い中東」の終わりを目撃しとるんや。
アメリカの軍事的覇権と、政治的な支配が終わる瞬間をな。


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