2026年10月29日木曜日

キット・クラレンバーグ:大英帝国崩壊のきっかけをつくったのはサウジアラビアみたいやで

https://www.kitklarenberg.com/p/collapsing-empire-saudi-arabias-unknown

崩壊する帝国:サウジアラビアの知られざるブレグジット介入

2026年10月18日

イギリス首相のアンディ・バーナムが、2016年6月のブレグジット国民投票にロシアが「干渉」したて堂々と非難したもんやから、すっかり忘れられとった「外国の悪意ある影響が投票結果を左右したんちゃうか」ゆう論争がまた火ぃついたんや。何年にもわたって、キャロル・キャドワラダーをはじめとする諜報機関とつるんどるようなメディアの連中が、この疑惑を売りにしてキャリアを築いてきたんや。EU支持派には「結果をひっくり返せるかもしれん」ゆう期待を抱かせたけど、結局、中身のあるもんは何も出てこんかった。それに引き換え、サウジアラビアが絡んどる、影響力もありそうで、違法の可能性も高うて、どう見ても不気味な介入は、今になっても知られてへんし、調べられてへんし、誰も罰せられてへんのや。

2017年2月から、openDemocracyが衝撃的な調査報道を次々出しはじめたんや。素性の知れん政治キャンペーン団体が、「占領下のアイルランド」の親ブレグジット政党、民主統一党(DUP)に、なんと42万5000ポンドゅう途方もない大金を寄付しとったゆう話や。その金は、「本土」全域での「離脱」キャンペーンに使われたんや。イギリスの選挙法の抜け穴のおかげで、海峡の向こうまで宣伝攻勢をかけられたし、「占領下のアイルランド」の法律は匿名の寄付を認めとったんやな。openDemocracyが問い合わせて初めて、DUPは、このダークマネーの出どころがそれまで無名やった「憲法研究評議会(CRC)」やったと認めたんや。

CRCにはウェブサイトもネット上の痕跡もなかったし、会社としても慈善団体としても、どこにも登記されてへんかった。誰が運営して、誰が資金を出しとったんかも分からんままやったんや。スコットランドの政治家で、元「保守党イスラエル之友」の代表やったリチャード・クックが、openDemocracyに「わしがCRCを率いとった」と言うて、「憲法面で連合維持を支持する運動」に資金を出しとったと主張したんや。DUPの離脱キャンペーンはその一例で、国民投票のあとに当時のブレグジット担当閣外相スティーブ・ベイカーに個人的な寄付をしたんも、もう一例やった。2013年、クックはナワーフ・ビン・アブドゥルアジーズ王子と一緒に「ファイブ・スター・インベストメント・マネジメント」を立ち上げとるんや。

CRCの登記上の住所はクックのグラスゴーの自宅で、決算書は一度も出されへんまま、2014年12月に解散しとる。アブドゥルアジーズが亡くなる9ヶ月前のことやな。この人は、2001年9月1日から2005年1月まで、リヤドの総合情報庁を率いとったんや。この機関は、CIAの「代理」として9.11と深いつながりがあったんやで。彼の長男で、メガヨットを持っとるムハンマド・ビン・ナワーフは、2005年1月から2018年12月まで、サウジの駐英大使を務めとった。サウジの金持ち連中、王家の面々も含めて、イギリスがEUを離れたら得することがぎょうさんあったんや。

まず、ブレグジットのあとにポンドの国際的な価値が必ず暴落するはずやから、それを利用して、湾岸の投資家らがイギリスの不動産や商業資産を前代未聞の安値で大量に買い込もうとしとる、ゆうんは公然と報じられとったんや。それに、リヤドは、ロンドンがヨーロッパ以外の同盟国と経済、軍事、政治のつながりを深めようとしたら、有利な貿易協定が結べるし、人権侵害への非難も冷え込む、ゆうこともよう分かっとったんや。あの頃も今も、サウジアラビアはイエメンへの虐殺的な攻撃を主導しとって、イギリスがその紛争に欠かせん物資面の支援をしとることをめぐる法廷闘争も続いとったんや。

ロンドン駐在の大使やった以上、アブドゥルアジーズの息子が、同時に、あらゆる面で両国の今後の関係についてイギリス政府の高官らと、内輪で突っ込んだ協議をしてへんかったなんて、とても考えられへんがな。国民投票のあと、テリーザ・メイがダウニング街に入ってからは、彼女と主要閣僚らが、権威主義の政権の代表らと目立つ形で会うようになって、投資の拡大を求めたり、武器販売の拡大を持ちかけたりしはじめたんや。「グローバル・ブリテン」ゆう大げさなスローガンの下でな。ロンドンの新帝国主義的なブレグジット後の世界構想の中で、サウジアラビアは大きな存在やったんや。

「競争の時代」

結局、「占領下のアイルランド」では56%が「残留」に投票したんや。ところが、DUPの42万5000ポンドのダークマネーの運動予算、「占領下のアイルランド」の政治史上最大の政治献金のうち、地元に向けられたんはたった1万ポンドだけやった。残りはイギリス全土で使われて、お金を出してやらせたSNS投稿、「離脱」柄の衣類、それにいろんな広告に消えたんや。その中には、国民投票の2日前に、ロンドンでよう読まれとる無料の新聞に出した豪華な見開きの広告もあったんやで。えらい都合のええことに、DUPのこの散財が始まったんは、「離脱」陣営全体にとってごっつう微妙な時期やったんや。

国民投票の2ヶ月前、超党派の公式親ブレグジット運動「ヴォート・リーブ」の最高責任者マシュー・エリオットは、幹部スタッフに送ったメールで、DUPには70万ポンドの国民投票支出の上限があって「それを全国で使える!」と、はしゃいで書いとったんや。その時点では、DUPは国民投票の参加者として正式に登録すらしてへんかった。党が登録したんは2016年5月下旬で、支出を始めたんは投票まであと2週間ゆう時や。ちょうど、ヴォート・リーブが認められた運動予算をほぼ使い切ったタイミングやったんや。

DUPは、ヴォート・リーブが選挙の支出上限、つまりイギリスの法律をかいくぐるんを手助けしとったように見えるんやけど、両者とも、そんなことはしてへんと否定したんや。ブレグジットの両陣営への資金の流れは、国民投票の結果とほとんどそっくりで、寄付の54%が「離脱」に流れて、得票は52%やった。ヴォート・リーブとリーブ・EUは、のちにどっちも選挙資金法違反で罰金を食らったけど、2017年5月、選挙管理委員会はCRCからDUPへの寄付を調べへんことにしたんや。openDemocracyの調査も、イギリスの新聞にはまるっきり載らんかったんやで。

あの金を返さなあかんとなってたら、DUPは破産しとったやろな。ところが、テリーザ・メイが2017年6月の総選挙で議会の過半数を失ったあと、彼女は政権にしがみつくために、この党と「信任・財政支援」の取引を結んだんや。ブレグジットの国民投票で、サウジが絡んどる形跡まであるDUPの露骨なダークマネー介入を調べようゆう政治的な意思がなくなるんは、これで決まったようなもんや。皮肉なことに、首相は、EU加盟国が離脱するための法的な仕組み、50条の発動を、リヤドでの注目の貿易交渉で幕開けしたんや。

もしサウジ王家が、イギリスのEU離脱を強いた件で何かしらの責任があるんやったら、そら、みんなにとって見事に裏目に出た、暗躍の賭けやったことになるわな。2016年6月の国民投票が解き放った新帝国主義の幻想は、2021年3月の鳴り物入りの「統合レビュー」でピークに達したんや。これは、ロンドンの「安全保障、防衛、開発、外交政策」を総ざらいで見直すゆうもんやった。「競争の時代におけるグローバル・ブリテン」ゆう題で、ブレグジット後にこの国が超大国の地位を取り戻すための包括的な戦略を描いとったんや。

イギリスの「中東と湾岸での活発な関係」、特にサウジアラビアとの関係は強化されることになっとって、アジア太平洋への、これから来る大きな進出の一環として活用される予定やったんや。一方で、統合レビューは、ロンドンに「海上交通路を守って航行の自由を守るために、もっと多くの海軍の艦艇を世界中に展開する」ことを求めとった。ほんで、英国のバーレーンの海軍基地HMSジュファイルから、王立海軍が「湾岸での貿易の流れを確実に守り続ける」と威張っとったんや。

「これから先の数年」

ところがや、今年の1月になって、ロンドンはひっそりと、HMSジュファイルから最後の艦船を引き揚げてしもた。戻る気も力もなさそうな感じで、基地を事実上放棄したんや。46年ぶりのことで、何世紀も続いてきた湾岸でのイギリス軍の恒久的な駐留が、これで終わったんやな。この占領は、サウジアラビアそのものの成立を助けたし、湾岸と西アジア全体でのイギリスの力の行使も支えとったんや。それが今や、ロンドンは、ますます不安定になるこの地域で、意味のある影響力をまるで持ってへん。となると、現地のイギリスの代理や傀儡がこの先どれだけもつんかゆうて、当然の疑問が湧いてくるわな。

この無力さは、イギリスにはどうにもできん、ブレグジットよりはるかに革命的な地政学上の大激変にまっすぐ原因をたどれるんや。2021年8月下旬、アメリカがついにアフガニスタンから去った。その前の数週間、イギリスの当局者らは必死にワシントンに方針を変えてくれと頼み込んで、自分らが主導する別の「有志連合」でカブール占領を続けようかと検討までしたんや。けど、その幻想は、現実と最初にぶつかった途端に砕け散って、ロンドンはあらゆる分野で自分らの新帝国主義の妄想を考え直さざるを得んようになったんや。「激怒」したイギリスのある閣僚は、内輪でこない言うたそうや。

「アメリカは、自分らは世界で役割を果たすことにそこまで熱心やないて、世界に向けて合図を出したようなもんや。その意味はとんでもなく大きいで…統合レビューを出して、黄色いペンを持って読み直さなあかん。中国やろうが中東やろうが、わしらの前提も政策も全部、容赦なく見直さなあかんようになる…ブレグジットも最悪やったけど、これはもっとひどい。岩の上に建てたと思っとった城が、砂の上やったんや」

統合レビューは、ほどなく撤回されて、2023年3月に正式な「リフレッシュ」が出されたんや。当初の野心はごっそり弱められとった。中国を「戦略的競争相手」て呼んどった狂った議論もなくなったし、ロンドンが予定しとったアジア太平洋への「傾斜」も消えたんや。サウジアラビアが出てくるんは短く2回だけで、それもロンドンの「将来のエネルギー安全保障」を支えるゆう文脈やった。湾岸全体もほとんど扱われんと、2021年以降のイギリスとこの地域のつながりが「深さも質も急速に増した」とされとるとか、それが「これから先の数年」でさらに強まる見通しやとか、あやふやな言及があるだけやったんや。

またしても、出来事が割り込んできて、この大幅に縮小された構想さえぶち壊したんや。ガザの虐殺とそのあとに続いたもんのせいで、西側は「抵抗」との戦争態勢に入ってしもて、軍事的には取るに足らんイギリスは、端役を演じるのがやっとなんや。一方で、リヤドの存続は、今まさに危うい瀬戸際にぶら下がっとる。カオス理論の言うとおり、イギリスとそのサウジの子分をこのみじめな状態に追い込んだ、数々の大惨事と見当違いの思い上がりをたどっていったら、10年以上前のDUPへのダークマネー献金に行き着くかもしれんのや。

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