2017年6月2日金曜日

カイザーリポート 第1078回 グローバル時代の終わりの始まり

[KR1078] Keiser Report: Germany vs USA in era of deglobalization
Posted on June 2, 2017
 例によってふたりの掛け合いです。グローバル化時代が終わるきっかけとなるのはドイツじゃないかという話から始まります。
70%のエネルギーをロシアから輸入するドイツはロシア・中国・イラン陣営にいくのか、それとも英米陣営にとどまるのか。いずれにせよ両陣営は衝突するのでしょうか?そういう時代に自己防衛するにはビットコインだろうとマックスはいいます。
トランプは自動車をアメリカに売りつけてばかりいる「ドイツはバッドだ」と言いますが、ドイツ銀行はトランプの最大の債権者なので、金を貸してくれている人の悪口をトランプは言っていることになる、しかも返す当てがないのに・・とふたり(マックスとステイシー)は笑います。しかもBMWが世界最大の自動車工場をサウス・カロライナ州につくると発表したにもかかわらず・・です。この工場はすでに稼働20年、地元のアメリカ人を8000人雇用しています。
前半は以上。この回は後半もふたりの掛け合いがつづきます。
ステイシーは歴史を振り返ります。大英帝国の崩壊、戦争、そしてマーシャルプランで戦後は始まりました。欧州主要国がローンを返し終わったのはここ2〜3年のことです。ここで引用:
西欧はソフトパワー(イデオロギー)に傾注するが、中国はインフラ投資に傾注する。戦後はパナマ運河、スエズ運河などインフラ構築からはじまったというのに。
マックスはそれをうまくまとめます。
西欧のやり方は、まず金を貸します。借金は焦げ付くにきまっているので、貸し手は資産を接収します。苦労してインフラなんてつくらなくても、金を貸すだけでほぼ自動的に資産を接収できる。これが西欧のマーシャルプランだと断言します。中国は基軸通貨をもっていないので、インフラ建設をやるしかない。
ここで引用されているのはブランコ・ミラノヴィックという学者の意見です。いわく、80年代依頼、共産主義の崩壊を通じて西欧の開発思想がインフラからインスティテューションと政策構築にシフトしてきた。つまりグローバル経済に参加したければ民営化しろ、というわけです。
中国の関心は貿易です。むかし英米がそうだったように。中国はインフラ構築を進めます。イギリスがその昔世界中でやったように。しかしいまアメリカがアフガンでやっているのは学校建設だ、とマックスはいいます。その学校にはビデオしかなくって、ビデオは夢を持て、なんていう内容です。ステイシー曰く、結局のところ、アメリカが学校をつくるといっても世界をモンサント化したいのであって、遺伝子操作した種子を売りたいだけなのだ。モンサントは1世代しか生産しない種子を売りまくります。それはすでにアメリカ超越主義ですらなく、麻薬密売人のメンタリティーです。
世界の離れて暮らす人々をつなぐのはインフラであって、イデオロギー(人権、同精婚など)ではない。
インフラを作れば多くの人が仕事を得ることができる。インフラ構築経済における負け犬は給与水準的に競争力のないアメリカ人(訳注:日本人も!)であり、いわゆる発展途上国で仕事を見つけるしかない。
最後の引用です。経済や開発とイデオロギーを切り離すのはモンテスキューやデイビッド・フュームのしそうである。
イデオロギーを優先させ、民主主義が先だたら言うのはエマニュエル・カント派ということです。まずシステムを構築するという考え方がIMFみたいなどうしようもない化け物を産んだ、とマックスは言います。その昔モスレム世界は交易で栄えていた。そこにイデオロギーにこりかたまった十字軍が破壊にやってきた、とステイシーはいいます。

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