2016年12月20日火曜日

駐土アンドレイ・カルロフ大使殺害。トルコ死亡フラッグ。

 故アンドレイ・カルロフ大使


プーチンとエルドアン、カザフスタンでのシリア和平交渉継続合意
2016年12月16日付 Hurriyet紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=41773

これを読んだとき、おかしいと思った。なぜかというと、この記事はトルコの新聞の記事で、おまけにこの写真つき。
内容はひとことで言うと、シリア和平についてトルコはロシアの言うことをすべて聞き、実行するということです。2008年のロシア・ウクライナ間ガス戦争のとき、ウクライナが呑まされた条件を彷彿とさせます。つまりモスクワの差し出す苦汁をアンカラがすべて呑まされたということ。だから、アンドレイ・カルロフ大使殺害の背景にはアンカラ現政権の意思があると思う。でも仕返しにしてはやりすぎ。エルドアンはそもそもイスラム原理主義だし、身内の会社にイスラム国から原油を買わせているやくざだけれど、これはやりすぎ。スンニ派国家としての意地なのか、シリアと国境を接する当事者としての意思表明なのか、それともサウジに尻を蹴っとばされたのか、そのへんはよくわからないけれど、いずれにせよロシアはメッセージを確かに受け取ったはず。
 
トルコと日本はよく似ています。自動車生産の統計とか見たら工業国ですが、実は日本モデル。まず天然資源がない。石油は出ない。鉄鉱石もない。石炭はクソみたいな褐炭しかでない。伊藤忠商事が褐炭をガス化してタービンを回す発電プロジェクトをやっています。日本にあってトルコにないのは、自前の技術。日本になくてトルコにあるのは、ロシアの天然ガスを欧州に送るパイプライン。パイプラインについてロシアはトルコを経由しないノードストロームラインを作るつもりなので、そうなるとロシアにとってトルコはどうでもよくなる。ロシアは経済制裁されてたしかに苦しいけれど、でもプーチンさんに喧嘩を売ってはいけない。絶対いけない。
 
トルコはその地政学的立地から、これからの中東のジョーカーになると思っていたんだけれど、このタイミングでこの手に出ますか?ま、エルドアンが隠居したらトルコがまた元のセキュラー(世俗主義)の共和国に戻って平和になるからいいんだけど。ロシアにボコられるまえに辞めたほうがいいと思う。

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