2016年12月16日金曜日

マッキンゼーの日本農業効率化論その1

日経BPでマッキンゼーの農業レポート「日本における農業の発展、生産性改善に向けて」のことを紹介してました。
本文のタイトルは「日本における農業の発展、生産性の改善に向けて」
日経BPで要領よくまとめられているし、マッキンゼーの資料もたったの33ページ。結論だけコピペするとつぎのとおり。
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ここまで述べてきたことを前提に考えると、今後、日本の農業が注力すべき方策は以下の 5つだ:
A. 高品質、安定供給、コスト優位性を実現するための、農業の上流の原材料の確保に係る戦略の策定
B. パイロットとして選ばれた地域(アグリゾーン)におけるベストプラクティスの実施を通じた、他国よりはるかに高い農業生産コストの削減
C. 海外では一般的な技術を日本で導入し、農業のサプライチェーンを最適化することによるコストの削減
D. 食品加工や流通など、農業の周辺産業との協力による国内外の消費者需要と供給のマッチングを通じたムダの削減
E. アグテックのような将来技術への国内外のバリューチェーン横断的な投資

A については、日本政府および関係の組織は、農業関連機関や国内で有力なトレイダー、インベスターなどとも連携し、農業生産の上流である資源調達を押さえに行くという動きが必要と考えられる。
一方、B、C、D、E についてはバリューチェーン全体を貫く検討が必要となる。
こうした変革を日本で実現するためには、複数地域で一斉に展開するのではなく、「段階的アプローチ・パイロット」を採用することが望ましい。具体的には、日本の農業セクターがタッグを組み、まず特定のパイロット地域を設け、「圧倒的に生産性が高いベストプラクティス」を実現させる。 いわば、21世紀の大潟村プロジェクトだ。

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話はパキスタンまでぶっとぶけれど、2年ほど前にパキスタン政府の若い人と電子政府の話をしていたとき、そのパキスタン人官僚がこういった。
「こないだマッキンゼーのコンサルタントがやってきてさ。とてもファンシーなプレゼンだったけど、何言ってるかさっぱりわかんなかったから、丁重にお帰りいただいた。それでうちの年寄り達が電子政府なんていやだ、ってなっちゃってさ。」
マッキンゼーが話の枕のジョークに使われるいい時代になったんだな、と思いました。
ちなみに「何言ってるかわからない」といったその人をはじめ、PhDとかわんさかいる役所なんだけど。

だいたい大手が途上国に話を持ち込むとき、若い人に通りいっぺんのプレゼンを持たせて送り込むことが多いのかな。マッキンゼーとかPwCとかデロイトとか、名前が通っているのでみんな出てきていちおう話は聞くんだけれど、内容が話の枕のジョークのネタになってしまう。若い人に経験を積ませる、という意味があるのはわかるけれど、そのあとオヂサンが出てきてフォローするということもないみたいなので、結局どういうことなのかよくわからない。
やっぱりマクラに使ってしまったのだが、上のマッキンゼーの農業レポートはとてもきれいにまとめられているけれど、根本のどこかでぶっとく間違えているとしか思えない。

つづく。

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