2017年8月17日木曜日

アフガン戦争の民営化

トランプ政権がアフガン戦争の民営化を考えているようです。
http://www.zerohedge.com/news/2017-08-12/plan-privatize-afghanistan-war-doesnt-privatize-anything
記事によると概要つぎのとおり。政府が民営化と唱えるたびにほんとうに民営化した試しがないがゆえに胡散臭さを感じる、というのがマクラです。
  •  イラクやアフガンなど過去15年の戦争実績でいえば、兵隊の半数はすでに(悪名高い)ブラックウォーターなど傭兵企業が請け負っている。
  • ちなみに傭兵企業の数は5500くらいあるらしい。
  • (悪名高い)ブラックウォーター(いまはアカデミとかに改名:しょっちゅう改名するのでフォローしていない)は90機くらい飛行機をもっている。
  •  政治的効果で考えると、Boots on the ground、つまりニュアンスでいうと「我々の息子や娘を戦場に送る」という数を減らすことができる。
  • 戦費を安く見積もることができる。ちなみにペンタゴンの今年の予算見積もりは400億ドルだけど、傭兵企業だと1/4の100億ドルで済むのだとか。
  • ちなみに戦争屋ラムズフェルドが「5日か5週間か5ヶ月で済むはず」といったイラク戦争ではけっきょく2兆ドルを投入した。挙げ句の果てにブッシュは「イラクの復興は自前でやってもらおう」なんてね。政治家の見積もりなんてそんなレベルなのだ。
  • ブラックウォーター創始者のエリック・プリンスいわく、「東インド会社モデル。」つまり征服した場所からリソースを絞りとって利益をあげるということ。
  • ちなみにアメリカの「人道支援」というのが人道的であったためしはなく、(訳注:ヒラリー・クリントンが国務長官だったときのクリントン財団のハイチ人道支援がそうだったように)人道支援とは現地のリソースを搾取することに他ならない。つまり民営化すれば「人道支援」の本質が白日のもとに晒されることになる。
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ここからは我が輩の思索です。
  1. ナポレオンが国民軍をつくる前の時代、欧州の戦争は国王のポケットマネーで養う傭兵部隊だった。(と、「ドイツ参謀本部-その栄光と終焉」で渡部昇一っつあんが買いていたような気がする。)
  2.  その時代は大義を掲げた総力戦じゃなくて、傭兵だからやる気がない。傭兵なんてはんぶん農民だから戦争も農閑期にやることになっていた。だから壊滅的な戦いにならず、領土の一部をやりとりするくらいで済んでいた。
  3. アフガンを民営化するっていうのは、王様のポケットマネーでこそないけれど、その時代に先祖返りすることになるかもしれない。
  4. 民営化するのだから、民主主義云々たらテロとの戦いたらいう偽善の旗を掲げる必要もない。アフガンではアカデミーの傭兵がイスラム国戦士を訓練しつつ、アヘン畑を警護しているのだから、それをアドホックに認めることになる。
  5. アフガンはオーストラリアに勝るとも劣らないリチウムの埋蔵量があるそうなので、電池の原材料が欲しい中国の人民解放軍が落札するかもしれないぞ。(そもそも人民解放軍は中国共産党の私兵やからな。)
  6. イスラム国が落札したらどうなのか? いやいや、だからすでにアメリカの傭兵綺語はイスラム国兵士を訓練して、ヘロインで利益を上げているんだってば。
  7. 民間企業というのは、コスト削減して業績をあげて株価を上げて株主に還元するのが社会的使命。不透明性が向上します。
  8. ということは戦争でできるだけ利益を上げなければならない。いったん戦場認定されたら、東インド会社以上になんでもありの世界になるのか?
  9.  せいぜいのところ、東電・関電による核発電モデルじゃないのか?都合の悪いことは民間企業にぶん投げ。不透明だけじゃなく無責任でもある。
  10. 民間企業が引き起こした惨事の責任はどうなるのか?ふつうの裁判所で裁かれるのかな?それともHSBCのマネーローンダリングみたいに超(国民国家)法規的に訴追免除されるのがオチなのか?

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