2017年7月5日水曜日

カイザーリポート 第1092回 マネーの理性化

[KR1092] Keiser Report: Rationing of Money
Posted on July 4, 2017
http://www.maxkeiser.com/2017/07/kr1092-keiser-report-rationing-of-money/

マックス・カイザーがウォール街で働きはじめた80年代にデリバティブなど「金融工学」にもとづく新しい金融商品が出てきました。それらはぜんぶが証券取引委員会の規制にひっかかるものだったのですが、それらが生み出す巨大な市場の圧力で法律がつぎつぎと改訂された・・・という歴史をマックスが振りかえります。
つまりマネーの理性化、というか規制するルールはつねに市場と価格により変えられてきたのである、という話です。

つぎの話題はオバマケアと、オバマケアにかわってトランプ政権が提出した健康保険法案AHCAについて。「健康保険にかかることができない830人に1人が死亡する」という統計があるらしく、それにもとづいてオバマケアとAHCAを比較したグラフが提示されます。

そして、こんな大切なことを報道せずに、コマーシャルの間のきわめて限られたエアータイムをロシアが選挙に介入した云々のフェイクニュースにしか使っていないマスメディアを批判します。

後半は前回につづきメキシコの経済学者アレハンドロ・ナダル氏。いわく、
1982年にNAFTA(北米自由貿易協定)が発足して以来、メキシコ政府はいわゆる「バランスのとれた財政」を実現すべく、インフレ圧縮のために給与と政府支出を圧縮してきた。その結果、自由化された農業は壊滅し、国の経済はぜんぜんよくなっていない。増えたのは借金だけだ。(貿易のパイが大きかった時代には)WTOの存在感があったけれど、いまはファイナンスがばかでかくなって、貿易は相対的に縮小してしまった、と。
マックス・カイザーは問いかけます。
「インフレ率っていうのは給与は含まれているのか、それとも含まれていないのか?」

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そういえば・・・。
我が輩が2年間いたパキスタンでも、IMFとか世銀の受け売りでJICA(国際協力機構)は「パキスタン政府はバランスのとれた財政を実現すべし」と言っていました。(日本もそうだけど)政府の最高権力者が腐敗している国パキスタンでは、財政バランスなんてどうでもよくて、そんな政府からIMFもJICAも借金を取り立てようとしています。金を返す能力がない人に金を貸すのは悪徳金融業者なのですが、国を相手にIMFも世銀もJICAもおなじことをやっています。返せないことがわかっていて金を貸すというサブプライム行為がリーマンショックを引き起こしたのですが。
パキスタンには豊かな大地と奴隷労働力と、あとは石炭くらいしかありません。石炭は「地球温暖化だからダメ」とJICAはいいます。農業は旱魃と洪水を繰り返すのをなんとかしなければならないのですが、その原因は川上のネパール。
ネパールが無数の小規模ダム(要するにため池)と小水力発電をつくればネパールの水とエネルギーの問題解決になるのみならず、川下のパキスタンがおおいに助かるのです。しかしJICAは「ダム作るなら効率性の観点から大規模ダムでしょう」という。そりゃため池と小規模発電だったらゼネコンが儲からないからね。
(日本の政治家もそうですが)ちかごろは恥ずかしい姿を傍目にさらして平気な人(組織)が増えてきました。
イエローストーンの神サンが怒るんとちゃうやろか。

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